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メディアリリース:政府と産業界がプロジェクトを前進させるために協力する中、CCS設置容量は倍増する見通し
15th October 2024
トピック: Institute News
発行日:2024年10月15日
主要点
- グローバルCCSインスティテュートは、世界のCCSの動向2024年版(Global Status of CCS 2024)報告書を発表し、世界中の政府及び産業界が温室効果ガス排出量を削減し、今世紀半ばまでにネットゼロを達成するために協力する中で、CCSの進展が年々勢いを増していることを示した。
- プロジェクト開発活動は力強い成長を続けており、様々な開発段階にあるCCSプロジェクトが628件進行中である。
- 世界CO2回収容量は、現在建設中の施設が操業を開始すれば、年間1億トン(100Mtpa)以上まで倍増する見通しである。
- 開発が進められているCCSプロジェクトの累積CO2回収容量は、現在416Mtpaであり、2017年からの年平均成長率(Compound Annual Growth Rate:以下「CAGR」)は32%である。
- 世界のCCSのビジネスケースは、政策強化、新しいカーボンマネジメント・ビジネスモデル並びにCCSハブ及びネットワークに対する強い関心によって強化されている。
グローバルCCSインスティテュートは、世界のCCSの動向2024年版(Global Status of CCS 2024)報告書を公開し、世界中の政府及び産業界が温室効果ガス排出量を削減し、可能な限り早期にネットゼロを達成するために協力する中で、世界のCCSプロジェクトが年々勢いを増していることを示しました。
本書の調査結果は、CCSプロジェクトの全ての開発段階において力強い伸びを示しており、開発中のプロジェクトは合計で628件と、前年比で236件増加しました。これらのプロジェクトの累積CO2 回収容量は、現在416Mtpaであり、7年間のCAGRは32%です。現在操業中の施設のCO2回収・貯留容量は51Mtpaであり、この数字は、現在建設中の施設が操業を開始すれば、100Mtpa以上まで倍増する見通しです。
インスティテュートのCEOであるJarad Danielsは、CCSに関する世界的な機運と進展に対する熱意を示し、次のように述べました。
「CCS産業は、世界的な協力体制、政府の持続的な政策支援及び何十年にもわたって共有されてきた知識に基づいて構築された産業活動に促進されて急速に成熟し、進化しています。これは、政府や産業が、増加する世界人口に必要なエネルギーサービスと商品を供給し続けながらも、気候変動に対処しようとしている緊急性の証しです。」
報告書における地域の主要なハイライトには、次が含まれます。
- 米州は、持続的な政策支援及び資金提供インセンティブに促進され、引き続き世界のCCS施設の展開を主導しており、米国、ブラジル及びカナダで27件のプロジェクトが操業中であり、18件のプロジェクトが建設を開始している。
- アジア全体では、貯留ハブ及び越境CCSプロジェクトが主要な焦点かつ支配的な傾向であり、地中貯留資源が限られている国々は、自国のCO2を大規模な貯留資源を有する国で貯留する機会を探っている。
- 中国では、気候政策の進展、CCUSプロジェクトの展開及び国際的な協力体制の強化に促され、CO2回収・利用・貯留(CCUS)が力強く着実に前進している。
- 欧州及び英国全体では、脱炭素化政策及び強固なCCS市場への期待が新しいプロジェクトを後押しており、同地域では、様々な開発段階にあるプロジェクトが191件あり、それには操業中の5件及び建設中の10件が含まれる。
- 中東及びアフリカ(MEA)全体では、CCSプロジェクト開発が、石油増進回収への適用から産業脱炭素化及び低炭素燃料開発への重点的な取り組みへと進化した。
CCSが世界的に速いスピードで前進するにつれ、CCSのビジネスケースは、新しいカーボンマネジメント・ビジネスモデルの進化やCCSハブ及びネットワークに対する強い関心によって強化されています。
本報告書には、222件の輸送・貯留プロジェクトが記されており、それには現在、関連する回収施設は含まれていません。この数字は、過去12か月間で2倍以上になりました。これは、新しいカーボンマネジメント・ビジネスモデルの優位性と、これらのサービスの予想される市場を明確に示しています。Jarad Danielsは、ハブ及びネットワークの役割について、次の通り詳しく述べています。
「気候変動の緩和は、低炭素発電用の新しい送電網だけでなく、様々な形態の水素を含む低炭素エネルギー・キャリアとCO2の双方のためのパイプライン及び輸送船を含む、大規模なインフラ投資を必要とします。カーボンマネジメント・ハブ及びネットワークは、この必要な新しいインフラに規模の経済をもたらすのに役立つ可能性があります。」
CCSプロジェクトの急激な成長、進行中の地域的な進展及び新しいカーボンマネジメント・ビジネスモデルの出現を背景に、本報告書は、全ての利害関係者に対し、機運を維持するように呼び掛けています。Danielsは、さらに次のように締め括っています。
「我々は、政府、産業界、地域社会及び可能な限り早期にネットゼロを達成するという共通の目標を共有する全ての人々に対し、協調的な取り組みを継続し、改善していくために協力するように呼び掛けています。数十年にわたる協力体制によって、CCSは初期の研究から今日に至るまで発展してきました。我々はまだ課題に直面しているものの、重要なパートナーシップを構築し、成長させ続けることで、これらは克服されるだろうと、私は大いに楽観視しています。」
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CCSについて:CCSは、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が大気中に放出され、気候変動の一因にならないよう、CO2を回収し、安全かつ恒久的に地中に貯留する一連の技術を含みます。
グローバルCCSインスティテュートについて:グローバルCCSインスティテュートは国際的なシンクタンクであり、その使命は、気候変動に取り組み、気候中立を実現するために不可欠な技術であるCCSの展開を加速することです。インスティテュートの本部は、豪州メルボルンに所在し、他にワシントンDC(米国)、ブリュッセル(ベルギー)、北京(中国)、ロンドン(英国)、東京(日本)及びアブダビ(アラブ首長国連邦)に拠点を設置しています。 https://www.globalccsinstitute.com/
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Matt Steyn、APAC広報担当マネージャー(Public Affairs Manager APAC)
matt.steyn@globalccsinstitute.com +61 405 018 007
Honor Iosif、APAC広報担当マネージャー(Public Affairs Manager APAC)
honor.iosif@globalccsinstitute.com +61 466 247 225
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欧州/MEA:
Daniela Peta、EMEA広報担当リード(Public Affairs Lead EMEA)
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