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最新ニュース :スコットランド、グリーン産業戦略(Green Industrial Strategy)を発表、CCUSを同国のネットゼロ移行における成長と投資を促進する主要な機会分野として強調
16th September 2024
発行日:2024年9月16日 原典:グローバルCCSインスティテュート 9月11日、スコットランド政府は、グリーン産業戦略(Green Industrial Strategy)を発表し、同国の投資及び成長を促進し、新しい世界的なネットゼロ経済において同国がリーダーの地位を確立するのを助けるCCUSの潜在的な役割を概説しました。 同戦略は、スコットランドが比較優位を持ち、国際競争力を持つ産業を育成するために資源と投資を優先すべき5つの主要分野を特定しています。 特に、同国は自立的なCCUS部門の発展に向けて手段を講じることを目指しており、それは同戦略において、環境上の必要性及び経済的機会の双方として位置付けられています。 スコットランドは、国内におけるCO2地中貯留の可能性、海底工学の知識及び熟練した労働力のお陰で、既存及び新興の産業に脱炭素化の道を提供し、同時に欧州近隣諸国にCO2貯留オプションを提供する、欧州市場の主要プレーヤーとなるのに良い立場にあります。 この目標を達成するため、スコットランドは、国内外におけるCCUSの規模拡大を加速させるために、下記のような一連の具体的な行動を実施する予定です。 国レベルにおけるCCUSの現状と将来の機会(規制上の障壁やギャップ等)を評価し、スコットランドの比較優位を解き放つ、エイコーン(Acorn)プロジェクト及びスコティッシュ・クラスター(Scottish Cluster)等の主要なインフラ・プロジェクトを支援する。 スコットランド国内外におけるCCUSの成長を支援し、他の欧州諸国と協力してCO2の越境輸送及び貯留を可能性にする。 産業界、地方自治体、政府機関の間の調整、時宜を得た意思決定及びコミュニケーションを確保する。 英国政府及び他のEU諸国と協力し、自立的なCCUSの国際市場を確立する。 最後に、CCUSによる比較優位は、再生可能及び低炭素水素、水素製品、関連技術・サービスの生産及び輸出を通じて活用されることが期待される、もうひとつの主要な機会分野として政府が示した同国の水素部門の成長にも貢献することを、同戦略は確認しています。 特に、同戦略は、水素のよりクリーンな工業生産を可能にし、炭素集約型産業におけるその導入を拡大するために、CCUSをどのように利用できるかを説明しています。 スコットランドのグリーン産業戦略の詳細は、こちらからお読みください。
トピック: Institute News
最新ニュース : Draghi報告書、CCUSを含む利用可能なあらゆる技術及びソリューションを通じた、欧州の脱炭素化及び競争力に関する共同計画を求める
14th September 2024
発行日:2024年9月14日 原典:グローバルCCSインスティテュート 9月9日、Mario Draghi前欧州中央銀行総裁(Former European Central Bank President)が執筆した待望の報告書「The future of European competitiveness(欧州の競争力の未来)」が発表され、欧州委員会に対するEUの競争力を支援するための一連の勧告が示されました。 報告書内で特定されている、持続可能な成長を促進するための主な行動分野の中には、CCUSを含む、利用可能なあらゆる技術及びソリューションを活用する、費用効率が高く技術中立的なアプローチを通じて、脱炭素化を加速させる必要性が含まれています。しかし、これには官民部門の双方による多大な投資と共に、設置許可に係る遅延を削減する必要があることを報告書は強調しています。 特に、報告書は、エネルギーシステムの柔軟性を高めながら化石燃料発電の固定化を回避でき、またエネルギー集約型産業の脱炭素化も支援できるツールとしてCCUSを取り上げています。 資金的なギャップを埋めることについては、欧州排出量取引制度(EU ETS)の対象部門におけるCCUSの普及を支援するために同制度による特定財源を利用するなど、いくつかの対策を提案しています。また、脱炭素化のための資金調達は、炭素差額契約(Carbon Contracts for Differences:CCfDs)または欧州水素銀行による競争入札のような、一般的で競争的かつシンプルな金融手段に頼るべきだとも指摘しています。 最後に、報告書は、2023年におけるCO2回収技術に対する世界的な投資の半分以上がEUで行われたことを評価し、EUの同技術における主導的な役割についても強調しています。しかし、CO2輸送・貯留インフラの開発は、依然として同技術の規模を拡大する上で主要な障壁のひとつとなっています。また、CO2インフラの整備と並行して、数ある技術の中でもCCUSが、経済の要となる部門の脱炭素化に確実に費用効果的に貢献できるようにするために、更なる研究及び革新も必要とされています。 報告書は、再選されたUrsula von der Leyen欧州委員会委員長(European Commission President)が2024年7月に欧州議会に提出した2024~2029年次期欧州委員会の政治指針の発表を受けたものです。 報告書の成果は、欧州委員会が、Clean Industrial...
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インサイト&コメンタリー:サウジアラビア、野心的なCCS目標達成に向けた取り組みを強化
22nd August 2024
発行日:2024年8月15日 原典:グローバルCCSインスティテュート サウジアラビア王国は最近、同国のCCSプロジェクト及びイニシアティブを前進させるために重要な取り組みを行っており、温室効果ガス排出量削減の世界的な取り組みを主導するという揺るぎないコミットメントを示しています。サウジアラビアは、同国の野心的な2060年ネットゼロ目標に沿って、2035年までに年間4,400万トン(44Mtpa)のCO2回収・利用・貯留(CCUS)能力を達成するという目標を設定しており、2035年までのCCS目標を11Mtpaから14Mtpaまで引き上げた国有石油会社のSaudi Aramco社によって支えられています。[i] 同国におけるCCSを推進する旗艦プロジェクトの1つは、ジュバイル(Jubail)CCUSハブです。中東・アフリカ地域で最大のこのプロジェクトは、2027年までに最大9MtpaのCO2貯留を目指しています。Wood社が完了した詳細な基本設計によって支えられた同プロジェクトの初期段階には、未開発地における脱水・圧縮施設や、液相ないし超臨界相のCO2を輸送するための200キロメートルに及ぶ包括的パイプライン・ネットワークの開発が含まれます。[ii] サウジアラビアは、ジュバイル及びヤンブー(Yanbu)産業クラスターを地域CCSハブに変身させることを計画しています。これらのクラスターは、ガス処理、発電、石油化学、セメント、鉄鋼製造及び製油所での水素製造等、排出削減が困難な産業を数多く抱えています。加えて、これらのクラスターは、老朽化したガス貯留層で5.2Gt、ルブアルハリ(Rub’al-Khali)堆積盆地で40~318Gtという大規模CO2貯留層の上に位置しています。[iii] 産業CCSハブは、1Mtpa未満の小規模で二地点間のプロジェクトから、より影響力と規模が大きい10~50Mtpaのプロジェクトへの移行を可能にします。また、共有の輸送及び貯留インフラの利用を通じて費用及びリスクの削減も促進し、より小規模な排出源からの回収を可能にし、貯留の商業的リスクを削減し、規模の経済を生み出し、クリーン水素バレーと融合し、地域CCUSクラスターとつながる機会を提供します。 サウジアラビアのエネルギー省(Ministry of Energy)は、グローバルCCSインスティテュートとの協力の下、同国におけるCCUSハブの開発にインセンティブを与え、開発を促進する革新的なビジネス・モデルを評価しており、特に責任を分け、操業効率を強化することでリスクを緩和することに焦点を当てています。 サウジアラビアの研究開発における画期的成果によってCO2回収及びCO2貯留技術が前進 同国は、サウジアラビア・アブドラ王立科学技術大学(King Abdullah University of Science and Technology:KAUST)が主導する協力を通じて、CO2回収技術及びCO2地中貯留技術において先駆的な進歩を遂げました。KAUSTと米国ユタ州に拠点を置くChart Industries 社の一部であるSustainable Energy Solutions社のパートナーシップは、革新的な極低温CO2回収(CCC)技術の、CO2回収速度1日1トン(ショートトン)というパイロット規模での開発及び実証につながりました。200時間の試験は、1日1トン規模で90%以上の回収効率を示しました。[iv] KAUSTが主導するその他のパートナーシップは、玄武岩層へのCO2圧入の革新的な方法を可能にし、CO2はそこで鉱物化し、恒久的に安定した炭酸塩岩へと変化します。[v] サウジアラビア初の直接空気回収装置は、ダーラン(Dhahran)にてSaudi Aramco社が開発中であり、2024年後半に完成する予定です。この施設は、CO2排出量を効果的に回収及び利用する同国の能力を強化するために極めて重要な役割を果たすことになります。[vi] サウジのクリーン水素の機運は着実に高まっている 2021年、Abdulaziz bin Salman Al-Saudサウジアラビア・エネルギー大臣は、同国が世界トップのクリーン水素供給国になることを目指し、2030年までに4Mtpa...
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最新ニュース:米国エネルギー省(U.S. DOE)、カーボンマネジメント・プロジェクトの責任ある開発に向けたガイダンスの原則を発表
9th August 2024
発行日:2024年8月9日 原典:グローバルCCSインスティテュート 米国エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE)の化石エネルギー・カーボンマネジメント局(Office of Fossil Energy and Carbon Management:FECM)は今週、同省の責任あるカーボンマネジメント・イニシアティブ(Responsible Carbon Management Initiative:RCMI)のパイロット段階の一環として、責任あるカーボンマネジメント・イニシアティブ原則(Responsible Carbon Management Initiative Principles)の最終版を発表しました。この10の原則は、地域社会及び部族との関与、労働力の開発、環境正義及び責務、健康と安全、緊急対応、透明性、長期的管理の分野において、カーボンマネジメント・プロジェクトの高い基準を確保するためにガイダンスを提供します。 「責任あるカーボンマネジメント・イニシアティブ及びその原則は、プロジェクト・デベロッパーに対し、自らのカーボンマネジメント・プロジェクトの社会的及び環境的利益を最大化し、地域社会と効果的に関与し、透明性と説明責任を示すように奨励するものです」と、化石エネルギー・カーボンマネジメント局次官補(Assistant Secretary)のBrad Crabtree氏は、プレスリリースの中で述べました。 FECMは、国民やDOEのエネルギー正義・公平性局(Office of Energy Justice and Equity)、インディアン・エネルギー局(Office of Indian Energy)及びエネルギー雇用局(Office of...
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インサイト&コメンタリー:中国、セメント部門で世界最大の酸素燃焼CCUSプロジェクトで操業開始
15th July 2024
発行日:2024年7月15日 原典:グローバルCCSインスティテュート トピック:中国、CO2貯留 中国は、セメント市場の世界的なリーダーであり、2022年には世界生産量の半分以上を占めています。しかし、この支配的な立場は、環境面で大きな代償が伴うものです。セメント産業は、同国の総CO2排出量の13%を占めており、2020年には排出量が13億トンに達したことから、発電と鋼鉄に続いて3番目に排出量が大きい部門となっています。2060年以前に炭素中立を達成するという中国のコミットメントを考慮すると、セメント産業の大幅な脱炭素化努力は不可欠です。 中国政府は、国の炭素中立目標の達成におけるセメント部門の極めて重要な役割を認識しており、CO2回収・利用・貯留(CCUS)がソリューションの一部となるべきことを認めています。2022年11月2日に中国工業情報化部、中国国家発展改革委員会、中国生態環境部及び中国住宅都市農村建設部が共同発表した「建材産業におけるカーボン・ピーキングに向けた行動計画(Action Plan for Carbon Peaking in the Building Materials Industry)」は、同部門におけるCCUSの研究開発の加速を呼び掛けました。また2024年5月27日、中国国家発展改革委員会は、「セメント産業における省エネ及びCO2削減に向けた特別行動計画(Special Action Plan for Energy Saving and Carbon Reduction in the Cement Industry)」を発表しました。この計画は、2025年末までの具体的な目標を設定し、2030年の方向性を提示するものです。 中国のセメント企業は、同部門におけるCCUSの脱炭素化の可能性を認識しており、その適用可能性及び技術的な実現可能性を実証するための手段を講じています。2018年、中国最大級のセメント生産者である安徽海螺水泥(Anhui Conch)は、年間50ktの能力を持つ同国初の統合型セメントCCUSプロジェクトの本格操業を開始しました。このプロジェクトは、同社白馬山(Baimashan)セメント工場のセメント・キルンにおけるCO2回収にアミン・ベースの手法を使用しています。 今年、中国のセメント産業はもう1つの節目を達成しました。2024年1月9日、中国建材集団(China National...
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最新ニュース:フランス、国家戦略の更新版で同国の炭素中立に向けた移行におけるCCUS軌道を概説
9th July 2024
発行日:2024年7月9日 原典:グローバルCCSインスティテュート 7月4日、フランス経済・財務・産業・デジタル主権省(French Ministry for the Economy, Finance and Industrial and Digital Sovereignty)は、国家CCUS戦略の更新版を発表し、フランスにおけるCCUS展開の現状と今後の展望を明確にしました。 同文書は、同国政府が2023年6月に公開協議のために発表したCCUS戦略草案に基づいており、EU産業カーボンマネジメント戦略(EU Industrial Carbon Management Strategy)やネットゼロ産業法(Net-Zero Industry Act)等、EU地域におけるCCUS開発をより広範に推進することが期待されているEUレベルにおける最近の進展も考慮しています。 同戦略は、同国の炭素中立に向けた移行においてCCUSが担うことが期待されている役割を提示しています。特に、同国におけるCCUSの規模拡大を可能にするために必要だとしてフランスが導入を計画している枠組を概説し、また、より多くのCCUSプロジェクトを実施させるために、利害関係者に規制的な確実性と経済的なインセンティブの双方を提供することを目指しています。 更新されたフランスの戦略によると、CCUSは、セメント、化学製品、鋼鉄、アルミニウム製造等、事業を脱炭素化するための代替策ないし採算性のあるソリューションがない産業から排出される、回避できないCO2の削減ために活用できます。また、廃棄物焼却、バイオマス転換、紙及び食品産業といった他の部門も、EU排出量取引システム(EU Emission Trading System:ETS)における将来の規制的な進展によっては、長期的にCCUSの利用から利益を得られる可能性があります。 戦略で概説されたCCUS軌道を基に、同国は2030年に産業排出量を5~10%削減すること、及び3つの明確な段階を通じて2050年までにネガティブ・エミッションを発生させることを目指しています。具体的に、同国は次の回収目標を掲げています。 フランスのル・アーヴル(Le Havre)、ダンケルク(Dunkirk)、サン=ナゼール(Saint-Nazaire)及びローヌ(Rhône)軸の最も排出量が多い工業港湾地区に対応して、2~4か所のCCUSハブを設置することを通じて、2025~2030年にCO2年間4~8 Mt。 ...
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最新ニュース:フランス、国家戦略の更新版で同国の炭素中立に向けた移行におけるCCUS軌道を概説
9th July 2024
発行日:2024年7月9日 原典:グローバルCCSインスティテュート 7月4日、フランス経済・財務・産業・デジタル主権省(French Ministry for the Economy, Finance and Industrial and Digital Sovereignty)は、国家CCUS戦略の更新版を発表し、フランスにおけるCCUS展開の現状と今後の展望を明確にしました。 同文書は、同国政府が2023年6月に公開協議のために発表したCCUS戦略草案に基づいており、EU産業カーボンマネジメント戦略(EU Industrial Carbon Management Strategy)やネットゼロ産業法(Net-Zero Industry Act)等、EU地域におけるCCUS開発をより広範に推進することが期待されているEUレベルにおける最近の進展も考慮しています。 同戦略は、同国の炭素中立に向けた移行においてCCUSが担うことが期待されている役割を提示しています。特に、同国におけるCCUSの規模拡大を可能にするために必要だとしてフランスが導入を計画している枠組を概説し、また、より多くのCCUSプロジェクトを実施させるために、利害関係者に規制的な確実性と経済的なインセンティブの双方を提供することを目指しています。 更新されたフランスの戦略によると、CCUSは、セメント、化学製品、鋼鉄、アルミニウム製造等、事業を脱炭素化するための代替策ないし採算性のあるソリューションがない産業から排出される、回避できないCO2の削減ために活用できます。また、廃棄物焼却、バイオマス転換、紙及び食品産業といった他の部門も、EU排出量取引システム(EU Emission Trading System:ETS)における将来の規制的な進展によっては、長期的にCCUSの利用から利益を得られる可能性があります。 戦略で概説されたCCUS軌道を基に、同国は2030年に産業排出量を5~10%削減すること、及び3つの明確な段階を通じて2050年までにネガティブ・エミッションを発生させることを目指しています。具体的に、同国は次の回収目標を掲げています。 フランスのル・アーヴル(Le Havre)、ダンケルク(Dunkirk)、サン=ナゼール(Saint-Nazaire)及びローヌ(Rhône)軸の最も排出量が多い工業港湾地区に対応して、2~4か所のCCUSハブを設置することを通じて、2025~2030年にCO2年間4~8 Mt。 国内CO2貯留地の開発、CCSネットワークの設立ないし増加、及びEUレベルにおける将来の規制的な進展によってインセンティブを与えることで他の部門にもCCUS利用を拡大することによって、2030~2040年にCO2年間12~20 Mt。 孤立した排出源とCO2貯留サイトをつなぐ国及び欧州のCO2輸送インフラの創設を通じて、また、新旧の工業用地における残余排出量の回収、生物由来の排出源からの回収、ないし大気中からの直接回収によって2040~2050年にCO2年間30~50 Mt。 国家CCUS軌道と並行して、同戦略は、次の通り、同国におけるCO2回収・輸送・貯留イニシアティブをタイムリーに策定できるようにするために必要と考えられるその他の主要行動も明らかにしました。...
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最新ニュース:欧州委員会、CCSによる生物起源CO2排出削減を支援するため、スウェーデンの30億ユーロ規模スキームを承認
5th July 2024
発行日:2024年7月5日 原典:グローバルCCSインスティテュート 7月2日、欧州委員会は、(バイオマス燃焼ないし処理から発生する)生物起源CO2の回収、輸送及び貯留を支援し、スウェーデンによる排出量削減及び気候目標達成努力に寄与するため、EU国家補助規則の下、スウェーデンの30億ユーロ(360億スウェーデン・クローナ)規模スキームを承認しました。 2028年12月31日まで実施されるこのスウェーデンのスキームは、競争入札プロセスの下15年間契約を通じて展開され、第1回オークションは2024年に開始される予定です。 補助は、スウェーデン国内で生物起源CO2を排出しており、年間5万トンの生物起源CO2回収・貯留能力を持ち得るプロジェクトを実施する企業に提供されます。 今回の発表は、CO2除去を創出するためにCCSを活用し、スウェーデンにおける同技術の展開を更に進めるために極めて重要なインセンティブを設定するというスウェーデンの意向に沿うものです。 詳細はこちらからお読みください
トピック: Institute News
最新ニュース: オーストリア、カーボンマネジメントの費用効果的な展開の規制及び気候目標達成のための国家戦略を発表
3rd July 2024
発行日:2024年7月3日 原典:グローバルCCSインスティテュート 6月26日、オーストリア連邦政府は国家カーボンマネジメント戦略を採択し、同国におけるカーボンマネジメント技術の将来的な規模拡大の基礎を固めました。 オーストリア連邦財務省(Austrian Federal Ministry of Finance:BMF)及び連邦気候行動省(Federal Ministry for Climate Action:BMK)が利害関係者及び国際科学諮問委員会の協力を得て共同策定した同戦略は、排出を回避できない、又は排出削減が困難な産業及びその他の部門から発生する残余排出ガスに対処し、オーストリアによる野心的な気候コミットメントの達成を助けるための戦略的なソリューションとしてCCS、CCU及びCDRに焦点を当てています。 同国は、2つの明確な段階を通じてカーボンマネジメント技術を展開して行く意向です。戦略の発表が重要な礎石となる第1段階は、オーストリアにおけるカーボンマネジメントの現状を定め、カーボンマネジメントを通じて同国の削減が困難な温室効果ガス(GHG)の削減を規制するために必要な一連の行動及び対策をまとめることを目指します。第2段階は、前出の対策の計画及び実施に焦点を置きます。 同国でカーボンマネジメント・ソリューションを費用効果的に実施し、その可能性を引き出すために基礎となる法的枠組を確立するため、政府は次の通り勧告しています。 現在、連邦領内でのCO2地中貯留を妨げている禁止措置を解除し、並行してEU CCS指令(EU CCS Directive)の国内法化に取り組み、国内CO2貯留に適用される必要な法的枠組を確立する。近い将来、CO2貯留の利用可能性は限られて来ることから、政府は、厳格な安全及び環境条件に従って、産業及びその他の特定部門から排出された、削減が困難なGHGのみを対象に国内での地中貯留を認める意向である。 パイプライン経由のCO2輸送を規制する法的枠組の評価及び適応に取り組む。 カーボンマネジメントのバリューチェーン全体で必要とされる、更なる法的及び規制的措置を実施する。 法的、経済的及び政治的枠組と共に、統一された技術基準の作成を更に進めるだけでなく、欧州及び国際レベルでの国際的な協力及び調整を向上させる。 加えて、政府は同戦略で概説されている行動計画を効率的かつ効果的に実施する目的で、下記のために必要な枠組を構築する、又は取り組みを行うことを含む、いくつかの措置を提案しています。 国内及び国境を超えたCCUS/CDRインフラ及び事業を強化する。 CO2回収・輸送・貯留及びCO2除去の最低目標を規定すると同時に、他の欧州諸国におけるCO2貯留容量を確保するための長期契約を締結する。 CCUS/CDR分野における研究、産業パイロット・プロジェクト及び実現可能性調査を推進する。 利害関係者との積極的な関与や、オーストリアにおけるCCUS/CDRの安全性、適用及び必要性に関する情報の共有を通じて、CCUS/CDR技術を巡る国民の認識を高める。 この発表をもってオーストリアは、ここ1年間にわたってCCUS戦略の草案や国家カーボンマネジメント戦略の主要点を発表する等、それぞれ同様の取り組みを行ってきたフランス及びドイツと並び、特化した国家カーボンマネジメント戦略の作成に向けて取り組むEU諸国の仲間入りを果たしました。 この発表はまた、欧州委員会が2024年2月に提案した、EU脱炭素化努力の成功に貢献できる経路としてCCS、CCU及びCDRを提示し、CO2バリューチェーンの全ての側面に対処する包括的なアプローチを概説するEU産業カーボンマネジメント戦略(EU Industrial Carbon Management Strategy)の発表に続くものです。 この文書は、オーストリアの脱炭素化課題の上位に位置付けられるようになったカーボンマネジメント・ソリューションに対する同国のアプローチの変化を明確に伝えるものです。...
トピック: Institute News
最新ニュース:米国アイオワ州公益事業理事会(Iowa Utilities Board)、Summit Carbon Solutions社パイプライン・プロジェクトを承認
28th June 2024
発行日:2024年6月28日 原典:グローバルCCSインスティテュート 6月25日、米国アイオワ州公益事業理事会(Iowa Utilities Board:IUB)は、Summit Carbon Solutions社(「Summit社」)のCO2パイプライン・プロジェクトがアイオワ州29郡で建設を進めることを全会一致で承認しました。この決定は、そこに住む一般市民4,200人以上からの意見等を取り入れる2年間のプロセスを経て下されました。IUBは、この提案されたプロジェクトについて「一般市民の便益と必要性」に資すると判断しました。パイプライン沿いの土地所有者の75%以上が自主的な地役権に署名していましたが、IUBの決定は、理事会が個別に審査し承認した追加的な土地の区画を取得する土地収用権をSummit社に付与しました。 この決定は、ノースダコタ州最高裁判所(North Dakota Supreme Court)及び同州公益事業委員会(Public Service Commission)の公聴会で、このパイプライン・プロジェクトを支持する決定が下されたことに続くものです。これらの承認を得て、Summit社は2025年にパイプライン建設を、2026年に操業をそれぞれ開始する予定です。計画されているパイプラインは、アイオワ州、サウスダコタ州、ミネソタ州及びネブラスカ州で提携している57か所のエタノール工場から年間1,200万トンのCO2を、Summit社が現在3件のCO2貯留施設許可申請の承認を待っているノースダコタ州の地下深部貯留サイトまで輸送することになります。 プロジェクトを承認するにあたり、IUBは、少なくとも1億ドルの賠償責任保険に加入すること、特定の安全及び建設慣行を順守すること、土地所有者及びテナントが建設によって生じる得る損害について補償を受けられるようにすること等、Summit社にいくつかの条件を課しました。 Summit社CEOのLee Blank氏は声明の中で、同社はサウスダコタ州における許可申請を7月頭に控えているが、今後もこの機運は続くと見込んでいると述べました。 IUB の決定に関する更なる情報はこちらから入手が可能です。
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最新ニュース:カナダ議会、C-59法案を可決、CCUS投資税額控除を提供
26th June 2024
発行日:2024年6月26日 原典:グローバルCCSインスティテュート 2024年6月19日、カナダ議会はC-59法案を可決し、CO2回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクトを含む、クリーンな経済のための投資税額控除(investment tax credit:ITC)を制定しました。ITCは、対策を講じなければ大気中に放出されてしまうCO2の回収を行う適格なプロジェクト、直接空気回収、CO2輸送及びCO2貯留を対象とします。控除率はプロジェクトによって異なります。 直接空気回収(DAC)に対する2022~2030年の適格な支出は60%控除、DAC以外の回収は50%控除、CO2輸送、貯留及び利用は37.5%控除がそれぞれ受けられます。全てのプロジェクトにおいて、ITC控除率は2031年~2040年に半減します。 回収プロジェクトは、専用の地中貯留ないし回収されたCO2のコンクリートへの適格利用等、法律で定義された適格な用途を満たさなければなりません。石油増進回収(EOR)におけるCO2利用はITCから除外されています。 クリーン経済ITCに関する更なる情報は、こちらのカナダ政府ウェブサイトからご覧ください。 CCUS ITCに関する詳細はこちらからご覧になれます。
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最新ニュース:ノルウェーとデンマーク、沖合・陸上CO2貯留の新しい探査ライセンスを付与
24th June 2024
発行日:2024年6月24日 原典:グローバルCCSインスティテュート 6月20日、CCS先進国であるノルウェー及びデンマークは、北海及びデンマーク本土の地下における追加的なCO2貯留機会を調査するため、それぞれ新しい探査ライセンスを付与したことを発表しました。 ノルウェー大陸棚(Norwegian Continental Shelf:NCS)におけるCO2貯留の第6次募集の一環として、ノルウェー・エネルギー省(Energy Ministry)は、全て北海沖に位置する新しい探査ライセンス4件を、6社に対して付与しました。 具体的には、2件がEquinor社に対して付与され、残りの2件は、Vår Energi社、OMV社及びLime Petroleum社が形成したグループ(グループ1)、並びにAker BP社及びPGNiG Upstream Norway社が形成したグループ(グループ2)にそれぞれ提供されました。 ノルウェーは、この発表をもって、欧州地域だけでなく世界における共通の気候目標を達成するために、欧州の他国も利用できる大規模商業CO2貯留オプションの開発に向けて極めて重要な手段を講じているCCS界のリーダーであることを再確認しました。 同日、デンマークも、同国本土、すなわちガッスム(Gassum)、ロービュ(Rødby)及びハウンソー(Havnsø)の地下における安全で確実なCO2貯留機会について調査するため、同国初の陸上探査ライセンスを付与しました。 ガッスムにおける探査ライセンスは、Wintershall Dea社、INEOS社及びNordsøfonden社に付与された一方、ロービュのものは、CarbonCuts社及びNordsøfonden社に提供されました。最後に、3つ目のハウンソーにおける探査ライセンスは、Equinor社、Ørsted社及びNordsøfonden社に付与されました。 この動きは、デンマークのCO2貯留容量を更に展開し、同国を将来の欧州商業CO2貯留ハブと位置付けるための重要なマイルストーンとなります。 調査プロセスの結果、デンマークの地盤が商業CO2貯留に適していると実証された場合、関係企業はCO2貯留許可を申請することができるようになります。 デンマーク・エネルギー庁(Danish Energy Agency)はまた、6月27日、CO2陸上貯留プロセスに関する情報を提供すると共に、探査ライセンスの対象となる3つの地域のコミュニティと対話するため、オンライン説明会も開催する予定です。 ノルウェーが付与した4件の探査ライセンスに関する詳細はこちらからお読みください。
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