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GCCSIメディア・リリース: CCSパイプライン(進行中CCSプロジェクト群)、全世界で大規模施設が10件増加

8th June 2020

発行日: 202068

原典: Global CCS Institute

国際的なシンクタンクであるグローバルCCSインスティテュートにより、インスティテュートのグローバル・データベースに10件のCCS施設が追加され、開発の様々な段階にあるCCS施設の総数が59件、回収能力は年間12,700万トンを超えました。現在、21件が運転中であり、3件が建設中、35件が開発の様々な段階にあります。

「当インスティテュートのこのたびのCO2REデータベースの更新により、現在のCV-19危機にもかかわらず、進行中プロジェクト群におけるCCS施設数は大幅に増加して、気候目標達成に向けた継続的な進展が示されており、また大量の雇用創生と経済成長ももたらされることでしょう」と、当インスティテュートの CEOである Brad Pageが語りました。

このたびのCCSの価値に関するフラッグシップ・レポートの中で、インスティテュートは、パリ協定とエネルギー関連の持続可能な開発目標に整合したCCS普及により、2050年までに産業界で約10万件の雇用が創出される可能性があるとしています。

これらの施設は、天然ガス火力発電、ネガティブ・エミッション、セメント、ならびに重合貯留及び沖合貯留といった革新的な利用を含むCCS普及における継続的な傾向に連なるものでした。英国では1件の追加となっているのに対し、対象を絞ったインセンティブと持続的な政府支援の後押しを受けて、米国では9件の追加となっています。

「私たちは、CCS利用の多様性を目にして心躍らせています。既に進行中プロジェクト群の平均回収能力が年間200万トンであるのに対し、新規施設における回収能力の平均は年間260万トンと、新規施設が規模の経済を目指し、大規模排出削減におけるCCSの役割を強化していることが示されています。それにもかかわらず、気候目標の達成には、現在稼働中の施設数21件に対し、あと100倍以上の拡大が必要なのです」とも Brad Pageは語っています。

英国では、CCSを利用したDraxバイオネルギーCCSプロジェクトが、2027年までに既存のバイオマス火力発電施設のうちの一つから年間400万トンを回収し、その後2035年までに残りのバイオマス施設を全てバイオエネルギーCCS (BECCS) に転換することを目指しています。その二酸化炭素(CO2)は、北海南部にパイプライン輸送され、専用の地中貯留所に貯留されます。このプロジェクトは、より大きなZero Carbon Humber Cluster(ゼロカーボン・ハンバー・クラスター)のアンカー・プロジェクトとなります。

米国では、主に45Q税控除とカリフォルニア州低炭素燃料基準CCSプロトコル(California Low Carbon Fuel Standard CCS Protocol)により、多くの施設が加わり続けています。たとえば、この両インセンティブを合わせることで、California Resources CorporationCRC)の CalCaptureプロジェクトとVelocys社とOxy Low Carbon Ventures社のBayou Fuelsネガティブ・エミッション・プロジェクトの双方が経済的に実行可能となりました。複数のプロジェクトが、米国エネルギー省(US Department of EnergyDOE)の基本設計 (FEED) 調査補助金や、年間5,000万以上の大規模貯留を成し遂げようとCarbonSAFEも部分的に獲得しています。進行中のCCS施設群における重要な展開の一つであるテキサス州の Zerosプロジェクトも、FEEDを完了し、建設前段階に入りました。

「今は米国のCCSにとって重要な時期です」と、Assistant Secretary for Fossil Energy(化石エネルギー担当次官補)の Steven Winberg氏は語ります。「政策インセンティブとDOEプロジェクトによる調査は、産業界が正味ゼロカーボン排出目標に向けて前進できるよう、協働しています。」

米国には現在、CCS付設型の天然ガス火力発電所はありませんが、更新されたデータベースには、テキサス州のMustang発電所、ミシシッピ州のPlant Daniel、カリフォルニア州におけるCRCCalCapture施設の3件のガス火力発電所が入っています。これらが入ることにより、データベース内におけるCCS付設型の開発中天然ガス火力発電所の総数は全世界で6件となります。

CalCaptureプロジェクトは、大幅な排出削減、カリフォルニア州の経済全体にわたる多くの経済的影響、将来のエネルギー転換目標を達成するために全世界的に必要な重要技術の開発など、複数のメリットをもたらします。CalCaptureプロジェクトのFEEDは、2020年末までに完了する見込みであり、2020年代中頃までに、プロジェクトは許可・建設・稼働開始となるでしょう」と、CRCExecutive Vice President of Operations and Engineering(オペレーション及びエンジニアリング担当執行副社長)であるShawn Kerns氏が述べました。

また、二つのプロジェクト、サンファン(San Juan)発電所とCRCCalCapture施設は、石油増進回収を伴う地中貯留と塩水層への専用貯留を利用した重合貯留の計画についても評価を行なっているところです。

Oxy Low Carbon Ventures (LCV) は、LaFarge Holcim社及び Total社と組んで、コロラド州のセメント工場からのCO2回収について評価を行い、Oxy LCV  Velocys社のバイオ燃料製造からのCO2も貯留してネガティブ・エミッションを実現しようとしています。

これらの施設の最新情報は、Alberta Carbon Trunk Line(アルバータ州CO2幹線パイプライン)の完全稼働開始、Northern Lightsプロジェクトに対するEquinor社、Shell社、Total社の前向きな投資決定、豪州における支援的な政策のモメンタム、米国エネルギー省による13,100万ドル供与の発表など、CCSに対する継続的なモメンタムに続いて生じてきたものです。

グローバルCCSインスティテュートのデータベースは、 co2re.co でご覧下さい。

新プロジェクトの詳細に関するダウンロードは、こちらから。

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