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最新ニュース:米国エネルギー省(U.S. DOE)、エネルギー集約型産業の脱炭素化プロジェクトに最大60億ドル授与
26th March 2024
トピック: Institute News
発行日:2024年3月26日
米国エネルギー省(The U.S. Department of Energy:DOE)は、クリーン・エネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations:OCED)を通じて、米国20州以上のエネルギー集約型産業の脱炭素化に焦点を当てた33件のプロジェクトに最大60億ドル授与する予定であり、これは米国史上最大の産業脱炭素化投資です。
資金授与交渉に選定されたプロジェクトは、いくつかの排出削減が困難な産業から1,400万トン以上のCO2に相当する削減を行う予定です。選定プロジェクトの内訳は、化学製品・製油プロジェクトが7件、セメント・コンクリートプロジェクトが6件、鉄鋼プロジェクトが6件、アルミニウム・金属プロジェクトが5件、飲食プロジェクトが3件、ガラス・プロジェクトが3件、プロセス熱プロジェクトが2件、パルプ・紙プロジェクトが1件です。
選定されたプロジェクトの80%近くは、不利な条件下にある地域社会(Justice40イニシアティブの定義による)に位置しており、各プロジェクトは、有意義な地域社会の関与を必要とし、プロジェクトが地元地域社会の利益を最大限にすることを保証する、包括的な地域社会利益計画(Community Benefits Plan)を策定し、実施することが求められます。
CCSは、排出削減が困難な産業の排出量を大幅に削減することができます。コンクリート及び鉄鋼は、道路や建物等、安全で耐久性のあるインフラを開発し、維持するために極めて重要な材料です。しかし、セメント及び鉄鋼の生産には高温の熱が必要とされるため、CO2排出又はCO2の発生がつきものの化学工程のどちらか、あるいはその双方が伴います。2020年に発表された報告書「クリーン・エネルギー移行におけるCCUS(CCUS in Clean Energy Transitions)」においてIEAは、重工業が世界のCO2排出量の20%近くを占めること、並びにセメント・鉄鋼及び化学製品製造の排出削減にはCCUSが最も有効なソリューション(一部のケースでは唯一のソリューション)であることを指摘しています。
OCEDは、選定されたプロジェクトに関する情報を提供すると共に、関与プロセスを促進するため、3月及び4月に一連の米国国内及び地域バーチャル説明会を開催します。説明会のお申込みはこちらから行えます。
資金授与交渉に選定された33件のプロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。
DOEの公告はこちらからお読みください。