Institute updates

Global CCS Instituteによる第9回目の国際メンバー向けイベントが11月5-6日、アラブ首長国連邦・アブダビで開催されました。イベントでは、国際的に活躍されている講演者の方々が、CCS業界の最新動向についてそれぞれご紹介をされました。2014年プログラムはこちらからご覧下さい。

気候変動に取り組むための技術ポートフォリオの一部としてCCSを取り入れることが極めて重要であること、COP20及び21に先駆けて強い政策的支援が必要なこと、そして、技術進歩がいかに将来の進展を支えるか等のテーマがイベント全体を通じて強く掲げられました。また、湾岸地域におけるCCS展開に関する、貴重な見識も紹介されました。

11月11日、米合衆国のバラク・オバマ大統領と中華人民共和国の習近平主席は、気候変動での協力に関し、共同発表を行いました。

両締約国は、気候変動での二国間協力を強化することの重要性を再確認し、共同のクリーンエネルギー研究開発を拡張し、CO2回収・利用・貯留の大規模実証を進めるという二つのコミットメントについて説明しました。

この合意でなされることは、次のとおりです。

2014年11月13日、当インスティテュートは、東京で第13回勉強会を開催しました。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の渡邉和樹氏より、メンバーに向け、CO2を使った石油増進回収(EOR)についてのお話がありました。渡辺氏のご講演は、EORに関する概説から始まり、続いて CO2 -EORの基本的メカニズムや対象となる油田の評価方法など、EORの技術的側面についてのご説明をいただきました。その後、 CO2 -EORの実世界への適用と、さらなる展開のために乗り越えるべき課題についてもお話いただき、最後にこの分野でJOGMECが遂げて来た進展についてご紹介をいただきました。

 

 

ULTimate CO2 会議における貯留研究に関する発表

ULTimate CO2 の第3回総会会合が、11月5−6日にコペンハーゲンで行われました。現在最終年にあるこのプロジェクトは、欧州連合の第7回Framework Programが資金を提供し、フランスのBRGM(公立地質調査機関; http://www.brgm.eu/)がまとめている、共同CO2貯留研究プロジェクトです。同プロジェクトは、地下における長期CO2貯留に影響を与えるプロセスに関する知識を深め、それらの進歩を長期貯留サイトのパフォーマンスを予測する有効なツールに取り入れるためのベスト・プラクティス・ガイダンスを提供することを目的としています。

各研究者及びパートナー大学によるプレゼンテーションでは、産業とナチュラルアナログ、回収メカニズムにおけるシミュレーション、不確実性分析、井戸の完全性、流体力学における研究成果に焦点が当てられました。

2014年12月12日、当インスティテュートは、東京での第14回勉強会を、日本科学技術振興機構(JST)低炭素社会戦略センター(LCS)様ご提供の会場にて主催いたしました。

 

米上院、Christopher Smith氏を承認

12月16日、米国上院はChristopher A Smith氏を、エネルギー省の化石エネルギー担当次官補として承認しました。Smith氏は、化石エネルギー局の研究開発プログラム及び米国戦略石油備蓄(US Strategic Petroleum Reserve)担当となります。上院の承認以前、同氏は、石油・天然ガス担当主席副次官補を務め、またメキシコ湾岸石油流出の原因調査のためオバマ大統領が設置した「BPのDeepwater Horizonにおける石油流出及び沖合掘削(BP Deepwater Horizon Oil Spill and Offshore Drilling)」に関する国家委員会の、指定連邦担当官も務めました。

Global CCS InstituteCEO Brad Pageが、クリーン・エネルギーの一つのオプションとしてのCCSの重要性および認識が向上したこと、そして当該事項についての当インスティテュートの役割などを含め、リマにおけるCOP 20の成果についてお伝えします。

国連気候変動枠組条約(UNFCCC)締約国会議(COP)の目的は、194の批准政府が共通の拘束力ある気候協定について交渉を行うことにあります。地球の平均気温上昇を摂氏2℃未満に抑えようという全世界的努力のもと、国際的枠組を作るべく各国がそれぞれの国益に沿って交渉を行う中で、複雑さが増大しています。この交渉は政府主導のプロセスではありますが、毎年、その他多くの組織、企業、個人がCOPに集結し、これらの気候変動交渉からできる限り最善の結果をいかにして確保するかについて、それぞれの意見を提唱しています。

UNFCCCの世界では、気候変動は本質的にストックの問題であると認識されています。つまりそれは、今後20年間のうちに大気に到達したCO2はその後100年間害を及ぼし続けるということです。したがって、気候の観点から見て、この地球の命運を決めるのは、2050年までの地球全体における我々の取り組みなのです。ですから、世界で今日の現実から明日の低炭素経済へのパラダイムシフトが遅れれば遅れるほど、そのコストは高くなるのです。

言い換えれば、現在技術的に可能なことが、経済的実行可能性を決めるわけでも、最適な削減の道筋を決めるわけでもありません。このことは、政策決定者やビジネス・リーダーの前に同様に立ちはだかる課題です。より低炭素化した世界経済に到達するには、多くの様々な道があります。ソリューションにたどり着くために、私たちは、あらゆるクリーン・エネルギー・オプションを緩和策の俎上に上げていく必要があるのです。

CCSの提唱

このため、当インスティテュートはあらゆるUNFCCCプロセスにおいて、インスティテュートのメンバーを代表して、一層活発にCCSの提唱を行っております。皆様の多くがご存知のように、私たちはUNFCCCの中でCCSの問題について影響力を持つ主要なチャンネルとなり、且つ交渉に対する積極的な貢献者であろうとしております。 私たちは条約の公認オブザーバー、気候技術センター・ネットーワーク(Climate Technology Centre and Network:CTCN)メンバー、グリーン気候基金(Green Climate Fund:GCF)の公認オブザーバーとして、CCSへの注目度を高めるべく努力しています。

実際、リマ会議に至る準備期間において、当インスティテュートは、UNFCCC事務局が10月にボンでCCS Technical Experts Meeting (TEM)を組織する際の支援に尽力し、排出削減ポテンシャルの高い実証済み技術に焦点を当てました。この会合の成果は、Andrew PurvisによるInsightにまとめられています。これらの努力が見逃されることなく、重要な気候緩和技術としてCCSへの認識が、リマでこれまでになく高まったことは喜ばしいことです。このことは、当インスティテュートが今回のCOPで様々な国連機関、多国籍機関、各国政府と共催した一連のミーティングが非常に成功したことからも明らかであり、CCSはこれらの機関のいわばレーダーに緩和策としてしっかりと捕えられています。

CCSが徐々に人々の念頭に

CCSは、Jeffery Sachs教授によるPathways to Deep Decarbonisation(大幅な脱炭素化に向けて)の報告書やCCS無しでは2°Cシナリオの達成コストが138%増となるとした気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のFifth Assessment Report(第5次評価報告書)など、今回のCOPに向けて発表された多くの重要報告書の中でも大きく取り上げられました。COPの正式開会セレモニーの場で、IPCC議長のRajendra Pachauri博士が、CCSやバイオCCSなどの低炭素・非炭素型エネルギー技術をより一層利用していく必要性に触れられ、CCSに言及されたことは、心強いことでした。

さらに重要なことに、Reuters (5/12) の報道では、国連気候変動事務局長のChristiana Figueres氏が「我々にはCO2回収・利用・貯留に関する考えを新たにする必要性があると考える」と述べ、国連 (UN) がCCSの再考について促したとあります。CCSは気候問題の解決を進展させようとする人々の心の中に、今や明確に刻まれたテーマとなっています。

COP 20 CCSサイドイベント

当インスティテュートがリマで主催した2つのサイドイベントには、沢山の方々にお越し頂きました。1つ目のものは、公式にUNFCCCが支援しているサイドイベントで、当インスティテュートがサウジアラビア王国と共催したThe Ability of Clean Fossil and Non-Fossil Energy to Fulfil Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標を達成するために、クリーン化石エネルギー及び非化石エネルギーに何ができるか)に関するイベントでした。著名な方々によるパネルでは、持続可能な開発目標と非炭素化目標を満たす上でのクリーン・エネルギー源及びクリーン・エネルギー技術の貢献について話し合われ、満席の会場から興味深い質問や議論が寄せられました。

同サイドイベントでは、以下の方々にご講演をいただきました。

  • Jane Ebinger氏 – 世銀
  • Majid H Al Suwaidi氏 – UAE外務省(アラブ首長国連邦)
  • Ahmed Al Eidan氏 – Saudi Aramco社 (サウジアラビア)
  • Mohammed Al Malki氏 – SABIC社 (サウジアラビア)
  • Mohammed Al Shati氏 – クウェート石油公社(Kuwait Petroleum Corporation) (クウェート)
  • Paulina Serrano氏 – PEMEX社 (メキシコ)

12月8日、当インスティテュートはHow can we reconcile climate targets with energy demand growth?(気候目標とエネルギー需要増加をどう調和させるか?)というイベントを主催しました。パネル・ディスカッションでは、CCSによる緩和と、持続可能な成長目標も達成しながら摂氏2℃未満に気温上昇を抑えるための適切なCO2排出維持との関係が模索されました。手頃なエネルギー・サービスにアクセスできないでいる国々にとってそれがどういう意味を持つのか、つまり「エネルギー貧困」には他にどういう意味があるのかを問わんとする話し合いが行われました。

同サイドイベントでは、以下の方々にご講演をいただきました。

  • Nicholas Stern卿—London School of Economics
  • Heleen de Coninck氏—Radboud University
  • Mike Monea氏—SaskPower社
  • Philippe Benoit氏—International Energy Agency(国際エネルギー機関)
  • David Hone氏—Shell社

2015年パリにおけるUNFCCC会合は、今後10-20年間にわたり気候変動について世界が何をすることになりそうかについての要となるでしょう。当インスティテュートは、来年の議論及びそれに続く決定において、CCSが重要な位置を確実に占めることができるよう、これからも提唱を続けて参ります。

当インスティテュートのサイドイベントに関する詳しい情報は、Meade GoodwinのInsightsでお読みいただけます。COPのプロセスと成果についての詳細な議論については、Mark Bonner及びJohn ScowcroftのInsightsをご覧下さい。

 

 

 

 

 

Global CCS Institute CEO Brad Page reports on outcomes from COP 20 in Lima, including the the importance and increased recognition of CCS as a clean energy option, and the Institute's role.

The aim of the Conference of the Parties (COP) to the United Nations Framework Convention on Climate Change (UNFCCC) is for the 194 ratifying governments to negotiate a universally binding climate agreement. The complexity grows as nations negotiate in their own national interest to establish an international framework in a global effort to keep average global temperature rise to under 2 degrees Celsius. While this is a government-led process, each year many other organisations, businesses and individuals gather at the COP to advocate particular views on how to ensure the best possible outcomes from these climate change negotiations.

The UNFCCC community acknowledges that climate change is essentially a stock problem; that is, the emissions that reach the atmosphere over the next two decades will remain doing harm for another hundred. Therefore it is what we do globally until 2050 that will determine the fate of this planet from a climate perspective. For this reason, the longer the world delays in moving from today’s reality to tomorrow’s low-carbon economy paradigm, the higher the costs will be.

Put another way, technical feasibility today neither determines economic feasibility nor an optimal abatement pathway – these are the challenges facing our policy makers and business leaders alike. There are many different routes that can be taken to reach a more decarbonised destination. For us to reach a solution we need every clean energy option to be on the mitigation table.

Advocating for CCS

To this end, the Institute is increasingly active in all UNFCCC processes, advocating for CCS on behalf of our Members. As many of you know, we seek to be the primary channel of influence on CCS matters within the UNFCCC and a positive contributor to negotiations. We work to raise the profile of CCS through our accreditation as an observer to the Convention, a member of the Climate Technology Centre and Network (CTCN), and as an accredited observer to the Green Climate Fund (GCF).

Indeed, in the lead-up to Lima, the Institute was instrumental in helping the UNFCCC Secretariat organise a CCS Technical Experts Meeting (TEM) in October in Bonn, focusing on proven technologies with high potential to curb emissions. The outcomes of this meeting have been summarised in Andrew Purvis’ Insight. I’m pleased to say that these efforts are not going unnoticed and the recognition for CCS as an important climate mitigation technology was stronger than ever in Lima. This was evident in a series of very successful meetings the Institute held during the COP with a range of United Nations bodies, multinational agencies and governments for which CCS appears prominently on their mitigation radar.

CCS increasingly top of mind

CCS was also prominent in many significant reports launched in the lead-up to the COP, including Professor Jeffery Sachs’ Pathways to Deep Decarbonisation report and the Intergovernmental Panel on Climate Change’s (IPCC) Fifth Assessment Report which found that it would cost 138% more to achieve a 2°C scenario without CCS. I found it heartening to hear CCS mentioned in the official opening ceremony of the COP by the IPCC’s President, Dr Rajendra Pachauri who referred to the need for greater use of low carbon and no-carbon energy technologies such as CCS and bio-CCS.

Importantly, Reuters (5/12) reported that the United Nations (UN) urged a re-think of CCS: "I do think we need to refresh our view on carbon capture use and storage," said Christiana Figueres, head of the UN Climate Change Secretariat. CCS is a topic that is now clearly in the minds of those fundamental to progressing the climate space.

COP 20 CCS side events

The Institute held two very well attended side events in Lima. The first was an official UNFCCC-endorsed side event we held jointly with the Kingdom of Saudi Arabia on The Ability of Clean Fossil and Non-Fossil Energy to Fulfil Sustainable Development Goals. A distinguished panel discussed the contributions of clean energy sources and technologies in fulfilling sustainable development and decarbonisation goals, taking interesting questions and discussions from a crowded room.

The speakers included:

  • Jane Ebinger – World Bank
  • Majid H Al Suwaidi – UAE Ministry of Foreign Affairs (UAE)
  • Ahmed Al Eidan – Saudi Aramco (Saudi Arabia)
  • Mohammed Al Malki – SABIC (Saudi Arabia)
  • Mohammed Al Shati – Kuwait Petroleum Corporation (Kuwait)
  • Paulina Serrano – PEMEX (Mexico)

 

On Monday 8 December, the Institute hosted an event called How can we reconcile climate targets with energy demand growth?. The panel discussion explored the relationship between CCS mitigation and a timely preservation of the 2oC carbon budget, while also delivering on sustainable development goals. The discussion sought to address what it might mean for countries facing a lack of access to affordable energy services – or what might also be termed 'energy poverty'.

The speakers included:

  • Lord Nicholas Stern, London School of Economics
  • Heleen de Coninck, Radboud University
  • Mike Monea, SaskPower
  • Philippe Benoit, International Energy Agency
  • David Hone, Shell

The 2015 Paris UNFCCC meeting is the focal point for what the world is likely to do on climate change over the coming one and two decades. The Institute will continue to advocate to ensure that CCS occupies a prominent place in the debate and subsequent decisions.

You can read more about our side events from Insights from Meade Goodwin. For a full discussions of the COP process and outcomes, read insights from Mark Bonner and John Scowcroft.

 

 

12月11日、Petronas Carigali社は、Sarawak岸沖のK5ガス田開発に伴うCCSプロジェクトを発表しました。このガス田はCO2濃度が高く(70%)、液化天然ガス精製に適切な6.5%にまで希釈されます。Petronas社は、沖合低温蒸留施設を用いてCO2を回収し、貯留のため海底下2.2kmのところにある帯水層に圧入することを計画しています。このプロジェクトでは、このガス田から2018年にガス採掘を開始することを目的としています。

マレーシアは、2020年までにGDPあたりの排出原単位を2005年比で40%削減することをコミットしています。マレーシアでは電力の95%が石炭ないしガス発電であることを考えると、CCSは、石油・ガス部門に加え、同国電力部門における排出削減技術としての役割を果たす可能性があるでしょう。

当インスティテュートのCEO、Brad Pageが、リマのCOP 20に出席している間、Responding to Climate Change (RTCC)の気候変動関連テレビ番組に出演して語りました。

Pageは、運転中ないし建設中の22件(2010年から50%増)のCCSプロジェクトについて概説しました。

また、今後10年間におけるCCSコスト低減の可能性とCCS展開の見通しを考えると、CCSの新規投資を促進するためには、CO2排出に関する明確な国際政策が必要であることについても語りました。

動画

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Py6uEtCEFEc