最新ニュース
GCCSI最新ニュース:豪州の炭素クレジット単位の見直しを公表
10th January 2023
トピック: Institute News
最新ニュース
豪州の炭素クレジット単位の見直しを公表
発行日:2023年1月10日
豪州の炭素クレジット制度の見直しをしている独立専門委員会は、同制度は「基本的に妥当である」とする一方、ガバナンス、透明性、有益なプロジェクトの成果及びコミュニティーのコベネフィットの促進について提言を行いました。排出削減基金(ERF)の下、土地所有者と企業は、プロジェクトにより貯留あるいは回避されたCO21トンにつき豪州炭素クレジット単位(ACCU)を獲得することができ、これによりプロジェクトの収益を得ることができます。この制度は、2050年までにネットゼロ達成を目指す豪州政府の計画および関連する中間目標の中核を成すものです。
2022年、制度には根本的な欠陥があり、この方法で発行された大部分のクレジット(自然ベースのクレジット)は、真の排出量削減を意味していないとの懸念や議論のある中、元首相科学顧問(Chief Scientist)のIan Chubb教授率いる独立委員会が、排出削減基金におけるACCUの十全性の見直しのために任命されました。委員会は、ACCUの十全性における信頼を確保するために、同制度のガバナンス体制及び法的要件を綿密に調査し、特にCCSを含むいくつかの手法についても精査しました。
委員会は、Emissions Reduction Assurance Committee (排出削減保証委員会:ERAC)をCarbon Abatement Integrity Committee(炭素削減十全性委員会)として再構築することを含め、16の提言を行いました。また、ERACの保証機能と規制機能を分離することで、対立意識を回避し、信頼性を高めることも提案しました。
CCSに関し、委員会は、「国内外でCCSの導入は比較的限られているが、気候変動の速度と範囲を抑えるために重要な潜在的貢献があると考えられる」としました。CCSの手法については、何も提言をしていない点は注目に値します。
委員会の調査結果は、CCSの信頼性にとって重要であり、ERFの下でプロジェクトを展開しようとする提案者がACCUを利用できることを保証することになるでしょう。
見直しに関する最終報告書はこちらで公開されています。