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UNECE報告書によると、炭素中立目標の達成にはCCUSが早急に必要
6th March 2021
トピック: Local News
発行日:2021年3月6日
国連の新しい報告書は、パリ協定(Paris Agreement)及び持続可能な開発のための2030アジェンダ(2030 Agenda for Sustainable Development)を実現させる時間は残りわずかであると警鐘を鳴らし、炭素中立目標を達成するためにCCUSの迅速な普及を呼び掛けた。
UNECE(国連欧州経済委員会:United Nations Economic Commission for Europe)地域におけるCCUS技術の大規模普及によって、各国は、パリ気候協定の目標を達成するために次世代の低炭素、ゼロ・カーボンないしネガティブ・エミッション・エネルギー技術を利用出来るようになるまでのギャップを埋めるべく、中期的にエネルギー部門及び排出削減が困難な産業部門を脱炭素化することができるようになるだろう。
今日(5日)発表されたTechnology Brief(技術概要)では、CO2の回収(セメント及び鉄鋼、化石燃料からの水素製造、廃棄物燃焼ないし発電といった産業もしくはバイオマス・エネルギーの排出源から、または空気中から直接)・貯留(帯水層へ、または石油増進回収を通して)・利用(鉱物化、化学的または生物学的プロセス)に利用出来る様々な技術が検討されている。同報告書は、欧州における既存のCCUSプロジェクト31件及び北米における24件に関する要旨も提供している。
技術概要は、CCUSの大規模普及には莫大な地中貯留能力が必要となることを指摘している。現在、UNECE地域における貯留に適した既知の堆積盆地は、北米及び西欧、特に英国、オランダ及びノルウェーで特定されている。UNECEは、東欧、コーカサス及び中央アジア、特にロシア(ボルガ・ウラル(Volga Urals)、西シベリア、カスピ海小地域)、カザフスタン、アゼルバイジャン及びカスピ海における貯留能力調査の準備を進めている。
同概要は、プロジェクト開発の主な障壁の一つと見られているCCUSの費用について取り上げている。専門家らは、欧州だけでも、2050年までに計画されているCCUS普及の費用は3,200億ユーロに上り、必要な輸送インフラは更に500億ユーロを上乗せする可能性があると見積もっている。費用を低減出来る速度が、大規模普及を後押しするだろう。