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メディア・リリース : グローバル・エナジー・ポリシー・センターとグローバルCCSインスティテュート、NYC気候週間の一環として、重要な正味ゼロ報告書を発表
22nd September 2020
発行日: 2020年9月22日
報告書、気候変動による大惨事を食い止めるには、CO2除去技術と気候政策の展開が必要と提言
コロンビア大学国際公共政策大学院(Columbia University SIPA)のグローバル・エナジー・ポリシー・センター(Center on Global Energy Policy) とグローバルCCSインスティテュートがClimate Week NYC 2020(気候週間NYC 2020)中に発表した新しい研究では、 発電や、セメント、製鋼、化学品、水素など工業品の生産で放出される二酸化炭素量を減らすだけでなく、大気や海から既存の二酸化炭素を除去する技術への投資を増やすことが地球温暖化低減に重要であるということが明らかにされています。この研究、Net-Zero and Geospheric Return: Actions Today for 2030 and Beyond(正味ゼロと地球圏への回帰:2030年以降に向けた現在の行動)では、気候変動による最悪の影響を回避し、世界経済を脱炭素化するためには、今後10年以内に気候ファイナンス政策と技術が急成長する必要があるという提言がなされています。
この報告書は、革新的なCO2除去技術と強力な気候政策の展開には今後10年間の国際的努力が真に成功することが必要であることを明らかにし、最低コストかつ最速で全地球排出量正味ゼロを達成するには、以下のような迅速な行動が必要であると提言しています。
· 輸送及びインフラへの投資: 排出削減最大化のために、北米に現在存在する8,000km (5,000マイル) の二酸化炭素輸送パイプラインをあと35,000km (21,000 マイル) 延長すべきであることが、推計により示されています。同様に、現在、欧州、中国、中東で開発中の産業ハブ&クラスターも、低費用でのCCS普及を加速させることができます。より多くの貯留サイトや輸送オプションを評価・承認すべきです。
· CCSプロジェクトへの投資: 現在、19件の大規模産業施設と2件の大規模発電所が排出源でCO2を回収・貯留しており、これらの容量を合わせると、年間約4,000万トン-CO2になります。開発中の同様のプロジェクトが、あと20件あります。国際エネルギー機関(IEA)、IPCC、その他多くの団体が、2030年までに必要とされる年間1.5ギガトンを緩和し、2030年までに地球温暖化を1.5 o C上昇までに保つ道から外れないようにするためには、このようなタイプのCCSプロジェクトを現在の35倍増やさなくてはならないと推計しています。
· 政策による市場調整: 民間資本を呼び込み、研究・開発・普及プロジェクトを奨励し、新技術をより迅速に市場に出すためには、 CCSプロジェクトの財務・規制リスクを低減し貯留オプションを増やす明確な気候政策を策定し実施する必要があります。
弊Institute日本事務所注;標記報告書は以下のサイトからダウンロードできます。