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最新ニュース:欧州委員会、CIDに関するコミュニケーションと共に中間気候目標案を発表し、2040年及びそれ以降に向けた新たな道筋を描く
3rd July 2025
トピック: Institute News
発行日:2025年7月3日
欧州委員会は7月2日、待望のEU気候法(EU Climate Law)改正案を提出し、2040年までに正味温室効果ガス(GHG)排出量を1990年比で90%削減する、新たな法的拘束力のある中間気候目標を提示しました。
新たに提案されたこの2040年目標は、EU気候変動対策経路における重要な節目を刻み、EUの2050年目標に向けた継続性と機運を確保するものです。欧州委員会の動きは、欧州の事業者及び投資家に予測可能性と安定性を示し、世界初の気候中立な大陸になるというEUの長期的なコミットメントを再確認するものです。
欧州委員会は、現実的かつ柔軟なアプローチに則り、2040年気候目標の達成を可能にする適切な環境の整備を目標とした欧州気候法の改正を提案しています。特に、提案されている2040年目標を達成するための将来的な法律の立案にあたって、欧州委員会は、とりわけ下記の要因を考慮することになります。
- パリ協定(Paris Agreement)第6条に則り、2036年以降、1990年の正味排出量の3%を上限とする、高品質な国際クレジットの限定的な役割
- 排出削減が困難な部門の残余排出量に対処するため、EU排出量取引制度(EU Emissions Trading System:EU ETS)における恒久的な国内除去の利用
- 目標の費用効率的な達成を助けるため、部門横断的な柔軟性の向上
欧州委員会による2040年気候目標に関する提案は、今後、欧州議会と欧州理事会に提出され、通常立法手続きの下で交渉と採択が行われます。
この中間目標はまた、欧州委員会が持続可能性目標と欧州産業の競争力を維持する必要性とのバランスを保つように策定している政策エコシステムと整合すると共に、それに支えられています。
そのため、欧州委員会は同日、EUの野心的な気候目標の達成を支援するクリーン産業ディール(Clean Industrial Deal:CID)の実現に向けた現状と進行中の作業を概説するコミュニケーションを発表しました。
コミュニケーションは、CID実施の一環として最近達成された、あるいは計画されている重要な出来事を浮き彫りにすると共に、EUエネルギー・システムを2040年までに脱炭素化する上でのCCUS技術の極めて重要な役割を強調しています。
クリーン産業ディールの実施を完了させるために、欧州委員会は、2025年後半に見込まれている一連のイニシアティブの採択に取り組んでいます。
欧州委員会によるEU気候法改正案の詳細はこちらからお読みください。
CIDの実現に向けたコミュニケーションの詳細はこちらからお読みください。