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船舶輸送における低費用CO2回収に関する調査、英国運輸省資金を得る

1st April 2020

発行日:2020年4月1日

原典:Carbon Capture Journal

 

PMW Technology社の海洋低温CO2回収ソリューションに関する6か月間調査が、英国運輸省(UK Department for Transport:DfT)のT-TRIG(Transport-Technology Research and Innovation Grants)プログラムから資金供与を受けた。

 

PMW Technology社は調査の実施にあたって、長年にわたるUniversity of Chester(英国チェスター大学)との順調な長期的協力体制を継続すると共に、造船設計会社であるHoulder社とTees Valley Combined Authority(ティーズ・バレー合同行政機構)とチームを組む。

 

国際海運業界は、設計の改良、液体天然ガスの燃料利用及び作業手続きの強化を通してCO2排出削減を進めてきた。それにも拘わらず、現在の技術のみでは、海洋CO2排出量を公約どおり2050年までに2008年比50%まで削減できない。燃料としてゼロ・カーボンの液体アンモニアが提案されているが、これには新しい燃料生産施設や船舶の設計に1兆ドル規模の投資が必要となる上、乗組員及び環境にも追加的な危険を及ぼすだろう。

 

PMW Technology社のプロセスは、既存の燃料とエンジン技術を保持しながら、エンジン排ガスからCO2を95%除去する。液化されたCO2は、地中貯留地に輸送するため、複数の港に運ばれる。この代替アプローチは、低炭素海運への移行を加速させながら、費用を大幅に削減することができる。T-TRIG調査は、船舶輸送におけるこのコンセプトの実現可能性及び経済性に取り組むが、前向きな結果が出れば、今までの形勢を一変させることになるだろう。

 

PMW Technology社は、Advanced Cryogenic Carbon Capture(先端低温CO2回収:A3C)プロセスを開発し、特許を取得した専門的なプロセス開発企業である。英国Thornton Science Parkに本拠を構える同社は、そのプロセス及び構成部分を検証し、特徴付けるための一連のプロジェクトでUniversity of Chesterと緊密に協力してきている。

 

A3Cプロセスは、ガス混合物を冷却するために細かいメタル・ビーズの移動床を利用するもので、それによって霜として沈殿したCO2を分離できる。移動床の集中的な熱伝導が、コンパクトでエネルギー効率的なプロセスにつながっている。

 

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