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米ノースダコタ州の協同組合電気事業者は、CCSのポテンシャルを実証しうるか?

31st March 2020

発行日: 2020331

原典: CoalZoom.com

 

Project Tundra(プロジェクト・ツンドラ)が、石炭火力の継続性を延長しうるCCS技術の潜在的な先駆的プロジェクトに。

米国ノースダコタ州の小さな町で、小さな協同組合電気事業者が1970年代の褐炭発電所から生じるCO2排出を貯留するために、これまで建設された中で最大となるCO2回収プロジェクトを提案している。

この提案は、国内の他の発電所で長年にわたってCO2隔離の試みが頓挫し続けた挙句、13億ドルという価格にもかかわらず登場したもの。

CCSの支持者らは、Project Tundraはこれまでとは違うものであり、特に再生可能エネルギー資産が乏しく気候の厳しい地方部ではいまだベースライン電力が必要な電力グリッドにおいて、石炭がいかに共存し続けることができるかを示す重要な先駆的プロジェクトであると述べている。炭素回収の支持者らは、CO2を単に空洞に埋めるだけでなく、産業プラントから隔離されたCO2排出が、自社の生産のためにそれを必要とする顧客に売るための商品となる世界を予想している。

彼らは、いまだ規制面での遅れによって混乱の続いている新たな税控除が、世界の排出量削減にCO2隔離を用いるようになる国際的なトレンドの活性剤となりえると考えている。そしてまた、税控除がトランプ政権のコロナウィルス緊急経済対策の一環として大幅に増額されることを期待している。

Grand Forks(グランド・フォークス)に本拠を置くMinnkota Power Cooperative(電力協同組合)は、小さな町であるCenterに位置するMilton R. Young発電所の455メガワット基から排出されるCO290%を回収する計画を立てている。この非営利発電・送電組合は、この開発により発電所の寿命をもうあと25年延長できる可能性があると考えている。同組合の負荷の約半分が、ミネソタ州の顧客に供給されている。

この計画では、同発電所に石炭を供給する褐炭鉱の下にある土地の地下貯留エリアにCO2を圧入することが求められている。このシステムでは同発電所にある2つのユニットのうち一つから排出されるCO2のみが貯留されるが、その大規模なサイズゆえに、このシステムが、他の石炭ベース施設の潜在的なケース・スタディかつロードマップとなる可能性がある。同システムは、完成された最大のCO2回収プロジェクトである240メガワット級のPetra Nova発電所(テキサス州ヒューストン南西部)の約2倍の規模である。

「これは実にエキサイティングなプロジェクトだ」と、Minnkotaの渉外担当シニア・マネジャーであるStacey Dahl氏は語った。「これは、 Petra Novaよりも規模が大きく、この技術を褐炭に対していかに利用できるかを示すものとなる。」

Project Tundra(プロジェクト・ツンドラ)

Minnkotaは、ノースダコタ州東部とミネソタ州北西部の135,000件の顧客を有する11の組合に電力を供給している。同社は、再生可能エネルギーに投資しており、NextEra Energy Resources社から457メガワットの風力エネルギーを購入している。石炭代替オプションの一つとして天然ガス火力発電所の建設が考えられていたが、MinnkotaCO2回収システムがCO2排出量を半減させうることに気づいたと、Dahl氏は語った。

ベースライン電力は厳しい気候の中では不可欠であり続ける。「これは、我が社にとって最もクリーンなオプションなのだ」と同氏は語る。「我々は再生可能エネルギーを非常に重視しているが、再生可能エネルギーの間欠性は誰もが理解している。」

Minnkotaは、ヒューストン郊外のPetra Novaプロジェクトを担当したコンサルタントであるDavid Greeson氏を雇用した。

 

プロジェクト・ツンドラは、エネルギー・天然資源委員会(Energy and Natural Resources Committee)のメンバーであり、CO2回収の支持者であるノースダコタ州選出上院議員John Hoeven氏の助力によって、連邦資金3,000万ドルを獲得している。ノースダコタ州のLignite Research Fund (褐炭研究基金)から、Project Tundra1,500万ドルが前払いされた。

同システムの開発において、 ノースダコタ大学(University of North Dakota)のエネルギー・環境研究所がMinnkotaと協力している。他に2社、ALLETE Clean Energy社とALLETE社の子会社であるBNI Energy社が、開発を支援している。 このような支援は、国内における他の大半のCO2回収プロジェクトよりもさらに多くProject Tundraに対して与えられていると、Greeson氏は述べた。

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