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液化二酸化炭素、販売準備整う
1st July 2020
発行日: 2020年7月1日
イェーテボリ港とスウェーデン政府、CCS技術を用いて回収された液化二酸化炭素の合同輸送インフラを、世界で初めて構築。
このプロジェクトーCinfraCap―は、Preem社、Göteborg Energi社、Nordion Energi社、St1社、 Renova社、及び Gothenburg Port Authority(イェーテボリ港湾会社)によるユニークな協同事業である。
「気候目標を達成するつもりであれば、我々はプロセスをスピードアップしなければならず、協力は前進するために最善の方法である。我々は、当港の波止場にある施設から年間200万トンの回収二酸化炭素を輸送できるようになることを見込んでいるが、そのためには効率的なインフラを持たなければならない」と、Gothenburg Port Authorityの最高責任者であり、合同CinfraCapインフラ・プロジェクト参加者の一人であるElvir Dzanic氏が語った。
CCSは、世界エネルギー・システムの移行における重要な要素であると広く見なされており、複数の研究開発プロジェクトが既に実施されている。CinfraCapプロジェクトにおいて、CCS支援に必要な産業規模のロジスティック・システムに取り組む最も効果的な方法を見つけるべく、様々な当事者が協力しようとしている。 その目的は、最適化されたインフラについて具体的な提案を行い、他のCCSプロジェクトにリンクさせることである。インフラが整備されれば、それをオープン・アクセスのシステムにして、潜在的な利用者基盤を拡大することが狙いである。
全参加者により協力合意が締結されており、スウェーデン・エネルギー庁(Swedish Energy Agencyの気候イニシアティブIndustrial Evolution (産業開発:Industriklivet) が、コンサルティング企業COWIが実施している事前調査資金のコストを半額負担することに合意している。今月開始され、2021年第1四半期中に完了予定のこの事前調査では、各社から最適な形で回収済みの二酸化炭素を集め、それを積載前の中間貯蔵施設である同港まで輸送し、許可証を取得し、リスク特定とビジネス・モデルの発表を行う手段に重点が置かれる予定である。
「我々はスウェーデン西部で“CinfraCapを立ち上げるが、最終的な目的は、我々の経験とCO2回収インフラの背後にあるビジネス・モデルをスウェーデンの他の地域や世界と分かち合うことである。我々は他の参加者と力を合わせ、各企業の気候影響を急速に低減し、持続可能な未来に貢献するために欠かせないリソースが整備されるよう保証する」と、Preem社のビジネス・ディベロッパーであるKarin Lundqvist氏が述べた。
CinfraCapは、Preem CCS、ZEROC、Northern Lights(ノルウェー西岸沖で実施されているフルスケールの二酸化炭素貯留プロジェクト)の各プロジェクトなど、他の数多くの進行中の研究開発プロジェクトを補完することになる。