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ノルウェーのフルスケールCCSプロジェクト費用、調査により26億ドルと推計
25th June 2020
発行日:2020年6月25日
フルスケールCCSチェーンを構築するというノルウェーの野望は、10年間の操業費を含めて費用が約250億ノルウェー・クローネ(25.8億ドル)に上る可能性があると、木曜日(25日)にある経済分析が示した。
西ヨーロッパにおける最大の産油国であるノルウェーは、2カ所産業サイトからCO2を回収し、ノルウェー大陸棚の海底下に貯留することで、CCS技術が役立つことを証明したいとしている。
1件のCO2回収プロジェクトが、ノルウェー南部にあるドイツHeidelbergCement社のセメント工場で実施され、もう1件はオスロにあるFortum社廃棄物エネルギー転換プラントで実施される。
SNC-Lavalinグループの一部であるAtkins Norge社及びOslo Economics社の調査が示すところによると、操業費を除いた総投資推計額は、CO2回収プラントが1基又は2基建設されるかによって129億~171億ノルウェー・クローネに上るという。
「この手段は費用が高いと考える(中略)政府が負担する費用部分はかなり大きい」と、同調査には記されている。
同じ執筆者らによる2018年の調査は、197億~250億ノルウェー・クローネというより高い総資本・操業費を推計していたが、それには3件のプロジェクトが含まれており、肥料メーカーであるYara社はその後、自社CCSプロジェクトを取り下げた。
ノルウェー政府は、もし2021年国家予算でプロジェクトが承認されれば、費用の約80%を負担する計画であり、残りは産業が負担すると、ノルウェー石油・エネルギー相は述べた。
ノルウェーの石油・ガス企業Equinor社及びそのパートナーであるShell社とTotal社は、年間150万トンのCO2を受け入れられる貯留サイトの建設に向けて作業を進めている。