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セメント産業における低炭素未来は可能
25th January 2021
発行日: 2020年1月25日
アルバータ州エドモントンにあるLehigh Cement社の工場にCCSを導入するというユニークな実現可能性調査を通じて、セメントにおける低炭素化の未来が進んでいる。Lehigh Cement社、International CCS Knowledge Centre(ナレッジセンター)、三菱重工グループは、セメント工場のCO2回収システムに関する実現可能性調査のためのエンジニアリング設計を進めている。
北米のセメント業界では初となるLehigh CCS実現可能性調査では、セメント工場の排ガス中の二酸化炭素(CO2)のうち90~95%(年間推定60万トンのCO2)を回収できるかどうかを調査している。
最近発表されたCanada Climate Plan(カナダ気候計画)では、包括的なCCS戦略を策定し、この成長産業においてカナダが世界的な競争力を維持できるよう、模索することが具体的に示されていることから、この研究は時宜を得たものとなっている。
SaskPower社 Boundary Dam 3 CCS 施設 (BD3施設)の設計・建設・運転、その後の拡張/改修で得た経験を有するナレッジセンターは、三菱重工グループと共に、 そしてShand CCS実現可能性調査での共同作業により、世界的な燃焼後回収プロセスの最前線にあり続けており、燃焼後回収業界全体にCCSの機会があると考えている。
排ガスには顕著な類似性があることから、BD3施設で得られた専門知識は、ナレッジセンターの経験に基づいたガイダンスにより、セメント分野にも適用することができる。Lehigh CCS実現可能性調査では、全世界13の商用プラントに配備されている、三菱重工グループの一部である三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG)所有のCO2回収技術、いわゆるKM CDRプロセス(KM CDR ProcessTM)を、排ガス前処理システムやCO2回収・圧縮プロセスといったLehighのプラントや出力の仕様と統合させるよう調整すべく、エンジニアリング設計を検討することになる。