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オランダ・デルフトにあるパイロット・プラントにて、TNOによるCO2回収始動を祝う
5th October 2020
発行日:2020年10月5日
TNOのプロジェクト・パートナーらが、オランダ・デルフトにある同研究機関の実験所で設計及び建設された新しい可動式CO2回収プラントを利用して、第1回目の合成燃焼排ガスからのCO2回収を行った。
研究者らは、8月21日に少量の温室効果ガス回収を開始したパイロット・プラントの始動を祝っている。
この可動式ユニットのコンパクトなデザインは、プラントを容易に別の試験サイトに移動させ、商業運転を妨げることなく実際の産業プラントに設置出来ることを意味する。
既存ユニットのデザインをベースとしたこのプラントは、1時間当たり最高5Nm3という小量のガス流によってエネルギー供給され、1時間当たり約1kgのCO2を回収する。
REALISEプロジェクトの一環として、このパイロットはアイルランドのコーク(Cork)にあるIrving Oil社Whitegate(ホワイトゲート)製油所に輸送され、そこでノルウェーの研究大学NTNUが提供する新しい吸収液を利用して製油所の複数の煙突からCO2を回収する。この8か月間に及ぶキャンペーンは2021年に実施される。
REALISEプロジェクトの作業パッケージ・リーダーであるTNOのJuliana Monteiro氏は次のように述べている。「サイズは小さいが、同プラントにはフルサイズのCO2回収プラントの全構成要素があり、様々な吸収液と排ガス成分の相互作用や、排出量と吸収液劣化管理といった研究側面を実証するのに利用可能である。完全稼働したこのプラントは、アイルランドに輸送される前に2種類の異なるCO2回収用吸収液の試験に利用される。」
コークのWhitegate製油所で実施されるキャンペーンは、製油部門及び産業全般用にCO2回収・利用・貯留(CCUS)技術の前進を目指すREALISEの回収実証活動の一環を成す。