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産業CCSの限界削減費用曲線-スウェーデンの事例研究

11th August 2020

発行日:2020811

原典:Frontiers in Bioengineering and Biotechnology

 

Department of Space, Earth and Environment, Chalmers University of Technology(チャルマース工科大学宇宙・地球・環境学部)、スウェーデン、ヨーテボリ(Gothenburg

 

CCSは、エネルギー集約型産業部門の大幅な排出削減を達成するにあたって重要な役割を担うことが期待されている。CO2回収の実施は、かなりの投資費用を必要とすると共に、プラント操業費用に大きな影響を及ぼすが、これらは両者共に、主に排ガスの流れと成分の差異に起因するサイトの状況や、回収ユニットを稼働させるために利用出来る余剰熱の入手可能性に依存する。本研究において我々は、スウェーデンの製造プラントのうち、化石起源か生物起源かを問わず、年間CO2排出量が500kt以上の全28か所のプラント(石油化学サイト、製油所、鉄鋼プラント、セメント工場及びパルプ製紙工場を含む)において、アミン・ベースの燃焼後CO2回収を導入し、操業するために必要な費用を明らかにする。この作業では、必要とされる投資の差異と共に、回収プロセスの蒸気需要を賄うために余剰熱を利用出来る可能性の差異が検討される。結果として得られた総CO2回収費用は、調査対象となった排出源における限界削減費用曲線(marginal abatement cost curve; MACC)の形で提示される。また、輸送及び貯留システムの推定費用についても提示される。MACCは、28か所の産業ユニットに付設されたCO2回収設備が、排出源によって約40110ユーロ/tCO2の費用で、スウェーデンの総CO2排出量(全部門)の50%以上に相当するCO2排出量を回収することを示している。最適なサイトにおける部分的な回収は回収費用を引き下げる可能性があるため、CCSを導入する低費用オプションとなり得る。上乗せされる輸送及び貯留費用は、輸送インフラの場所及びタイプによって約2540 ユーロ/tCO2となる。

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