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GCCSI最新ニュース:EU共同法令制定者、世界初の炭素除去認証枠組(Certification Framework for Carbon Removals)について暫定合意に達する
26th February 2024
発行日:2024年2月21日
2月20日、EU理事会と欧州議会は、EU全域を対象とした自主的な炭素除去認証制度を設立する規則について暫定的な合意に達しました。
この合意は、EU気候政策枠組に炭素除去を組み込むための重要な一歩を意味し、EUのネットゼロ経済に向けた移行を支援できる炭素除去技術の普及を促進するものと期待されています。
持続可能な炭素循環に関するEUコミュニケーション(EU communication on Sustainable Carbon Cycles)のフォローアップとして、2022年11月に欧州委員会が当初提案したEU炭素除去認証枠組(EU carbon removals certification framework:CRCF)は、炭素除去の質及びガバナンスに関する保証を提供し、炭素除去単位(各単位は、枠組の対象となる活動の1つを通して大気中から除去されたCO21トンに相当)の取引を規制する統一された炭素除去認証制度を創設することを目指しています。
機関間交渉の結果、共同法令制定者は、国連気候変動に関する政府間パネル(UN Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)が使用する定義を反映し、炭素除去のオープンな定義を提示し、また、欧州委員会が当初提案した規制の範囲を拡大し、炭素除去及び土壌の排出削減をもたらす活動も取り入れることを決定しました。
注目すべきは、暫定的に合意されたCRCFが、枠組の対象となる次の4種類の活動の概要を示していることです。
- 恒久的な炭素除去(BECCS及びDACCSを含む)
- 長持ちする製品及び素材内における一時的なCO2貯留
- 土壌ないし森林にCO2を貯留する一時的なカーボン・ファーミング活動
- カーボン・ファーミングによる土壌の排出削減
CRCFはまた、炭素除去の測定、モニタリング、報告及び検証に関する認証規則も定めています。
特に、機関間交渉中に議論された規則の条項のうち、共同法令制定者は次の点を決定しました。
- 追加的で、測定可能で、耐久性があり、環境的に持続可能であると認められる炭素除去活動のみが認証の対象となることを保証するため、欧州委員会が提案した当初の認証基準を維持する。
- オペレーターに対して明確なモニタリング義務及び責任規則を設ける。
- 欧州委員会に対し、様々な種類の炭素除去活動に合った認証方法論を作成するタスクを課し、それには明確な責任メカニズムも含まれる。
- 認証及び炭素除去単位に関する情報を公開し、アクセスできるようにするため、欧州委員会に対し、共通で透明性のある電子EU登録簿を設置するように求める。
暫定的に合意された規則は今後、欧州議会及びEU理事会によって正式に承認される必要があります。この2つの共同法令制定者によって採択された後、CRCFは、EU官報(Official Journal of the EU)への掲載を経て、発効します。
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