COP 22-インスティテュート最新ニュース 2016年11月16日(水)

18 November 2016

2016年11月16日、水曜日

 

COP 22はマラケシュにおいて11月7日より2週間の会期で始まり、パリ協定(パリCOP21の採択)の実施が開始されました。また、COP21では新気候協定のとりまとめが中心となったことから、基本的に保留となってしまっていた議論が再開されました。

COP22は、COPは、多くの点においてこれまでとは異なっています。

一つ目は、パリ協定が法的にスタートする(交渉担当者は「発効」と呼ぶ)までにわずか10ヶ月しかかからなかった点です。これは、気候交渉の歴史において非常に画期的な出来事であり、京都議定書では8年を要しました。したがって、COP 22では、UNFCCCを支える多国間プロセスと、約束草案に向けたプロセス(Nationally Determined Contribution Process)の定着に向けた動きが継続していることを世界に発信することに重点が置かれています。実際、オーストラリアや日本などの国々は、ここマラケシュにおいてパリ協定の批准を発表し、オーストラリアは京都議定書第2約束期間の批准についても発表しました。

二つ目は、COP22において以下の3つCOPが打ち出されようとしている点です。

  • 先進国による途上国の気候行動(緩和と分離の双方)支援を約束する、1000億米ドルの資金供与に関するロードマップ
  • 能力開発メカニズム(Capacity Building Mechanism)と、その管理監督(来年4月に理事会が結成される予定)
  • ワルシャワ国際メカニズム(Warsaw International Mechanism:WIM) –またはこれまでの活動が気候に及ぼす影響に対し脆弱な国々の対応能力を高める、「損失・損害(loss and damage)メカニズム」

 

2001年COP 7のマラケシュ・アコードにおいて活躍したマラケシュはCOP22においても成功をおさめるでしょう。しかし、9日目(11月15日火曜日)時点において、上記3つの成果を除き議論を急ぐ様子が見られません。 このことは、パリ協定アドホック・ワーキング・グループ(APA)、実施に関する補助機関 (SBI) 、科学的・技術的助言に関する補助機関 (SBSTA)の議長らが、議題項目を非公式協議にしようとした会議初日(11月7日月曜日)には、暗示されていたことでした。これら「協議の場」は、本質的にアイディアを出し合う場なのです。

そして、11月11日金曜日、議題のいくつかが公開協議及びコンタクト・グループに提出され、非公式協議における結論を急ぐよう求められてもなお、問題の多くがCOP 23(ボン気候変動会議において議論が再開されている)に先送りされることになりました。

CCS関連では、CDMにおいて2件の未決案件(i)認証排出削減(CER)単位の一般準備金の設立(ii) CO2の越境移動(国境を超える等)を伴うCCSプロジェクトの適格性に関する合意、があります。SBSTA議長は開会式にあたり、「関係各国」と協議の上、自らCMP(京都議定書最終意思決定機関)提案草案を作成すると決定しました。これは所謂「問題の先送り」ですが、その提案はSBSTA が「検討を終了した」とする提案よりも多少は明確なようです。

このことは、CCSにおける予見不可能な(非常に可能性の低い)事象を保証するために強制的かつ追加的な資金負担を負わされることはない、ということを示唆しています。また、CO2の越境移動を伴うCCSプロジェクトをCDMとして登録するために関係政府全ての承認を得ようとすることも可能です。しかし、CDM申請をしたCCSプロジェクトは一つも無く、その事実が上記提案に記されていることは、特筆すべきです。

インスティテュートはCOPにおいて、各種交渉をフォローすると共に、CCS提唱への努力も行っています。これまでのところ、CCS提唱へ向けて以下の取り組みを行いました。

  • 4件の主要サイドイベントを主催(「産業CCS」、「CCS と IPCC」、「何故 CCS は気候目標にとって重要なのか」、「約束草案を気候行動に取り入れる」)
  • 主要な外部イベント2件に参加(EBRD、CP4)
  • CCS対話のためのハイレベル夕食会を主催
  • UNFCCC支援によるサイドイベントにおいて、Status Report(世界のCCSの動向 2016)を発表
  • UNFCCCプレスルームにおいて、IEAエネルギー技術政策部長(Head of Energy Technology Policy Division)及びスターン卿と共に、Status Report(世界のCCSの動向 2016)に関する合同記者会見を実施
  • UNFCCCのClimate Studioをはじめとする複数のメディア・インタビューを実施
  • COP 22のBlue Zoneにおいて、IETA及びNordic Pavillionとのコラボレーションを実施
  • インスティテュート・サーバーにCOP 22専用ページを設け、交渉に関する情報を発信
  • UNFCCCの支援を受けた展示を実施

 

残り3日、重要問題に関する協議はほぼ終了しており、次回議題となるのは来年半ばの会期間会合になると思われます。そして、問題の多くがCOP 23(来年はフィジー主催によりボンで開催との噂)において各意思決定機関に提案が出される予定です。