最新ニュース

最新ニュース

最新ニュース

グローバルCCSインスティテュート、20件目と21件目の大規模CCS施設の稼働開始を歓迎

3rd June 2020

発行日: 202063

原典: Global CCS Institute

このたび稼働したAlberta Carbon Trunk Line (アルバータ州CO2幹線パイプライン:ACTL) に接続された精製所と肥料工場が、全世界で稼働中の20件目と21件目の大規模CCS施設となりました。

本日完全稼働したと発表されたこのACTL CO2回収・利用・貯留システムは、North West Redwater Partnership (NWR) のスタージョン(Sturgeon)精製所とNutrien社のレッドウォーター(Redwater) 肥料製造施設で回収されるCO2 を利用・貯留します。この2つのプロジェクトは、合わせて年間160万トンのCO2 を回収し貯留する能力を有しています。

「私たちは、CCS普及において大きな節目となるこの出来事を歓迎します。また、私たちがCCSハブ&クラスターを通じて産業地域の脱炭素化に移行する中、CCSプロジェクトの次の波を見ることができることも楽しみです。全世界には51 件の大規模施設があり、 現在21件が稼働中、2件が建設中、28件が開発の様々な段階にあり、総回収容量は年間1億トン-CO2 強と推計されています」と、世界中の大規模CCSプロジェクトを co2re.co データベースで追跡しているシンクタンクであるグローバルCCSインスティテュートのCEOBrad Pageが語りました。

ACTLは、CO2を石油増進回収(EOR)を通じた確実かつ恒久的な地中貯留のために、老朽化した油田へと運ぶ240 kmのパイプラインです。このパイプラインは輸送サービスを提供し、Wolf Midstream社が所有・運営、 Enhance Energy社が同施設のCO利用及び貯留部分を所有・運営します。同パイプラインは、年間最大1,460万トンのCO2を輸送することができます。

このシステムは現在、年間約160万トンを輸送しており、その容量は他の産業施設が自社のCO2 を回収し、ACTLの輸送ネットワークを利用して、リスクとコストを低減することができるポテンシャルを示しています。フル操業すれば、ACTLは世界最大のCCSシステムとなる可能性があります。

「これは始まりにすぎません」と、Wolf MidstreamCarbon Business UnitPresidentであるJeff Pearson氏が述べました。「エネルギーと低炭素経済の未来は、ACTLのような重要なインフラにかかっています」。Enhance Energy社のCEOであるKevin Jabusch氏は、さらに次のように述べました。「私たちは、CO2を使えるようにしているのです。私たちは 低炭素エネルギーを生産しつつ、CO2を恒久的に環境から排除します。私たちは、地方のエネルギー経済を、それが最も求められているときに再活性化するばかりでなく、全地球的なエネルギーの要求に対して持続可能なソリューションを進めていく上で重要な役割を果たしているのです。」

ACTLのように複数のCO2排出源に対して輸送・貯留インフラを提供するハブ&クラスターは、CCSプロジェクトの次の波となると概して見なされています。 これらのプロジェクトは、CO2の回収・輸送・貯留を切り離し、プロジェクトのリスクとコストを低減し、各プロジェクト当事者がそれぞれの中心的な能力に集中できるようにしつつ、同時にさらなる回収源も接続できるようにするのです。

ACTLは、アルバータ州政府のCCS基金から49,500万カナダドル、カナダ連邦政府から6,300万カナダドルの支援を受けました。

Back to News

ニュースレター

最新のCCSの情報が欲しい