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コンソーシアム、スヘルデ・デルタ地域でCO2排出量を大幅に削減するプロジェクトを開始
1st June 2020
発行日:2020年6月1日
Smart Delta Resources傘下の企業による国境横断的コンソーシアムが、CO2排出量を大幅に削減するための第一歩を踏み出し始めた。
CO2の回収及び再利用又は貯留は、北海港湾地区(ヘント(Ghent)、テルネーゼン(Terneuzen)、フリッシンゲン(Vlissingen))のCO2排出量を30%(年間650万トンCO2)削減出来る。ベルギー及びオランダの企業によるコンソーシアムはCarbon Connect Deltaプロジェクトを立ち上げ、その第一段階は2025年のCCUS実施の実現可能性調査である。調査は、技術的・経済的・法的側面、CO2をパイプライン又は船舶で輸送するために必要なインフラ、資金調達オプション、商業的な実現可能性並びに許可取得手続といった全ての側面を網羅する。コンソーシアムは、2020年末までに実現可能性調査を完了させる見込みであり、その後、プロジェクトは実現に向けて更に進められる。
国境横断的及び部門横断的なコンソーシアム
コンソーシアムは、港湾会社のNorth Sea Port社、ArcelorMittal社、Dow Benelux社、PZEM社、Yara社及びZeeland Refinery社といった企業、並びにインフラ・パートナーであるGasunie社及びFluxys社という、Smart Delta Resourcesにおける複数の国々の企業から成る。これらのコンソーシアム・パートナーが協力することで、Carbon Connect Deltaプロジェクトを成功させるための幅広いネットワーク並びに必要な知識や専門性が得られる。コンソーシアムが同時に複数の産業部門(化学、石油化学及び鉄鋼)にまたがって、また両国の関係する政府とも協力するという事実は、持続可能な経済のための比類のない相乗効果とチャンスを創り出す。
コンソーシアムの目標は、2023年から年間100万トンのCO2を回収し、2030年にそれを年間650万トンのレベルまで拡大することであり、これによってスヘルデ・デルタ(Scheldt Delta)地域のCO2排出量は30%削減される。このようにして、Carbon Connect Deltaプロジェクトは、パリ協定の気候目標と、より最近の欧州グリーン・ディール(European Green Deal)に重要な貢献をもたらす。
CCUSは、Smart Delta Resources(SDR)がスヘルデ・デルタ地域において2050年に気候中立的産業を達成するために辿る進路の1つである。Impuls Zeeland社、Zeeland(ゼーラント)州、East Flanders(東フランドル州)が支援しているSDRは、他にも持続可能な水素(Hydrogen Delta(水素デルタ))、残余熱、電化及びリサイクリングといった開発経路も作成している。
2018年初頭、産業クラスターがパリ協定の気候目標を達成出来るようにするためのロードマップが制定された。近年、必要なエネルギー・インフラに関する様々な調査が成し遂げられてきた。水素カップリングも、既にテルネーゼンのDow社及びスラウスキル(Sluiskil)のYara社の間で実現している。加えて、Dow Terneuzen社とArcelorMittal Gent社によるSteel2Chemicals及びCarbon2Valueという革新的なプロジェクトも本格的に開発中である。