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GCCSIメディアリリース:CCS技術が3年連続で上昇―気候報告書所見

1st December 2020

発行日: 2020121

 

原典: Global CCS Institute

 

CCS容量、2020年は33%の伸びと、国際シンクタンクが報告

 

国際的シンクタンクのグローバルCCSインスシテュートが発表した所見では、運転中・開発中にあるCCS施設の総容量は、この1年だけで全世界で33%増加したとされています。 2020年版「世界のCCSの動向(Global Status on CCS)」報告書では、様々な段階にある商用CCS 施設が全世界で合計65件あることも明らかにされています。

「産業脱炭素化の取組など気候問題に対する野心は、2020年に直面した逆境にもかかわらず、縮小されてはいません」と、グローバルCCSインスティテュートのCEOである Brad Pageは述べました。「開発中のCO2 回収・貯留インフラの量は引き続き増加傾向にあります。このような成長を後押しする最大の要因の一つは、ネットゼロ排出量の達成は喫緊なるも、エネルギー集約的なセクターからのCO2削減なくしては達成不可能であるという認識です」とも、Pageは述べました。

ネットゼロ排出量を達成するコミットメントは、この一年、特に欧州とアジア太平洋において、政府ならびに企業から同様に多大な支持を得て、CCS投資を先導してきました。「世界のCCSの動向」報告書では、以下のことが示されています。

· 進行中のCCS施設群は3年連続で増加し続けており、全世界の回収・貯留容量は3年のうちにほぼ倍増し、2019年からは33%増となっています。

· 現在運転中である26件の商用CCS 施設から、年間約4,000万トンのCO2が回収されています。

· 既に最大の稼働中CCS施設数を有する米国は、世界のCCS 業界を引き続きリードしており、2020年に進行中プロジェクト群に追加された17件の新規商用施設のうち12件を擁しています。米国は、45Q税控除やカリフォルニア州低炭素燃料基準(California Low-Carbon Fuel Standard)など、世界で最も先進的なCCS支援政策のいくつかを有しています。

· 2020年は、欧州でもCCSに対する野心と支援の向上が見られました。 ノルウェー政府は、Langskip プロジェクトへのゴーサインを発表しました。英国の春季予算では、この10年で複数のハブ&クラスターを開発することを目標に、CCSインフラへ用の資金が割り当てられました。欧州の他の場所では、CCSプロジェクトへの大型資金源と見込まれるEU100億ユーロInnovation Fund(イノベーション基金)の第1回募集が7月に開始され、オランダのPorthosプロジェクトが2021年に最終投資決定を行う予定となっています。

· アジア太平洋では、規制枠組に対する技術的理解を深め開発を進めるための、国家と企業の地域協力が引き続き加速し、特に豪州と日本が国内政策とCCS投資の面で進展を見せました。

· 政府と企業のコストとリスク双方を低減する動きの中では、CCSハブ&クラスター –CO2輸送・貯留インフラの企業間共同使用 – が今後数年におけるCCS採用ブームを支えると予想されます。 英国におけるCCS投資はハブ&クラスター開発に強く力を入れており、米国におけるほぼ全ての新規施設は共有貯留サイトにアクセスできるようになります。

「年の瀬が近づいても、ネットゼロ気候目標達成と気候緩和技術拡大へのコミットメントは、勢いを増し続けています」と、同インスティテュートのジェネラル・マネジャーであり、2020年の「世界のCCSの動向」報告書執筆者の一人でもあるGuloren Turanは述べています。「先月、英国政府では、2020年末までに4つのハブ&クラスターを開発することを目指して、10億ポンドが割り当てられました。アジア太平洋では、中国、日本、韓国の各国政府がネットゼロ気候目標にコミットしました。産業脱炭素化は炭素中立目標の要であり、CCSはこれまでも、そしてこれからも、それを実現させる重要な要素であり続けます」と、Turanは付け加えました。

CCS採用の加速化は期待できるものの、同技術の普及は2050年気候目標達成に間に合う速さでは行われていません。 CCS施設は世界が炭素中立を達成する方法の一つとして今世紀半ばまでに100倍以上増える必要があります。この報告書は、CCSはネットゼロ・パリ気候目標達成に不可欠であるということを示すIPCCの調査結果を反映するものです。

「世界のCCSの動向」報告書は、気候変動対応に欠かせない技術であるCCSの普及加速に努める国際シンクタンクであるグローバルCCSインスティテュートにより、毎年発表されています。2020年度版報告書の全文は、 こちらからお読みいただけます。

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