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CO2回収及び水素、ラテンアメリカの未来エネルギーの一部に
23rd October 2020
発行日:2020年10月23日
ラテンアメリカにおいてCCSは、収益を得るために高いCO2価格を必要とすることから、水素よりも進展を見せていない。
リオデジャネイロ沖にある、ブラジル国営石油企業Petrobras社が所有するSantos(サントス)海盆CO2-EORプラントは、2013年以来、約1,000万トンのCO2を回収し、Lula、Sapinhoá及びLapa油田に圧入した。2025年までに累積で4,000万トンを処理することを目標としている。
メキシコにおけるCO2貯留潜在力は1,000億トン、ブラジルの潜在力は同地域最大の4兆トンである。
2013~2016年、世界銀行はメキシコに対し、ガス火力複合サイクル・プラントにおけるCO2回収事業の事前実現可能性調査の開発、EORとCO2地中貯留の組み合わせに関するベスト・プラクティスのレビュー、並びに同国における規制上の進展に関する分析を実施するため、技術援助を提供した。
2014年、メキシコのエネルギー省はTechnology Roadmap on CCS(CCS技術ロードマップ)を発表し、2018年に更新したが、その中で国家戦略及びインベントリ、並びに技術研究開発及びプロジェクト実施のためのセンターの創設を提案した。
その検討段階には、CO2回収実証プロジェクト並びにCCS及びEORプロジェクトが含まれていた。
メキシコ政府は、自動車、発電、セメント、ガラス、冶金、鉄鋼、採鉱、農業関連産業プラント等、198か所の固定産業CO2排出源を特定した。
また、複数のCO2貯留サイト及び59か所のEORを利用出来る老朽油田も特定した。
しかし、左派のAndrés Manuel López Obrador大統領による政府は、資金不足を主張して、これらの計画を放棄した。