CCS先進地域(豪州、北米)との連携を深める石炭関連団体「JCOAL」

Organisation: Japan Coal Energy Centre (JCoal), Japan Oil, Gas and Metals National Corporation (JOGMEC)

JCOALのCCS関連の動き

CCS先進地域(豪州、北米)との連携を深める石炭関連団体「JCOAL」

1.日本におけるCCS関連団体
日本政府と連携してCCSを推進する組織(独立行政法人や財団)には、いくつかの団体があります。 JCOAL 、NEDO、RITE、AIST、IAE、JST-LCS、JOGMECなどです(略号の正式名称は脚注に記載)。それぞれの役割は、おおよそ、JCOALは石炭政策的な側面で、NEDOは研究開発の面で、RITEは地球環境保全面、AISTとIAEは工学的応用面で、JST-LCSは低炭素化技術との関係で、JOGMECは貯留(EOR)関係で、各々CCSに関与しています。したがって、これらの動きを見ることで、日本の動きが具体的に見えてきます。この稿では、石炭政策的側面を持つJCOALについて紹介します。

2.石炭エネルギーセンター(JCOAL)の概要
JCOALの起源は1948年に発足した日本石炭協会にあり、歴史は65年に及びます。現在約120団体が加盟し、石炭関連企業と密接に連携して運営され、経済産業省 資源エネルギー庁へ政策提言を多く行っています。この財団は、Global CCS Instituteの設立当初から参加し、2011年の日本事務所の創設までは日本での事務局としての役割を担っていました。現在も引き続き、政府と民間の連携促進という点で重要な役割を果たしています。彼らは、豪州・アジアをベースにして、地球環境に調和する石炭利用を世界的に進めるため、各国との政策対話やCCT・CCS開発の国際的支援を進めています。

3.CO2回収技術開発の支援
CCSについてみると、重要なテーマとして、上流プロセスであるCO2回収技術の開発促進が取り上げられ、ロードマップによれば、2020年までにPost-Combustion回収技術の実証と商用化を目指しています。更に、IGCC+CCSの実証・商用化が2030年までに行われるという見通しです。

4.豪州カライドプロジェクトの推進支援
具体的には、豪州クィーンズランド州にあるカライド発電所での酸素燃焼型CCSプロジェクトに関わり、日本と豪州の連携を進める重要な役割を担ってきました。この技術は、日本が、1990年から、発電所が排出するCO2を回収する技術の一つとして国内企業(IHI等)と共に開発を始めた技術であり、順次スケールアップを図り、2008年から日本と豪州の共同プロジェクトとして進められました。通算6年に及び、2014年末には一つの区切りを迎えることになります。

5.北米大型実証プロジェクト(BD3プロジェクト)のテクニカル アドバイザー
JCOALは、豪州の他、世界のCCS先進地域の機関と包括連携協定を結び、相互の情報交換と企業の連携を促進しています。米国DOE NETLとは2国間共同研究としてCCS関連技術の研究を進めています。また、最近ではカナダとの連携も深くなっています。2010年には、サスカチュワン州およびアルバータ州の州政府と、CCT並びにCCS技術に関する連携協定を結び、2012年には連邦政府天然資源省とも締結しました。こういった連携も通じてこれまで多くの政府間政策対話を支援しています。昨年には、サスカチュワン州電力公社が行うバウンダリダム3号機(BD3)の大規模CCSプロジェクトのAdvisory Committee Memberにもなりました。このプロジェクトは石炭火力発電所からCO2を回収してEORを行う大規模実証プロジェクトとして最も進んでおり、今年の春には運転を開始する予定です。

6.まとめ
このように、日本の石炭関連の約120団体が集まるこの組織は、日本企業が持つ優れた高効率石炭火力技術やCO2回収技術をベースとしてCCTとCCSを組合せた技術を鋭意推進しており、石炭火力発電所のCCS商用化に向けて大きく寄与することになるでしょう。
なお、彼らは、CCSに限らず、原料炭や低品位炭の利用促進などで、豪州やインドネシアなど多くの国々との連携促進を引き続き進めています。

以上

略号説明
JCOAL:Japan Coal Energy Center
一般財団法人 石炭エネルギーセンター
NEDO :New Energy and Industrial Technology Development Organization
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
RITE :Research Institute of Innovative Technology for the Earth
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構
AIST :The National Institute of Advanced Industrial and Science and Technology
独立行政法人 産業総合技術研究所
IAE  :The Institute of Applied Energy
一般財団法人 エネルギー総合工学研究所
JST-LCS:Japan Science and Technology Agency
--- Center for Low Carbon Society Strategy
独立行政法人 科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
JOGMEC:Japan Oil, Gas and Metals National Corporation
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構

出典:JCOAL Journal vol. 24, Jan. 2013
JCOAL Journal vol. 25, May 2013
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