日本におけるCCS関連イベント2件

10 November 2016

2016年11月3日、木曜日

今年10月、2件のCCS関連イベントが東京で開催されました。1件は炭素隔離リーダーシップフォーラム(Carbon Sequestration Leadership Forum:CSLF)技術グループ・政策グループ会合及びCCSテクニカル・ワークショップ、もう1件はInnovation for Cool Earth Forum(ICEF)です。

 

CSLF作業部会及びテクニカル・ワークショップで発表された活動内容は素晴らしいものでした。CSLFにはタスクフォースが設置され、CCSロードマップ、沖合CO2-EOR(石油増進回収)、CCS付きバイオマス発電(BECCS)、孔隙有効利用の改善、CCSファイナンス、コミュニケーション等、幅広いトピックを取り扱った報告書を作成しています。また、新しいウェブサイトが立ち上げられました。

 

さらに、苫小牧CCS実証プロジェクト及びNET Power社Allam Cycle実証プロジェクト(米国テキサス州、50MWth規模)が、CSLFによって正式に認定されました。両プロジェクトでは、CCSにとって重要な複数の技術について意義深い実証が行われます。苫小牧プロジェクトは、水素製造施設におけるCCSの実証を行うもので、陸上圧入、指向掘削及び湾岸区域内の海底下貯留が行われます。一方でNET Power社のプロジェクトは、メタンの酸素燃焼、そして、燃焼タービンを動かす作動流体として(蒸気の替わりに)超臨界CO2を使用することにより、従来型ランキン・サイクル(蒸気を使用)にCCSを適用するよりもシステム全体の効率を大幅に高めることができるAllam Cycleの適用を実証します。政策グループはまた、新しくCSLFに加盟したチェコ共和国を歓迎しました。

 

経済産業省、地球環境産業技術研究機構(RITE)及びインスティテュートが支援したCSLFテクニカル・ワークショップでは、大規模CCSプロジェクト及び産業CCSから得られた教訓について焦点が当てられ、Alex Zapantis(インスティテュート アジア太平洋地域担当ジェネラル・マネージャー)が産業CCSの概観についてプレゼンテーションを行いました。

Alex Zapantis presenting at ICEF 2016

ICEF 2016においてプレゼンテーションを行うAlex Zapantis

 

安倍総理大臣が後押しするICEFは、気候変動問題のソリューションに焦点を当てた大規模な年次会議です。今年の会議では、安倍昭恵総理夫人が開会の辞を述べ、また、CCSに特化したセッションも行われました。参加者数が約300人に上った今年のICEFのプログラム詳細は、ICEF 2016のウェブサイトをご参照下さい。

 

CCSセッションは、IEAGHG技術プログラム担当マネージャーであるTim Dixon氏が議長を務め、Alex Zapantis(インスティテュート アジア太平洋地域担当ジェネラル・マネージャー))、Jarad Daniels氏(米国エネルギー省化石エネルギー局クリーンコール・炭素管理局戦略的計画・グローバル関与部長)、Brian Allison氏(英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省CCS研究開発・イノベーション部長補佐)及び薛自求氏(RITE CO2貯留研究グループ主席研究員)によるプレゼンテーションに続き、パネルディスカッションが行われました。

 

ディスカッションの結論は以下のとおりです。

  • COP 21において気候行動に関する国際的議論がリセットされたことは、民間部門が今後厳しい排出削減が求められるであろう将来にますます目を向けているという事例証拠でもある。
  • CCSが必要不可欠な排出削減技術としてますます注目されるようになり、効果的な政策環境を推進する機会が生まれる。
  • 気候目標を達成するために必要なCCSについて、民間部門からの大規模投資にインセンティブを付与する政策を確実にする更なる取り組みが必要。