最新ニュース
最新ニュース: CCSは化石燃料を利用する発電所のCO2排出量削減に関するEPA最終規則の重要な構成要素
27th April 2024
トピック: Institute News
発行日:2024年4月27日
4月25日、米国環境保護庁(US EPA)は、既存の石炭火力発電所及び新規ベースロード・ガス火力発電所からの温室効果ガス排出量(GHGs)に関する新規発生源性能基準(New Source Performance Standards:NSPS)を発表し、2032年までにCO2排出量の90%を回収することを義務付けました。同規則は、発電及びその他の産業部門の脱炭素化におけるCCS技術の極めて重要な役割を強調しています。
「最も運転期間の長い既存の石炭発電ユニット及び最も稼働率の高い新設のガスタービンの最良排出削減システム(best system of emission reduction:BSER)は、発電所に直接適用できると共に発電所からCO2排出量を90%削減できる、利用可能で合理的な費用の排出抑制技術であるCCSに基づくものです」と、EPAは新しい規則のプレスリリースの中で述べています。CCSはまた、新設及び再建されるベースロードの燃焼タービンのBSERとしても特定されています。
NSPSは、信頼できる継続的電力供給を確保するため、電力部門の計画スケジュールに合わせて設計されました。EPAの規制影響分析(Regulatory Impact Analysis:RIA)は、この新しい基準によって2047年までに1.38ギガトンのCO2排出量が減少すると共に、粒子状物質、二酸化硫黄、窒素酸化物等、その他の有害な大気汚染物質も大幅に削減することを予測しています。
世界的なエネルギー需要を満たすために使用されている化石燃料を利用した発電からの排出量を劇的に削減するCCSは、世界の多くの地域において、発電システムの脱炭素化努力の極めて重要な構成要素となっています。CCSが附設された発電所は、太陽光や風力発電等、再生可能エネルギーの変動性を補完する、柔軟な低炭素電力の供給を可能にします。
CCSは、非常に用途の広い気候緩和技術であり、発電、水素及び化学製品、肥料、鉄鋼、セメント、バイオエタノール、廃棄物発電並びに直接空気回収に利用できます。2024年第1四半期時点で、世界では43か所の商業CCS施設が稼働中であり、そのうち16か所が米国にあります。これら43か所の稼働中施設の合計年間CO2回収能力は5,040万トンです。商業CCS施設の開発は世界中で急成長しており、2024年第1四半期時点で33か所が建設中、158か所が開発後期、330か所が開発初期にあります。
EPAのプレスリリースはこちらからお読みください。更なる情報及びEPA最終規則はこちらからご覧ください。