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最新ニュース : Draghi報告書、CCUSを含む利用可能なあらゆる技術及びソリューションを通じた、欧州の脱炭素化及び競争力に関する共同計画を求める

14th September 2024

トピック: Institute News

発行日:2024年9月14日

原典:グローバルCCSインスティテュート

 

9月9日、Mario Draghi前欧州中央銀行総裁(Former European Central Bank President)が執筆した待望の報告書「The future of European competitiveness(欧州の競争力の未来)」が発表され、欧州委員会に対するEUの競争力を支援するための一連の勧告が示されました。

 

報告書内で特定されている、持続可能な成長を促進するための主な行動分野の中には、CCUSを含む、利用可能なあらゆる技術及びソリューションを活用する、費用効率が高く技術中立的なアプローチを通じて、脱炭素化を加速させる必要性が含まれています。しかし、これには官民部門の双方による多大な投資と共に、設置許可に係る遅延を削減する必要があることを報告書は強調しています。

 

特に、報告書は、エネルギーシステムの柔軟性を高めながら化石燃料発電の固定化を回避でき、またエネルギー集約型産業の脱炭素化も支援できるツールとしてCCUSを取り上げています。

 

資金的なギャップを埋めることについては、欧州排出量取引制度(EU ETS)の対象部門におけるCCUSの普及を支援するために同制度による特定財源を利用するなど、いくつかの対策を提案しています。また、脱炭素化のための資金調達は、炭素差額契約(Carbon Contracts for Differences:CCfDs)または欧州水素銀行による競争入札のような、一般的で競争的かつシンプルな金融手段に頼るべきだとも指摘しています。

 

最後に、報告書は、2023年におけるCO2回収技術に対する世界的な投資の半分以上がEUで行われたことを評価し、EUの同技術における主導的な役割についても強調しています。しかし、CO2輸送・貯留インフラの開発は、依然として同技術の規模を拡大する上で主要な障壁のひとつとなっています。また、CO2インフラの整備と並行して、数ある技術の中でもCCUSが、経済の要となる部門の脱炭素化に確実に費用効果的に貢献できるようにするために、更なる研究及び革新も必要とされています。

 

報告書は、再選されたUrsula von der Leyen欧州委員会委員長(European Commission President)が2024年7月に欧州議会に提出した2024~2029年次期欧州委員会の政治指針の発表を受けたものです。

 

報告書の成果は、欧州委員会が、Clean Industrial Deal(クリーン産業ディール)の策定を含む、欧州の持続可能な繁栄と競争力のための新しい計画を策定するために実施する予定の作業に反映されます。Clean Industrial Dealの一環として、欧州委員会は、低炭素技術及び回収されたCO2の輸送インフラ等、クリーンエネルギーのインフラ及び技術に対する投資を拡大し、優先することを計画しています。

 

新しいClean Industrial Dealは、欧州委員会の新しいマンデートから100日間のうちに発表される予定です。

 

報告書の詳細はこちらからお読みください。

 

 

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