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新IEAGHG報告書:CO2船舶輸送インフラの現状及び課題

28th July 2020

発行日:2020728

原典:IEAGHG

 

CCSが直面する課題の一つは、大量の圧縮されたCO2をポイント排出源から大規模貯留のために開設された、特に沖合のサイトに、どのように輸送するかである。パイプラインは一つの解決策であるが、その実現可能性は、輸送量や分散された様々な排出源からCO2が輸送されて来るかに左右される。もう一つのオプションは、CO2を一つまたは複数の港から沖合貯留サイトに直接、または貯留サイトまでパイプラインで接続されている中間陸上施設に運ぶことが出来る専用輸送船を利用することである。

 

IEAGHGは、SINTEF IndustryBrevik Engineering社及びIOM Law社との協力の下、Element Energy社に調査を委託した。調査の目的は、CO2を海上タンカー及びパイプラインで輸送する技術的及び経済的オプションを調査し、比較することであった。船舶輸送には柔軟性があるものの、天候条件が運用可能な時間帯が制約され、それによって配送及び貯留出来るCO2量も制約される可能性がある。沖合貯留サイトへのパイプライン輸送前にCO2を中間陸上施設に船舶輸送することについて、二通りのシナリオがレビューされた。1つの代替オプションとして、滞留時間なしでCO2を沖合貯留サイトに直接供給するケースを調査した。もう1つのオプションでは、一時的な貯留施設を持つ沖合貯留サイトに直接タンカー輸送するケースを検討した。このシナリオは、ドックに停泊したタンカーに依存することなくCO2を貯留出来ることから、運用上の柔軟性がより高くなる。

 

同調査はまた、CO2供給量及び距離によって左右されるパイプライン輸送費を、輸送船で運ばれるCO2と比較検討した。この調査は、パイプラインを利用したオプションの方が、短距離の場合に限って安価であることを示した。規模の経済が得られるかを試し、確認すべく、容量の異なる様々な船舶サイズがレビューされた。同調査はまた、CO2の国際輸送を規定する現行の国際規制についても調査した。

 

モデル化された4通りのシナリオにおいて、船舶輸送の距離を1,000kmとした場合、船舶サイズを10,000tCO2以上に増大させる費用面での利点はわずかしかない。それは逆に、より大型な船舶を利用することの費用面における不利益はわずかしかないとも言える。しかし、適切な船舶サイズは流量に大きく依存するだろう。それぞれの物流チェーンにおいて、サイズ及び容量をカスタマイズ出来るようにすることが理想的である。

 

報告書の入手を希望する場合は、報告書番号2020-10を記載の上、tom.billcliff@ieaghg.orgeメールを送付されたい。

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