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グラフェン・フィルター、CO2回収をより効率的かつ安価に
26th February 2021
トピック: Local News
発行日:2021年2月26日
EPFLの化学エンジニア達が、商用CO2回収技術の効率を上回ると共に、CO2回収費用をCO21トン当たり30ドルまで低減出来るCO2回収用グラフェン・フィルターを開発した。
科学者達は、エネルギー効率的なCO2フィルターの開発を試みてきた。「膜」と呼ばれるこの技術は、ガス混合物からCO2を抽出することが出来、抽出されたCO2は、その後、貯留ないし有用な化学品に転換することが可能である。「しかし、現在のCO2フィルターの性能は、現在利用可能な材料の基本特性によって制約されてきた」と、EPFL School of Basic Sciences(基礎科学部)のKumar Varoon Agrawal教授は説明する。
そして今、Agrawal教授は、化学エンジニアのチームを主導し、2010年にノーベル物理学賞を受賞した世界的に有名な「奇跡の材料」であるグラフェンから世界最薄フィルターを開発した。しかし、このグラフェン・フィルターは、単に世界最薄なだけでなく、産業排出されるようなガス混合物からCO2を分離することも出来、しかも、それを現在利用されているフィルターの殆どを凌駕する効率と速度で行うことが可能である。この取り組みはScience Advances誌に発表されている。
同氏のチームは現在、スイス政府及びスイス産業界によって資金提供されているプロジェクトの中で、1日10kgの二酸化炭素を回収するパイロット・プラント実証装置の開発を通して、同プロセスの規模拡大に取り組んでいる。