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インスティテュート、米大西洋評議会グローバル・エネルギー・センターにて「世界のCCSの動向2019」発表イベントを(ワシントンにて)開催

6th February 2020

CCS in the news 日本語版

発行日:202026

原典:グローバルCCSインスティテュート

 

24日、Atlantic Council Global Energy Center(米国大西洋評議会グローバル・エネルギー・センター)は、グローバルCCSインスティテュートの最新報告書「Global Status of CCS 2019: Targeting Climate Change(世界のCCSの動向2019:気候変動を標的に)」を紹介するイベントを開催し、それに合わせて、同センターの気候及び先端エネルギー担当副ディレクター(deputy director of climate and advanced energyDavid Livingston氏による司会の下、Maya Batres氏、Lee Beck氏、Ryan Edwards氏及びJanet Peace氏という顔ぶれのパネリスト達との活発な議論が行われました。パネリスト達は、CCSの現状や世界各地で具体化してきている次世代のCCSプロジェクト、政策、技術、並びに世界的な脱炭素化におけるCCS施設の役割について議論を行いました。

Atlantic Council執行副会長(executive vice presidentDamon Wilson氏は、イベントを紹介すると共に、気候変動と戦うにあたってCCS政策が担わなければならない極めて重要な役割の背景を説明しました。同氏は、正味ゼロ排出移行を達成するにあたってこれらの技術が担う重要な役割を強調した後、基調講演者であるSheldon Whitehouse米上院議員を紹介しました。

Sheldon Whitehouse上院議員(民主党、ロードアイランド州)は壇上にて、CO2回収及び気候緩和政策の促進における米国議会の役割について基調講演を行いました。Whitehouse議員は、米国議会における気候対策推進派であると同時に、CCS技術及びカーボン・プライシングの支持議員です。Whitehouse議員は、広範にわたる米国気候目標を達成するためには企業による同意が必要となるであろうことを認め、民間部門の当事者達に対し、CCS開発及び気候行動の大きな変化に対する支援を呼び掛けました。Whitehouse議員は、気候危機に対して米国が本気になる時が来たと宣言し、行動を起こすようにと、苛立ちをこめて呼び掛けつつ講演を締め括りました。

続いて、グローバルCCSインスティテュートのジェネラル・マネージャーであるJeff Eriksonが、インスティテュートの年次報告書「Global Status of CCS 2019: Targeting Climate Change」について詳述するプレゼンテーションを行いました。Eriksonからは、報告書の主要なメッセージの伝達と、気候変動目標を達成するためには緊急な行動が必要とされており、その気候目標を達成し、それを超えるためには、CCSが不可欠であるとの説明がありました。同報告書はまた、国家及び地方レベルで気候目標が掲げられていても、進展は遅々としており、温室効果ガス排出量は増加し続け、化石燃料は我々の経済及びその将来に根ざし続けているという、気になる現実についても伝えています。これらの点は、巧言と現実のギャップを浮き彫りにしています。

Eriksonは、CCSは汎用性が高く効果的であり、雇用創出のポテンシャルが高く、低炭素産業経済への移行を可能にすると伝えました。CCSは拡大しており、発電や工業生産等、様々な部門での採用が増えてきています。現在操業中及び開発中のプロジェクトの大半は米国にあり、それに欧州と中国が続いていると、Eriksonから説明がありました。

Eriksonによる報告書の概説に続いて、グローバルCCSインスティテュート上級アドバイザーLee Beck氏、Center for Climate and Energy Solutions(気候エネルギー・ソリューション・センター:C2ESPolicy and Business Strategy(政策及びビジネス戦略)担当上級副センター長Janet Peace 氏、Oxy Low Carbon Ventures社低炭素政策アドバイザーRyan Edwards氏及びThe Nature ConservancyEnergy and Land Use(エネルギー・土地利用)担当プロジェクト・マネージャーMaya Batres氏という著名なパネリスト達が登壇しました。

パネルによる話し合いの主な焦点は、脱炭素化ポートフォリオにおけるCCSの役割であり、政府がCCSを受け入れる必要性に重点が置かれました。パネリスト達は、CCSは正味ゼロ排出目標を達成するために必須であるばかりでなく、経済利益ももたらすことを強調しました。発言者達は、CCSのセクター別クラスタリング加え、直接空気回収(DAC)や、セメント及び鉄鋼製造サイトにおける産業CCSといった新しいCCS技術の取り込みについて議論しました。パネリスト達はまた、米国45Q CCS税インセンティブや米国カリフォルニア州低炭素燃料基準を含む具体的な法律について、正味ゼロ排出移行に向けた革新的な第一歩であると論じました。

現在、大半のCCSプロジェクトは単一排出源・単一シンクですが、将来的には共有かつ相互接続されたインフラが重要な役割を担うだろうということで、パネリスト達の意見は一致しました。CO2を回収する複数の産業及び排出源が全て、パイプライン等、1つの共有輸送インフラにCO2を供給することが出来れば、より多くのCO2を収集できるだけでなく、システムの費用も低減します。システム全体の費用を低減させることで、より多くのプロジェクトが実施できるのです。

その後、セッションが聴衆にも意見を求めたところ、聴衆は、正味ゼロ排出目標を超えて、CCSはどのようにネガティブ・エミッションの達成に役立つのかという重要な疑問を提起しました。また聴衆からは、インフラ、政策、及び法的措置によるCCS研究開発の将来への影響についても質問があった他、カリフォルニア州低炭素燃料基準を別の場所で再現するにはどうすべきか、また気候ソリューション提供者としての石油及びガスの役割についても質問がありました。

インベントはAtlantic Council Global Energy CenterディレクターであるRandolph Bell 氏による閉会の挨拶で幕を閉じました。

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