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IEAクリーン・コール・センター報告書 CCUS-障壁と可能性の現状
28th July 2020
発行日:2020年7月28日
要約
正味ゼロCO2排出未来への移行の一環として、2050年までに約170GWeのCCUS付設型石炭火力発電が必要となる。中国を含むアジア太平洋は、これを実施する必要のある重要な地域である。このことは、地球気温上昇を制限しながら、経済発展を支援し、生活水準を向上させるために信頼出来る手頃な価格のエネルギーへのアクセスを提供する複合アプローチの一環として達成されなければならない。また、これは世界人口の重要な一部にとって不利にならない、より低排出な未来に向けて前進するためにOECD諸国が開発途上国と協力する「包摂的な移行」の一部を成す。CCUSの費用削減は、早期商業規模実証プロジェクト及び最新の基本設計(FEED)調査を通して順調に進んでおり、現在、CO2回収費用は43-45米ドル/tCO2と予測されている。「実践的学習」を通して更なる費用削減が期待でき、同技術が商業的に本格展開されて行くにつれ、現在の費用である約65米ドル/tCO2から50-70%の削減が可能になるかもしれない。しかし、この本格展開に弾みをつけるためには、より積極的な炭素価格付けのシグナルを発し、CO2輸送及び貯留インフラのための投資を行い、また、CCUS特有のプロジェクト・リスクを低減させるにあたってより利用しやすい負債金融及びエクイティ・ファイナンスを提供する、強固な資金的及び規制的制度が整備される必要がある。