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米国議会、CO2回収のためにIRSを促す必要性
18th March 2020
発行日:2020年3月18日
原典:The Hill
米国議会は、2018年にCO2回収も税控除の対象とすることを認可した。しかし、米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)は、税法のセクション45Qへの見直しをどのように解釈するかに関する重要な詳細をいまだに発表していない。その結果である不確実性のため、投資家達は大規模なCO2回収プロジェクトにコミットできない状況になっている。
投資家達は、CO2回収事業への参加が税控除の対象として認められるという保証を欲しているが、それは、IRSが税制優遇の資格を得られるCO2回収技術及び施設の導入方法に関するガイドラインを発表するまで、起こり得ない。IRSは2月下旬に、いくつかの関連ガイダンスを発表したが、多くの重要問題は解決していない。前米国エネルギー長官でMITの物理学者であるErnest Moniz氏は、「何もやらなかった2年間」の後で、新しく発表されたガイダンスは「全くもって不十分だ」と述べた。
税控除適用の主要な側面、特に、隔離されたCO2の適用対象となる詳細な利用方法、及び「secure geological storage(確実な地中貯留)」の定義は、いまだに不明確である。
このような遅れは、気候変動への対処にあたって重大な影響がある。税法で明らかになっている規定には、CO2回収施設で税控除を受けるためには、2024年より前に建設を開始しなければならないと記されている。これははるか先のことのように見える一方で、このルールは多くのプロジェクトに、可能な時期よりも早く資金調達、設計及び法的側面に関する全計画を完遂させるプレッシャーを与えている。気候変動との戦いに最も大きな影響があるいくつかの複雑で大規模なプロジェクトは、この期限に間に合わないかもしれないという理由から、完全に取り止めになる可能性がある。相当数の事業者においては、CO2回収プロジェクトを開始する準備が整っている。Bloomberg Taxによると、潜在的な投資家達は、5億ドルの上に座ったまま、ただガイドラインが発表されるのを待っているという。