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COVID-19:英国気候委員会、「力強い回復」のためにCCSへの投資を促す
11th May 2020
発行日:2020年5月11日
UK Committee on Climate Change(英国気候変動委員会:CCC)が、英国及びスコットランドの各政府に対し、温室効果ガス排出量の「固定(lock-in)」を回避しつつ、新型コロナ・ウィルス危機からの「力強い回復」を実現する気候政策を求める書簡を送った。
CCC議長であるDeben卿及びCCCのAdaptation Committee(適応委員会)議長であるBrown男爵夫人による書簡には、CCSを含む将来の低炭素産業における熟練労働者の再配備や、低炭素技術における科学及びイノベーションを対象とした資金提供等の行動を通して経済を強化する助言が記されている。
CO2回収・利用・貯留(CCUS)技術の実現支援とも相和すその主要点は次のようなものである。
- 危機からの回復が、温室効果ガス排出量の「固定」または気候リスクの増加を招かないようにする。炭素集約型部門への支援は、それらの部門が気候変動に対する実質的で持続的な活動を行っていることが条件であるべきであり、また、新しい投資は気候変動への耐性を持つべき必要がある。
- 正味ゼロ排出移行の次段階を支援するためには、新しい水素及びCCSインフラが必要となる。COVID-19後の経済回復は、政府、規制当局及び産業界に対し、これらの投資を加速させるために協力するチャンスを与える。
- 財政上の変更を検討する際は、排出削減インセンティブを強化する。税政の変更は、正味ゼロ排出移行に役立つ可能性がある。歳入は、これら部門に炭素価格を設定することによって、またはその値上げによって引き上げられ、また、世界的に低い石油価格は、消費者に負担を強いることなく、相対価格の変化を相殺するチャンスを与える。
- 抑制された石油価格が北海におけるスコットランドの雇用に悪影響を与え続ける場合、この高い技術力を持った労働力を維持し、CCS等、将来の低炭素産業に再配備する。
- 科学及びイノベーションを対象とした資金提供:低炭素及び適応技術の研究及びイノベーションは、英国気候目標の達成、国際的な技術の開発及び普及、並びに費用低減に極めて重要である。