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地下CCSプロジェクト、調査結果を共有
22nd February 2020
発行日:2020年2月22日
原典:Gasworld
CO2CRCの調査プロジェクトであるOtway(オトウェイ)Stage 2Cプロジェクトが、地下CCSプロジェクトの調査結果を発表した。
同プロジェクトのために、CO2CRCは豪州ビクトリア州Nirranda South(ニランダ・サウス)にあるOtway National Research Facility(オトウェイ国立研究施設)の地下約1,500メートル地点に15,000トンのCO2を圧入した。
CO2は2015年12月から2016年4月にかけて塩水層に圧入された。その際にCO2プリュームが検出され、圧入作業中及びその後数年にわたって追跡された。
モニタリングは、主に、地震信号を検出するために地下に埋め込まれた数多くの受信器を利用し、トラック搭載型地震バイブレータから地震信号が発せられる従来型バイブロサイスと組み合わせて行われた。
地表軌道バイブレータ(Surface orbital vibrators)のトライアルも、モニタリング・データを継続的に取得できる地震信号源として成功した。
豪州カーティン大学(Curtin University)が率い、CSIRO及びローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkley National Laboratory)の支援を受けた同調査は、地震監視ツールを利用して少量のCO2を検出でき、その地下での動きを首尾よくマッピングできることを実証した。
「CO2の動きを高い信用度で予測できると共に、そのプリュームの移行経路を検証するために地震モニタリングの利用を最適化できる能力は、世界中のCCSプロジェクト運営者にとってかけがえのないものとなるだろう」と、CO2CRCのCEOであるDavid Byers氏は述べた。
「少量のCO2プリュームの挙動を観測し、地震モニタリングの解像度と感度を理解するStage 2Cプロジェクトの成功は、これまでで最大のCO2CRCプロジェクトであるOtway Stage 3への道を開いた。」
Otway Stage 3に関する作業は、2019年にOtway National Research Facility(オトウェイ国立研究施設)において、光ファイバー・センシング及び地下ゲージの最新技術が装備された、深さ16,000メートルの新しい監視井を4本掘削し、インフラを拡張することから始まった。
Otway Stage 3は次世代地下モニタリング技術を実証し、貯留モニタリングの効率性を改善する。これらの新技術は、より迅速にデータを提供し、また、現在利用されている地震調査よりも費用を大幅に引き下げ、当初予測では75%の費用節約となっている。」
地震データ及び動態モデリングを利用したCO2プリュームの安定化を検証する作業の流れは、Stage 2Cの下で作成され、プロジェクトの次段階で試験される予定であり、2020年6月の完了が見込まれている。
「我々の望みは、CO2CRCのOtway National Research Facilityで実施されている応用科学技術研究が、世界におけるより多くのCCSプロジェクト実施につながり、全主要産業部門で排出削減を行いながら、手頃な価格で信用できるエネルギーに対して高まりつつある世界的な需要を賄うという二重課題を達成するにあたって、CCSが極めて重要な役割を果たせるようになることである。」