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エクソン、石油掘削は継続するもCO2回収事業は延期
10th December 2020
発行日: 2020年12月10日 原典 : Mic.com 炭素回収ゲームに参入するためのエクソンの計画は野心的なものであった。同社はワイオミング州南部に巨大な建物を建設し、近くのラバージ(LaBarge)天然ガス田から排出された二酸化炭素を回収して貯留することになっていた。 エクソンのラバージ施設計画は、CO2回収の可能性を示す最良事例の一つとしてなる可能性があった。ブルームバーグによると、同社はこの施設の建設に2020年の同社総資本予算の1%に相当する約2億6,000万ドルの費用がかかると予想していたという。また、今後5年間に計画されている同社の排出削減努力の20%近くを占めるとも伝えられている。建設は今年の夏に開始される予定であった。その後、コロナウイルスの大流行が発生し、エクソンは他の石油会社同様、大打撃を受けた。原油価格が 記録的な低価格に急落したため、同社はCO2回収施設を無期限で停止すると発表した。 エクソンの広報担当者はブルームバーグに、ラバージ施設計画は「当社の資本計画に残っており、許認可プロセスと必要な設計作業は継続されている」と述べ、支出削減は「全ての事業ラインのプロジェクトに影響を与えている」と述べた。しかし、同社は石油や掘削事業を含む、より伝統的な化石燃料プロジェクトを推進することを選択している。9月、同社はガイアナ沖での海洋掘削事業を拡大すると発表した。このプロジェクトには90億ドル、つまり棚上げされたCO2回収施設計画の約35倍の費用がかかる。
より良い復興 – 英国の2035年目標を強化
9th December 2020
発行日: 2020年12月9日 原典 : Carbon Capture Journal 昨年、英国は、主要国で初めてネット・ゼロ排出法を制定した。1,000ページに及ぶ画期的な新しい報告書で、Climate Change Committee(気候変動委員会:CCC)は、今後30年間の目標への道筋を示している。 第 6 次炭素予算(Carbon Budget)(2033年- 2037年)は、英国のゼロ・カーボンに向けた明確な戦略を描き出している。CCCは、汚染排出量を2035年までに1990年比で約80%削減しなければならないことを示しており、目標を大きくステップアップさせている。この数字は、わずか18ヶ月前には、英国の2050年の目標であった。 「CCCによる本日の助言は明確であり、英国経済全体でネット・ゼロを実現するためには、CO2回収・利用・貯留による排出削減をさらに進め、加速させる必要があるということだ」と、CCSA(Carbon Capture and Storage Association)の最高責任者であるLuke Warren氏はコメントした。 「CCCは、英国が今後10年間に導入しなければならないCCUS量を増やすことを推奨している。CCUS業界は今や、2030年までに毎年20 Mt CO2以上の貯留を目指すべきである。それには、英国が国内全ての産業地域でCCUSクラスターを開発することが必要である。」
Eni社とSaipem社、イタリアの脱炭素化計画で提携
9th December 2020
発行日: 2020年12月9日 原典 : ロイター(英国) Eni社は、エネルギーサービス会社のSaipem社と、産業界からの二酸化炭素の回収・貯留方法に焦点を当てたイタリアでの脱炭素化プロジェクトに取り組む契約を締結したと、両社が水曜日に発表した。 共同声明において、両社は、このベンチャーはグリーンディールや復興基金などの欧州連合(EU)の資金調達スキームに参加する可能性があると述べている。 Saipem社の約30%を所有するエネルギーグループのEni社は、事業のグリーン化推進の一環として、温室効果ガスの排出量を80%削減するために、CO2回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクトを検討している。 同グループは、イタリアのラヴェンナ周辺に大規模なCCUS施設を開発し、世界最大級のCO2ハブを作ることを目指している。 海底エンジニアリングと建設におけるマーケットリーダーであるSaipem社は、受注量を増やすべく新たな事業ラインを展開している。
世界最大のCO2回収プラントにて建設開始、アイスランド
8th December 2020
発行日:2020年12月8日 原典:Energy Monitor Worldwide 世界初の大規模CCSプラントの建設がアイスランドにて開始された。Orca(オルカ)と名付けられたプラントは、ファンを利用して空気を取り込み、CO2の約90%をろ過し、そのCO2を地中貯留用に炭酸塩鉱物に転換する。プラント開発を行っているClimeworks社がCO2回収装置を作製し、Carbfix社がCO2鉱化技術を提供し、アイスランドのON Power社がプラントに地熱電力を供給する。プラントは2021年春までに完成し、稼働を開始する予定である。 ガス回収のためにプラントに組み込まれる直接空気回収(Direct Air Capture:DAC)と呼ばれる技術は、工場や発電所から排出されるCO2を回収し、地中に貯留するCCSから派生したものである。 残念ながら、DACはガス回収の安価なオプションでは無い。
豪州・日本企業、豪州沖での深海CO2回収プロジェクトを検討
7th December 2020
発行日:2020年12月7日 原典:Yahoo! News UK and Ireland 豪州企業が、国内の国立科学機関と日本企業を集め、CO2を回収して液化し、豪州沖のサイトまで輸送した上で海底下に圧入する計画に取り組んでいる。 これは最近、豪州政府が180億豪ドル(99億ポンド)に上るCO2排出削減計画の中で資金提供する5つの優先技術の1つとしてCCSを挙げたことから出てきた動きである。 豪州パース(Perth)に拠点を置き、deepC Store(ディープC貯留)プロジェクトを率いるTransborders Energy社は月曜日(7日)、豪州及びアジア太平洋地域の液化天然ガス(LNG)プラント及びその他の産業プラントから排出されるCO2を回収したいと述べた。 調査及びエンジニアリング設計作業が目標通りに進めば、プロジェクトは2027年以降にCO2貯留を開始出来るだろうと、最高経営責任者(CEO)Daein Cha氏は述べた。 「政府による資金提供が利用出来るうちにプロジェクトを前進させたい」とCha氏はロイター(Reuters)に語った。 Transborders社は、小規模な浮体式LNG生産のために開発した技術を利用し、年間150万トンのCO2を海底下に圧入出来る浮体式施設を豪州沖に設置したい考えである。 Cha氏はdeepC Storeプロジェクトの費用について明言しなかったが、ノルウェーのEquinor社が北海で主導している同様のプロジェクトであり、想定費用が69億ノルウェー・クローネ(5億8,400万ポンド)のNorthern Lights(ノーザンライツ)プロジェクトが基準であると述べた。 Transborders社は、豪州連邦科学産業研究機構(Commonwealth Science and Industrial Research Organisation:CSIRO)、商船三井、九州電力、大阪ガス、東京ガスオーストラリア、エンジニアリング会社のAdd Energy社、請負業者のTechnipFMC社と協力するための仮契約を結んだ。 前出の日本の公益事業会社は、プロジェクトにCO2を供給出来る豪州LNGプラントの利害関係者である。
Aker Carbon Capture社及びMAN Energy Solutions社、 CCS圧縮技術で協力
6th December 2020
発行日:2020年12月6日 原典:Carbon Capture Journal 両社は、熱回収と組み合わせたCCS利用のためのエネルギー効率的な圧縮ソリューションを開発するため、技術協力合意に署名した。 CCSでは、回収されたCO2は液化され、恒久貯留場所に輸送される前に圧縮される。前出の2社は、必要とされるエネルギーが少ないCO2回収ソリューションの開発を目指す。MAN Energy Solutions社は同社圧縮システムから熱を回収出来るため、熱交換がCO2回収プラントの改良された総電力消費の鍵となる。そのため、生成された蒸気は、Aker Carbon Capture社回収プラントの電力需要の50%近くを賄うことになる。 この協力は、MAN社の圧縮機技術、システム部品の統合、設計及び納品に関する経験、そしてAker Carbon Capture社が特許を持つアミン技術及び効率的なCO2回収プロセス設計をベースとしている。 技術協力合意は7年間継続し、CO2回収プラントのプロジェクト実現の基礎となる。ソリューションは、ノルウェー・ブレヴィック(Brevik)にあるHeidelberg Cement Norcem社セメント工場といった大規模施設にも適用可能となり、そこにはAker Carbon Capture社が、同社が特許を保有するHSE(Health, Safety, Environment)フレンドリーなCCS技術を利用したCO2回収プラントを納入する。ノルウェー議会で資金提供に関する承認が得られれば、これは世界で初めてセメント工場へCCSが大規模に導入されるケースとなる。
GCCSIメディアリリース:CCS技術が3年連続で上昇―気候報告書所見
1st December 2020
発行日: 2020年12月1日 原典: Global CCS Institute CCS容量、2020年は33%の伸びと、国際シンクタンクが報告 国際的シンクタンクのグローバルCCSインスシテュートが発表した所見では、運転中・開発中にあるCCS施設の総容量は、この1年だけで全世界で33%増加したとされています。 2020年版「世界のCCSの動向(Global Status on CCS)」報告書では、様々な段階にある商用CCS 施設が全世界で合計65件あることも明らかにされています。 「産業脱炭素化の取組など気候問題に対する野心は、2020年に直面した逆境にもかかわらず、縮小されてはいません」と、グローバルCCSインスティテュートのCEOである Brad Pageは述べました。「開発中のCO2 回収・貯留インフラの量は引き続き増加傾向にあります。このような成長を後押しする最大の要因の一つは、ネットゼロ排出量の達成は喫緊なるも、エネルギー集約的なセクターからのCO2削減なくしては達成不可能であるという認識です」とも、Pageは述べました。 ネットゼロ排出量を達成するコミットメントは、この一年、特に欧州とアジア太平洋において、政府ならびに企業から同様に多大な支持を得て、CCS投資を先導してきました。「世界のCCSの動向」報告書では、以下のことが示されています。 · 進行中のCCS施設群は3年連続で増加し続けており、全世界の回収・貯留容量は3年のうちにほぼ倍増し、2019年からは33%増となっています。 · 現在運転中である26件の商用CCS 施設から、年間約4,000万トンのCO2が回収されています。 · 既に最大の稼働中CCS施設数を有する米国は、世界のCCS 業界を引き続きリードしており、2020年に進行中プロジェクト群に追加された17件の新規商用施設のうち12件を擁しています。米国は、45Q税控除やカリフォルニア州低炭素燃料基準(California Low-Carbon Fuel Standard)など、世界で最も先進的なCCS支援政策のいくつかを有しています。 · 2020年は、欧州でもCCSに対する野心と支援の向上が見られました。 ノルウェー政府は、Langskip...
Greensand(グリーンサンド)プロジェクト:北海貯留層及びインフラがCO2貯留用に認証される
29th November 2020
発行日:2020年11月29日 原典:Carbon Capture Journal CO2をデンマーク領北海下に貯留するという任務は、対象とされた海底下貯留層におけるCO2圧入の実現可能性が第三者認証機関DNV GL社によって確認されたことから、最初の大きな障壁を乗り越えた。 DNV GL社が発行した実現可能性認証は、Wintershall Dea社及びMaersk Drilling社とパートナーシップを組んでGreensand(グリーンサンド)プロジェクト・コンソーシアムを率いるINEOS Oil & Gas Denmark社によって運営されているNini West(ニニ・ウェスト)貯留層を対象としたものである。DNV GL社は、概念上、Nini West油田は10年間にわたって坑井1本当たり年間45万トンのCO2を圧入するのに適しており、また、この海底下貯留層はCO2を圧縮した形で安全に隔離することが可能であることを確認している。さらに、Geological Survey of Denmark and Greenland(デンマーク・グリーンランド地質調査所:GEUS)がプロジェクトの調査パートナーを務め、現在、実際のNini West貯留層から採取されたコア材の室内実験を実施する過程にある。 Greensandプロジェクトは、Niniプラットフォームからの圧入に向け、2025年に最初の坑井の準備を整えることを目標としている。より長期的には、2030年までに年間約350万トンに上るCO2貯留能力を開発することを目指している。現在欧州内で開発されている大半のCCSプロジェクトと同様、CO2圧入を開始出来る状態にまでGreensandプロジェクトを成長させるためには、資金調達モデルの確立が必要とされている。 Maersk Drilling社は、既存油田のCO2圧入への用途変更と圧入期間中の坑井改修に沖合掘削リグ及び能力をどのように利用出来るかについて、Greensandプロジェクトが重要な教訓を提示してくれることを期待している。
Silixa社、CCSのためのファイバー・オプティック・センシングをベースにしたモニタリング・ソリューションを発表
25th November 2020
発行日:2020年11月25日 原典:Carbon Capture Journal Carina® CarbonSecure™は、CCSの全段階における、分散型音響センシング(DAS)をベースにした連続型あるいはオンデマンド型モニタリング・ソリューションである。 この新しいソリューションは、沖合及び陸上のオペレーターに対し、CCS施設に必要なモニタリング手段を費用及び環境への影響を抑えた形で提供する。このソリューションによって、オペレーターは世界でCCSの採用を拡大させるために必要となる保証を、規制当局やコミュニティに提供出来るようになる。 Carina CarbonSecureは、リアルタイムの連続型及び/ないしオンデマンド型モニタリングのために、超高解像度で、密に抽出された音響データを提供する。ソリューションの要素には、CO2貯留施設の使用期間全体を通した微小地震モニタリング及び受動的地震が含まれる。また、このシステムには、CCS開発の様々な段階における安全性を最大限にするため、3D垂直地震プロファイリング(VSP)、タイム・ラプス地震、坑井健全性及び漏えい検知も含まれる。 加えて、Carina CarbonSecureの繊維配列は、高解像度の温度データを提供し、恒久的に設置されており、また、機械部品がないことから、義務化されたCCSモニタリング期間に合わせて何十年も保守作業なく使用することが可能である。
McDermott社、Tata Steel社からEVERESTプロジェクトのプレFEED契約を受注-McDermott社の比類なきCCS経験を活かす
19th November 2020
発行日:2020年11月19日 原典:PR Newswire McDermott International社は今日(19日)、Enhancing Value by Emissions Reuse and Emission Storage(排出されるCO2の再利用と貯留による価値向上:EVEREST)プロジェクトの事前基本設計(Pre-FEED)契約をTata Steel社から受注したことを発表した。Tata Steel社は、オランダ・アイマウデン(IJmuiden)にある自社溶鉱炉から排出されるCO2を回収し、北海下の枯渇したガス田に貯留するために輸送するプロジェクトに向けた準備計画を立ち上げた。プロジェクトは、アムステルダムの西19マイル(30キロメートル)に位置するアイマウデンにあるTata Steel社施設で実施される予定である。 「我が社の革新的なCCSソリューションと比類のないエンジニアリング能力の組み合わせは、排出削減とエネルギー転換の促進におけるMcDermott社の戦略的な役割を示している」と欧州・中東・アフリカ担当上級副社長Tareq Kawash氏は述べた。「我々は共に、2050年までにカーボン・ニュートラルな鉄鋼生産を達成するためのTata Steel社による戦略的ロードマップを進めて行く。」
GCCSIメディアリリース:英国政府、4件のCCSハブ&クラスターに資金提供することを決定
18th November 2020
発行日:2020年11月18日 原典:グローバルCCSインスティテュート グローバルCCSインスティテュートは、2020年代末までに英国各地で開発される4件のCCSハブ&クラスター・プロジェクトを支援するために10億ポンドの資金提供を行うという英国政府によるこのたびの発表を歓迎します。 CCS開発を支援するために春季予算(Spring Budget)で発表された8億ポンドに上る既存の政府資金供与に追加する形で更に2億ポンドを割り当てるこの投資は、2050年までにネットゼロ気候目標を達成するための10カ条計画の一環です。この資金は、ハンバー(Humber)、ティーズサイド(Teesside)、マージーサイド(Merseyside)、グランジマウス(Grangemouth)、ポート・タルボット(Port Talbot)といった地区において5万人分の雇用を支援するのに役立てられます。 「英国は、産業排出量対策に真剣に取り組んでいることを示しています」とグローバルCCSインスティテュートのCEO、Brad Pageは述べました。「英国各地でCCSハブ&クラスターを開発するというこの最新の動きは、英国で最もエネルギー集約的な産業部門からの排出量を緩和するにあたって重要な一歩です。これらのハブは、排出量を大幅に削減するだけでなく、CCSインフラ及び輸送を共同使用することでそれを実現し、産業及び政府双方の費用とリスクの低減に役立ちます」と、Pageは付け加えました。 2019年、英国は2050年ネットゼロ排出目標を法制化するというコミットメントに前向きに取り組みました。同国政府の新しい10カ条計画は、改正された気候変動法(Climate Change Act)に基づく現行のネットゼロ法と整合するものとなることを目指しています。
製鋼工程からの廃棄物共処理:製鋼スラグを用いた鉱化によるCCS
17th November 2020
発行日: 2020年11月17日 原典 : NCBI 鉄鋼業はエネルギー集約型部門であり、製鋼工程では、CO2、冶金スラグ、廃水などの廃棄物/副産物が大量に発生する。製鋼工程で発生する廃棄物処理の開発・導入を強化することは、環境にやさしく、省資源につながる。鉄鋼スラグ(SS)の鉱化によるCO2回収は、スラグの塩基性が高いことから優れた選択肢とされている。本ペーパーでは、製鋼スラグを利用した鉱化によるCO2回収貯留(SS-CCS)に関する最近の研究がまとめられた。SS-CCSの3つのルートについて、直接気-固炭化作用、直接水性炭化作用、間接炭化作用がそれぞれ比較されている。さらに、SS-CCSのさらなる発展のための課題と展望についても論じてられている。