インスティテュート、COP 22に向けて準備

10 November 2016

2016年11月3日、木曜日

 

インスティテュートが国連気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change:UNFCCC)に関わるようになって7年目の今年、2016年11月7日から18日までモロッコのマラケシュでCOP 22が開催されます。昨年、インスティテュートはパリ協定第6条における様々な緩和アプローチ(「世界の気候行動に向けた気候緩和推進派のためのロードマップ及びパリ協定の技術枠組(the Climate Champion’s Road Map for Global Climate Action, and the Paris Agreement’s Technology Framework)など、将来のCCS普及にとって支障となる様々な問題についてUNFCCCに複数の意見書を提出しました。

また、COP 22では科学的・技術的助言に関する補助機関(Subsidiary Body for Scientific and Technological Advice:SBSTA)によるクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)に関する議論において、CO2の越境移動やCDMにおけるCCSプロジェクト向け準備金制度の設立など、CCSに関係する多くの問題についても話し合われる予定です。

COP 22会期中、定期的にCCS関連問題についてお伝えします。インスティテュート COP 22 ウェブサイトをご覧下さい。 また、インスティテュート独自のイベント・スケジュールを予定しています。

この数週間、COP 22が気候変動交渉の歴史においてこれまでにない新たな金字塔となりうることを示す出来事が、数多くありました。

一つ目は、パリ協定が無事批准され、2016年11月4日に発効することとなったことです。このことは、締約国会議(Conference of the Parties serving as the Meeting of the Parties to the Paris Agreement:CMA)としてCOP 22に集結し、2020年以降の実施について正式に交渉を開始できるようになることを意味します。 まだ批准していない締約国は、批准するまで実施に関する投票ができず、交渉プロセスにおいてはオブザーバーに留まることになります。そのため、マラケシュにおいてCMA第1回会合が行われますが、より多くの国々が各国の国内プロセスにおいて批准の承認を確保することができるようになるまで、重要な決定は行われないでしょう。

二つ目は、オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書(Montréal Protocol on Substances that Deplete the Ozone Layer)のもと、フロン(HFCs)の利用と製造を段階廃止する修正条項が採択されたことです。分析によれば、こうした取り組みにより2100年までに地球の温暖化をさらに0.5℃下げることにつながる可能性があるとのことです。

気候変動への取り組みに対する地球規模の政治的コミットメントに疑いはありません。気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC)の1.5℃温暖化に関する特別報告書(2018年発表予定)と第6次評価報告書(2021年発表予定)において述べられているとおり、地球温暖化の悪影響に関する新たな科学的知見が次々と確認されていく中、各国が自国の取り組みを進めることにより国際的なコミットメントを補完していくことが、引き続き課題となってきます。

もちろん、締約国には公約(合計しても2℃の気温目標にははるかに及ばないと評価されている)を再検討するためのポイントが数多くあり、批准時、2020年(パリ協定のコミットメント開始年)、2020年から5年おき、そして後退しないかぎりいつでも再検討が可能です。2℃目標及び野心的な1.5℃目標を追求するあらゆる努力が達成されるには、多くの主要排出国が排出削減目標を上方修正する必要があります。したがって、各国が自主的に決定する約束草案(Intended Nationally Determine Contributions : INDCs)を再提出する際には、CCSに必要な重要な評価を行うための専門家情報を得られるようにすることが欠かせません。

インスティテュートはCOP 22において、専門家をパネリストとしたサイドイベントや展示を多数開催し、重要な意思決定に関わる人物・代表団とのハイレベル協議に参加いたします。また、交渉の現状と、CCS関連活動に対する影響についても理解を深めていきます。インスティテュートは、CCS関連知識における中心的存在として締約国を支援し続けます。