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最新ニュース: オーストリア、カーボンマネジメントの費用効果的な展開の規制及び気候目標達成のための国家戦略を発表

3rd July 2024

トピック: Institute News

 

発行日:2024年7月3日

原典:グローバルCCSインスティテュート

 

6月26日、オーストリア連邦政府は国家カーボンマネジメント戦略を採択し、同国におけるカーボンマネジメント技術の将来的な規模拡大の基礎を固めました。

オーストリア連邦財務省(Austrian Federal Ministry of Finance:BMF)及び連邦気候行動省(Federal Ministry for Climate Action:BMK)が利害関係者及び国際科学諮問委員会の協力を得て共同策定した同戦略は、排出を回避できない、又は排出削減が困難な産業及びその他の部門から発生する残余排出ガスに対処し、オーストリアによる野心的な気候コミットメントの達成を助けるための戦略的なソリューションとしてCCS、CCU及びCDRに焦点を当てています。

同国は、2つの明確な段階を通じてカーボンマネジメント技術を展開して行く意向です。戦略の発表が重要な礎石となる第1段階は、オーストリアにおけるカーボンマネジメントの現状を定め、カーボンマネジメントを通じて同国の削減が困難な温室効果ガス(GHG)の削減を規制するために必要な一連の行動及び対策をまとめることを目指します。第2段階は、前出の対策の計画及び実施に焦点を置きます。

同国でカーボンマネジメント・ソリューションを費用効果的に実施し、その可能性を引き出すために基礎となる法的枠組を確立するため、政府は次の通り勧告しています。

  • 現在、連邦領内でのCO2地中貯留を妨げている禁止措置を解除し、並行してEU CCS指令(EU CCS Directive)の国内法化に取り組み、国内CO2貯留に適用される必要な法的枠組を確立する。近い将来、CO2貯留の利用可能性は限られて来ることから、政府は、厳格な安全及び環境条件に従って、産業及びその他の特定部門から排出された、削減が困難なGHGのみを対象に国内での地中貯留を認める意向である。
  • パイプライン経由のCO2輸送を規制する法的枠組の評価及び適応に取り組む。
  • カーボンマネジメントのバリューチェーン全体で必要とされる、更なる法的及び規制的措置を実施する。
  • 法的、経済的及び政治的枠組と共に、統一された技術基準の作成を更に進めるだけでなく、欧州及び国際レベルでの国際的な協力及び調整を向上させる。

加えて、政府は同戦略で概説されている行動計画を効率的かつ効果的に実施する目的で、下記のために必要な枠組を構築する、又は取り組みを行うことを含む、いくつかの措置を提案しています。

  • 国内及び国境を超えたCCUS/CDRインフラ及び事業を強化する。
  • CO2回収・輸送・貯留及びCO2除去の最低目標を規定すると同時に、他の欧州諸国におけるCO2貯留容量を確保するための長期契約を締結する。
  • CCUS/CDR分野における研究、産業パイロット・プロジェクト及び実現可能性調査を推進する。
  • 利害関係者との積極的な関与や、オーストリアにおけるCCUS/CDRの安全性、適用及び必要性に関する情報の共有を通じて、CCUS/CDR技術を巡る国民の認識を高める。

この発表をもってオーストリアは、ここ1年間にわたってCCUS戦略の草案や国家カーボンマネジメント戦略の主要点を発表する等、それぞれ同様の取り組みを行ってきたフランス及びドイツと並び、特化した国家カーボンマネジメント戦略の作成に向けて取り組むEU諸国の仲間入りを果たしました。

この発表はまた、欧州委員会が2024年2月に提案した、EU脱炭素化努力の成功に貢献できる経路としてCCS、CCU及びCDRを提示し、CO2バリューチェーンの全ての側面に対処する包括的なアプローチを概説するEU産業カーボンマネジメント戦略(EU Industrial Carbon Management Strategy)の発表に続くものです。

この文書は、オーストリアの脱炭素化課題の上位に位置付けられるようになったカーボンマネジメント・ソリューションに対する同国のアプローチの変化を明確に伝えるものです。

オーストリア気候行動省によるプレスリリースはこちらからお読みください。

オーストリア・カーボンマネジメント戦略(Austrian Carbon Management Strategy)本文はこちらから入手できます。

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