最新ニュース
MAN社、Porthos CO2回収プロジェクトの契約を受注
28th May 2020
発行日: 2020年5月28日
ベルリンのMAN Energy Solutions社、オランダのCO2回収・利用・貯留プロジェクトにつき3台のRGコンプレッサ・トレインのエンジニアリング契約を受注。
ロッテルダム港湾局(Port of Rotterdam Authority)、Energie Beheer Nederland社 (EBN) 、N.V. Nederlandse Gasunie社は、合同で、欧州連合から共通利益プロジェクト(Project of Common Interest:PCI)と認められた 「Porthos」 (Port of Rotterdam CO2 Transport Hub and Offshore Storage:ロッテルダム港CO2輸送ハブ及び沖合貯留) プロジェクトを開発している。
Porthosは、北海海底下にて、年間約250万トンのCO2を貯留することを計画している。このCO2は、オランダのCO2排出量の16%以上を占める ロッテルダム港湾地域の様々な企業により回収される予定である。
「CCUSは、主要産業を脱炭素化するポテンシャルを持つ卓越した技術である」と、MAN Energy Solutions社のCEOであるUwe Lauber氏は語った。「我々は、Porthosプロジェクトに参加して、欧州の低炭素未来に貢献できることを嬉しく、また誇りにも思っている。この受注は、我が社が最先端のCO2圧縮ソリューションのプロバイダーとして、自らの技術リーダーシップのポジションを着実に固めていることの表れでもある。」
2019年末、Porthosの運営組織は、自社のCO2排出を回収し、それをロッテルダム港湾エリアを約30 – 33kmにわたって走る共同Porthosパイプラインに供給することによって、自社の環境フットプリントを削減することに関心を寄せる数多くの企業と契約を結んだ。CO2は、その後、オランダ海岸沖約20kmに位置するプラットフォームに輸送され、そこで枯渇した P18ガス田(最高3,700万トンCO2の貯留容量が見込まれる)に圧入される。 さらに、Porthosのシステムは、回収されたCO2を、植物の促成栽培を行う温室園芸でなど、他の産業で利用することも可能にする。
MAN Energy Solutions社のPorthosプロジェクトにおける作業スコープには、2台のRG 25-4と1台のRG 31-4 タイプのコンプレッサ・トレインのエンジニアリングが含まれており、後段においてあと3台追加されるオーダーとなっている。これらのコンプレッサ・トレインは、ユーロポート(Europoort)の西側にある人工の半島であるマースフラクテ(Maasvlakte)のコンプレッサ・ステーションに設置される予定である。そこで、CO2は、北海海底下約3,200mから3,500mに位置するフィールドに輸送・圧入すべく、最大132バールまで圧縮される。これらのコンプレッサは、動かす台数によっては、1時間あたり最大285トンのCO2を処理することができる。
Porthosは、2023年末までに北海海底下でCO2貯留を開始することが期待されている。MAN社のエンジニアリング契約の成立は、2020年晩夏に予定されており、資材発注は2021年の第2四半期と見込まれている。
21世紀に入ってから、2台の高圧RGコンプレッサによって米国ノースダコタ州で石炭から合成ガスを製造するためのCO2を供給してきた1999年のDakota Gasification Corporation(ダコタ・ガス化会社)プロジェクトなど、多くのCCUSプラントで既にMAN社の圧縮システムが採用されている。
ベルリンのMAN Energy Solutions社でHead of Sales & Execution Industries/Refineries(販売&実行産業/精製所担当部長)を務めるTamer Bayri氏は次のように説明した。「世界には現在、商業運転中の大型施設は18件存在しており、そのうち8件でMAN社のCO2圧縮技術が使用されている。数十年の運転実績と、我が社の一体型遠心式コンプレッサ・システムにおける実証済みの利点が、国際的な注目を集める重要な参考情報となっているのだ。」