CCS、気候ギャップの橋渡しのカギを握る

06 November 2015
Melbourne, Australia

 

201511月6:  本日発表されたGlobal Status of CCS 2015によれば、既存の大規模CCSプロジェクトにより最大2,800万トンのCO2が今年回収されることになります。

6年目を迎えたグローバルCCSインスティテュートの報告書「Global Status of CCS 2015(世界のCCSの動向2015」では、2015年に運用開始された2件の大規模CCSプロジェクトであるカナダのQuestプロジェクト及びサウジアラビア王国のUthmaniyah CO2-EOR実証プロジェクトの概要を紹介しております。Uthmaniyahプロジェクトは中東初の大規模CCSプロジェクトです。

現在、操業中のプロジェクトは15件。他に7件のプロジェクトが各建設段階にあり、今後18カ月(1年半)の間に操業が開始される予定です。

これら22件のプロジェクトが、現在の国際的気候約束と、摂氏2℃以内の温暖化目標達成に必要と科学者が述べる値とのギャップを縮めるカギを握っているのです。

本日、インスティテュートCEO、Brad Pageは、カナダ、アルバータ州においてShell社による画期的なQuest プロジェクトの立ち上げにおいてスピーチを行い、「国際的気候約束と科学者らが必要と語る値との間に大きなギャップがあることは、使える技術は全て使うべきだということを意味する。」と述べました。

さらに「世界が真剣に気候変動の現実に対処しようというのであれば、我々は使える技術オプションは全て活用しなければならず、特にCCSを最大限に活用しなければならない。」とBrad Pageは述べました。

「これらの先駆的CCSプロジェクトから得られた知見や学習事項を共有し、操業中・建設中・評価初期段階にあるプロジェクトに応用していくことが肝要です。」

「これらの大型プロジェクトは、CCSが世界の様々な国々において数百万トンのCO2 排出を削減する実証済みの技術であることを示しています。」

「CCSは、温暖化の影響を2℃以内に抑えるという国際合意へ向けた目標を達成するために必要なあらゆる削減技術の一つとして、重要な役割を担っています。今こそ、意思決定者らがこの不可欠な低炭素技術へのコミットメントを新たにすべき時なのです。」

2017年までに、これら22件のCCSプロジェクトにより、年間4,000万トンのCO2 が回収・貯留できるようになるでしょう。このことは、路上から800万台の自動車を排除することに相当します。

2014年11月に発表されたIntergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル:IPCC)のFifth Assessment Synthesis Report(第5次評価統合報告書)では、重要な気候緩和技術としてのCCS の重要性に焦点が当てられています。CCS無しでは、温暖化の影響を2℃以内に抑えるために必要なコストは138%増、つまり2倍以上になってしまう可能性が高いのです。

「CCSは発電起源のCO2排出のみに関係することではないと気づくことが重要である。」と、 Brad Pageは述べました。

「CCSは鉄鋼、化学品、セメント製造などの産業プロセスからのCO2排出を大幅に削減しうる唯一の技術です。産業部門全体におけるCO2 排出量は世界全体のおよそ25%に上ります。」

Global Status of CCS 2015では、現行及びペンディング中のCCSプロジェクトを合わせた回収ポテンシャルに焦点を当てており、また政策・規制的観点からのCCSとその他の低炭素技術との格差についても取り上げています。

「政策・規制的支援は、CCSへの投資を刺激するカギであり、2007年以降の世界のCCS投資は200億米ドル未満だということを認識することが重要である。」と、 Brad Pageは述べました。

「CCSへの投資額と、同じ期間に再生可能発電技術に対して行われた約100倍の投資額を比べてください。その主な理由は政策支援の差にあるのです。」

「パリのCOP21会合を前に、各国のCO2 排出削減コミットメント合計と科学者が必要とする値の間には、いまだ大きなギャップがあります。」

Global Status of CCS 2015は、1970年代初頭から、様々な貯留パイロット・プロジェクト、地中貯留を伴う大型プロジェクト、石油増進回収プロジェクトなどにおいて、数千万トンのCO2注入・貯留が成功裡に行われていることも明らかにしています。

「CO2貯留について理解しようというのであれば、技術的に十分に実証済みであり、CCSの世界展開の一環としてCO2貯留の商業実用化を阻む障害にはならないことを認識することが重要である。」と、 Brad Pageは語りました。

「数十年にわたる産業界の経験に基づき確立されたリスク管理原則によって、安全な貯留サイトを選定・特性評価・操業することが可能なのです。」

 

以 上

 

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編集者への注記:

Global Status of CCS 2015は、以下URLよりダウンロードが可能です。

status.globalccsinstitute.com

 

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