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QUEST(クエスト)CCS施設、5周年記念を前に500万トンのCO2を回収及び貯留
10th July 2020
発行日:2020年7月10日
原典:Shell Canada
開始から5年も経たないうちに、Quest(クエスト)CCS施設が予想よりも低費用で500万トンものCO2を回収し、安全に貯留した。500万トンのCO2とは、乗用車約125万台分の年間排出量に相当する。Questの操業費用は、2015年の予測値よりも約35%低く、もしQuest施設が今、建設される場合は、資本効率の改善により費用が約30%低くなるであろう。
2015年11月6日に開始されたQuest CCS施設は、オイルサンド事業から年間約100万トンのCO2を回収し、地下2km以上の深さにある砂岩貯留層に安全に貯留するように設計されたものである。QuestはCO2を大量に圧入出来る素晴らしい貯留層及び年間稼働停止時間が1%未満という高い回収信頼性に助けられ、費用を低減しながらこの目標を超過することが出来た。安全な地中CO2貯留サイトの豊富な選択肢を提供する深部塩水層と枯渇油田を持つカナダ・アルバータ州は、CCSの理想的な実施地である。
Shell社は、フルCCSバリューチェーンにおいて積極的に活動すると共に、2050年以前に正味ゼロ排出エネルギー事業者になるという目標の一環として、全世界でCCSへの投資を継続している。Shell社は、パートナーであるTotal社及びEquinor社と共に2020年5月、ノルウェーにおけるNorthern Lights(ノーザンライツ)CCSプロジェクトの最終投資決定を行った。Northern Lightsプロジェクトは、CCSのより広範な実施を奨励するために過去5年間にわたって知識と教訓を共有して来たQuestからの教訓を取り入れている。Questの設計及び性能データは、アルバータ州政府のウェブサイトを通して、年次報告書から入手可能である。
Questはオイルサンド事業に適用された世界初の商業規模CCS施設であり、Athabasca Oil Sands Project(アサバスカ・オイルサンド・プロジェクト:AOSP)を代表してShell社が運営している。AOSP資産における直接的及び間接的な所有持分の総計は、それぞれCanadian Natural Resources社及び関連会社が70%、Chevron Canada社が20%、Shell Canada社が特定の子会社を通して10%となっている。