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CO2回収利用システムを開発するための新協定
3rd July 2020
発行日:2020年7月3日
廃棄物質から価値を絞り出すシンガポールの運動が、低炭素経済を構築する努力を促進する協定の締結により、また一歩前進した。
昨日(2日)当地で署名された4社間の合意は、CO2回収・利用・隔離(CCUS)システムの開発を目指す。
これらのシステムは基本的に、地下貯留またはコンクリートや燃料等、他の商品の生産に利用するために、地球温暖化を引き起こすCO2を大気中から吸引するものである。
National Research Foundation(シンガポール国立研究財団:NRF)の最高責任者であるLow Teck Seng教授は、費用効果的ソリューションを推進するために低炭素研究開発に投資することは、シンガポールが低排出経済を構築するために必要不可欠であると述べた。
「シンガポールが、世界と同様、国内のエネルギー・ニーズのためにいまだ化石燃料に依存している一方で、効率的なCCUSを可能にする技術は国内の排出緩和に大いに役立つ」と同氏は言い添えた。「CCUSはまた、CO2を新しい化学物質、材料及び燃料に転換するチャンスをもたらし、新しい産業を成長させる可能性を与える。」
この合意は、Keppel Data Centres社、Chevron社、Pan-United社及びSurbana Jurong社が共同で「冷却材、膜及び水素を利用した新技術と組み合わせて、成熟したCO2回収技術」を開発するというものである。
これら企業はまた、大学及び国際機関を含む他の研究パートナーと協力して、CCUS技術の開発を前進させると、NRF及び関係企業は共同声明の中で述べた。
採算性が得られれば、CCUS技術は、シンガポールが2050年までに排出量を同国における2030年のピーク時と比べて半減させ、また、今世紀後半において実現可能となった段階で直ちに正味ゼロ排出を達成するという気候目標を達成するのに役立つと期待されている。