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米国税控除、CCSへの投資を奨励
29th January 2021
発行日:2021年1月29日 原典:White & Case 米国連邦政府は、修正された1986年米国内国歳入法典(Internal Revenue Code of 1986)のセクション45Qで提示されている規則及びその下における米国財務省規定(Treasury Regulations)に則って、CO2及び炭素酸化物を回収及び貯留ないし利用する納税者に税控除を与えている。その目的は、CCSプロジェクトへの投資にインセンティブを与えることである。 45Q税控除は、2008年に初めて規定されて以降、何度か拡張されており、直近では2020年12月末に拡張が行われた。 2018年超党派予算法(The Bipartisan Budget Act of 2018)がセクション45Qに対して実施した複数の重要な変更は、これらの税控除を投資家にとってより魅力的なものにした。同法は、CO2及び炭素酸化物の双方を対象にするようにセクション45Qを拡張した。また、市場で利用可能な全ての控除に対する制限を撤廃した他、一部のタイプの納税者に対しては、ある年に回収しなければならないCO2量の閾値を引き下げた。 同法は、税控除が受けられる期間(CO2回収設備の利用開始日から12年間)を明確にしたことで、投資家に更なる確実性を提示した。また、同法がセクション45Q控除額を引き上げたことは重要である。 2020年及び2021年初め、米国財務省(US Treasury Department)及び米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)は、控除の仕組みに関する数多くの未解決問題に対処するガイダンスを発表し、投資家にさらなる確実性を提示した。プロジェクト開発については、このガイダンスは、以前風力及び太陽光プロジェクトに対して提供されたガイダンスに概ね似たものとなっている。 さらに、2020年12月27日、トランプ大統領は、セクション45Q税控除を受ける資格を(もともとの日付である2024年1月1日から2年間延長した)2026年1月1日より前に建設開始するプロジェクトに与える、「Extenders Bill(延長法案)」としても知られるTaxpayer Certainty and Disaster Tax...
Microsoft社、直接空気回収企業であるClimeworks社を支援
29th January 2021
発行日:2021年1月29日 原典:Frontier Post Microsoft社は今朝(28日)、2030年までに「カーボン・ネガティブ」になるという1年前の公約を守る努力の一環として、更に多くの気候関連企業に投資することを明らかにした。 この巨大テクノロジー企業が出資する一社は、既に大気中に存在するCO2を除去する直接空気回収技術の普及拡大を検討しているClimeworks社である。 「Microsoft社によるClimeworks社からのネガティブ・エミッションの購入によって、我が社は1,400トンの炭素を恒久的に除去することになる」と、Microsoft社の環境担当幹部トップLucas Joppa氏はブログの中で述べた。 Climeworks社のその他の投資家及び顧客には、eコマースの有力企業であるShopify社が含まれる。 大局的に見れば、Climeworks社への投資は、Microsoft社が気候関連の取り組みに関して今朝発表したいくつかの最新情報の1つであり、同社の10億ドル規模Climate Innovation Fund(気候イノベーション基金)には、他にあと2件の新しい支出が含まれる。
CO2回収・変換システムの効率向上
27th January 2021
発行日: 2020年1月27日 原典 : Carbon Capture Journal マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが、炭素固定の電気化学反応率を高めるべく、触媒表面を使うシステムのパフォーマンスを大幅に向上させうる方法を開発した。 このような触媒システムは、輸送燃料や化学品原料などの有益で価値の高い製品を生み出せることから、CO2回収において魅力的なオプションである。このような成果品はプロセスへの助成の一助ともなり、温室効果ガス排出削減のコストをオフセットすることができる。 このようなシステムにおいては、通常、二酸化炭素を含むガス流が水を通過して二酸化炭素を電気化学反応に供するが、水を通過する動きが遅いため、二酸化炭素の変換速度が低下してしまう。この新しいデザインでは、二酸化炭素流が水中において触媒表面のすぐそばに集中したままになるようにしている。研究者らが示す、このような集中によって、システムの性能をほぼ倍増させることができる。 この研究は、MITエネルギー・イニシアティブを通じてイタリアのエネルギー企業Eni社と、カナダのNSERC PGS-D大学院奨学金から支援を受けた。
セメント産業における低炭素未来は可能
25th January 2021
発行日: 2020年1月25日 原典 :Carbon Capture Journal アルバータ州エドモントンにあるLehigh Cement社の工場にCCSを導入するというユニークな実現可能性調査を通じて、セメントにおける低炭素化の未来が進んでいる。Lehigh Cement社、International CCS Knowledge Centre(ナレッジセンター)、三菱重工グループは、セメント工場のCO2回収システムに関する実現可能性調査のためのエンジニアリング設計を進めている。 北米のセメント業界では初となるLehigh CCS実現可能性調査では、セメント工場の排ガス中の二酸化炭素(CO2)のうち90~95%(年間推定60万トンのCO2)を回収できるかどうかを調査している。 最近発表されたCanada Climate Plan(カナダ気候計画)では、包括的なCCS戦略を策定し、この成長産業においてカナダが世界的な競争力を維持できるよう、模索することが具体的に示されていることから、この研究は時宜を得たものとなっている。 SaskPower社 Boundary Dam 3 CCS 施設 (BD3施設)の設計・建設・運転、その後の拡張/改修で得た経験を有するナレッジセンターは、三菱重工グループと共に、 そしてShand CCS実現可能性調査での共同作業により、世界的な燃焼後回収プロセスの最前線にあり続けており、燃焼後回収業界全体にCCSの機会があると考えている。 排ガスには顕著な類似性があることから、BD3施設で得られた専門知識は、ナレッジセンターの経験に基づいたガイダンスにより、セメント分野にも適用することができる。Lehigh CCS実現可能性調査では、全世界13の商用プラントに配備されている、三菱重工グループの一部である三菱重工エンジニアリング株式会社(MHIENG)所有のCO2回収技術、いわゆるKM CDRプロセス(KM CDR ProcessTM)を、排ガス前処理システムやCO2回収・圧縮プロセスといったLehighのプラントや出力の仕様と統合させるよう調整すべく、エンジニアリング設計を検討することになる。
チューリッヒ工科大の研究、ゼロカーボン航空燃料への道を示す
25th January 2021
発行日: 2020年1月25日 原典 : Carbon Capture Journal スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)の Marco Mazzotti 教授とそのチームが、このたび、短期・中期的に最も実施しやすいと思われるオプションを比較し、コスト効果性などの要素に応じて評価を行なった。 ETHの研究者らは、最も好ましい選択肢は、将来的に化石燃料で航空機を動かし続けるも、その後、 CO2回収プラントを使って大気中から関連のCO2排出を除去し、そのCO2を恒久的に地下に貯留すること(CCS)であるという結論を出している。「必要な技術はすでに存在しており、地下貯留施設は北海その他で何年もの間稼働している」と、 Mazzotti教授グループのポスドクで、同研究の主席執筆者であるViola Becattini氏は言う。
英国インフラ委員会、CCUSのエビデンスを求める
22nd January 2021
発行日:2021年1月22日 原典:Carbon Capture Journal UK National Infrastructure Commission(英国国家インフラ委員会)が、2つのCCUS技術の可能性について意見を共有するよう、企業、政策立案者、科学者、学者、シンクタンク、投資家に呼び掛けている。 委員会は、2050年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにするという英国の目標達成に温室効果ガス除去(Greenhouse Gas Removal:GGR)技術がどのように役立つかを検討する調査の一環として、新しいcall for evidence(根拠に基づく状況提供の照会)を開始した。 調査は、最も開発が進んでいる2つの技術、すなわちDirect Air Carbon Capture and Storage(CO2直接空気回収貯留:DACCCS)及びBioenergy with Carbon Capture and Storage(バイオエネルギーCCS:BCCS)に焦点を置く。双方共にCCS技術を活用するものである。森林を「カーボンシンク」として利用するといった自然のソリューションは、英国気候変動戦略及び排出削減において重要な一部を担うものの、本調査の範囲には含まれない。 call for evidenceの締め切りは2021年3月3日であり、今夏にも完成した調査結果が報告される予定である。
米国政府、ワイオミング州CO2パイプラインのルートを承認
22nd January 2021
発行日:2021年1月22日 原典:Mail Online UK 米国政府が、CO2のワイオミング州内輸送を可能にする、開発されれば北米において、この種のものでは群を抜いて最大のネットワークとなり得るパイプライン・システムを承認した。 米国土地管理局(U.S. Bureau of Land Management)は、Wyoming Pipeline Corridor Initiative(ワイオミング州パイプライン地帯イニシアティブ)を通して、1,100マイル(1,770 km)の連邦所有地をパイプライン開発用に指定したと、Casper Star-Tribune紙は報道した。 David Bernhardt米国内務長官(Interior Secretary)は、ドナルド・トランプ政権の他の閣僚らと共に退任する数日前の先週金曜日(15日)に、同計画に署名した。承認によって、企業はパイプライン建設案の提出を開始出来る。 共和党のMark Gordon知事を含むワイオミング州当局者は、同州の低迷する炭鉱産業を後押しする方法としてCO2回収を奨励している。 エネルギー市場は、石油開発のためにCO2回収プロジェクトの開発を促していると、パイプライン・イニシアティブのワイオミング州プロジェクト・マネージャーであるMatt Fry氏は述べた。 Western Watersheds Project等、環境保護団体は、パイプラインはキジオライチョウ(主に地上性の、茶色でニワトリ程度の大きさの鳥)の生息地を横断するとして、パイプライン地帯計画を批判している。
米エネルギー省、化石燃料ベースの水素製造・輸送・貯留・利用向上プロジェクトに1億6,000万ドル提供すると発表
18th January 2021
発行日: 2020年1月18日 原典 : Electric Energy Online 本日(1月15日)、米国エネルギー省(DOE) の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy:FE) が、エネルギー及び商品製造脱炭素化のため、国内の膨大な化石燃料・電力インフラの再調整を支援すべく、連邦資金1億6,000万ドルを供与する計画を発表した。 化石エネルギー原料及び処理から作られる低コスト型水素は、CCS機能と組み合わせることで、これらのプロセスにおけるカーボン・フットプリントを著しく低減させ、CO2排出量ネットゼロの水素製造に向けた進展を実現させる。
Qatar Petroleum(QP)社気候ロードマップ、温室効果ガス排出量削減を視野に入れる
17th January 2021
発行日:2021年1月17日 原典:Gulf Times カタール及び世界の持続可能でより豊かな将来を確実なものにするためのカタールのコミットメントが、2030年までの温室効果ガス排出量削減計画を進めるQP社の新しいサステナビリティ報告書に反映されている。 新戦略は、パリ協定の目的に沿った複数の目標を設定しており、カタールで700万トン/年以上のCO2を回収するため、CCS専用施設の導入を明記している。
英国初の低炭素水素製造ハブ開発で提携
15th January 2021
発行日: 2020年1月15日 原典: Energy Monitor Worldwide 精製所を所有する Essar Oil UK 社と、プロジェクト開発・実施企業のProgressive Energy社が、英国初の低炭素型水素製造ハブとなるものの共同実施に関する覚書 (MoU) を締結した。同ハブへの投資総額は7億5,000万ポンド(10億2,000万米ドル)となる予定である。 製造場所は、 チェシャー(Cheshire)のエルズミア(Ellesmere)港にある国内最大の精製所の一つであるEssars社Stanlow精製所となる。 同精製所は、年間900万トンの重油及び原料を処理している。同精製所の天然ガス及び燃料ガスは水素に転換され、二酸化炭素(CO2) は回収されて、沖合のリバプール湾海底貯留層に貯留される。 製造される水素はHyNet地域全体で利用される。 HyNet North West (ハイネット・ノースウェスト)は、現在英国で開発中の産業脱炭素化クラスターである。同クラスターの原点であるProgressive Energy社が、同プロジェクト、低炭素型水素製造プラント、CO2パイプラインの開発を主導する。 Essar社はサポート企業であり、同エリアにおける同社の下流エネルギー活動が自然な形で供給の仕組みを提供する。 Essar社CEOのStein Ivar Bye氏によれば、HyNetと水素製造により、Stanlow精製所は、年間200万トン以上のCO2を回避することを目指す英国初のネットゼロ排出精製所となる軌道に乗ることになる。
中国、気候目標達成競争において、技術的ソリューションを後押し
13th January 2021
発行日: 2020年1月13日 原典 :Reuters Canada 中国は、気温上昇を制限するための国際的取り組みへの貢献の一環として、大規模な CO2回収プロジェクトを促進し、石炭や石油・ガスの採掘からのメタン排出を追跡していく、と中国の生態環境部(MEE)が水曜日に語った。 新しい政策ガイドラインの中で、MEEは、気候行動を政府関係者向けの業績指標にすることを誓った。 新しいガイドラインでは、MEEは大規模なCO2回収・利用・貯留の実証プロジェクトの建設を促進すると述べている。中国ではいくつかのCO2回収プロジェクトが稼働しているが、経済的に実現可能であったものはない。
Chevron社ゴルゴン・プロジェクトが恥の上塗りをする中、更に多くのCO2が放出
13th January 2021
発行日:2021年1月13日 原典:Melbourne Age 複数の文書が明らかにしたところによると、Chevron社ゴルゴン(Gorgon)プロジェクトを支えるCO2回収施設において問題が増えることによりその機能が縮小されてきたが、そのことは更に多くのCO2が大気中に放出されていることを意味している。 火曜日(12日)、独立系エネルギー報道機関Boiling Coldは情報公開(Freedom of Information)法の下で入手した複数の報告書を公開し、この米国ガス企業大手が西オーストラリア州バロウ島(Barrow Island)におけるプロジェクトに30億ドル以上費やしたことを明らかにした。 同機関はまた、Chevron社が、圧力管理システムが機能していない状態でCO2の地下圧入を開始したことや、そのような状態であるにもかかわらずChevron社が運営を継続出来るよう、規制当局である西オーストラリア州鉱山産業規制保安省(Department of Mines, Industry Regulation and Safety:DMIRS)が同社に複数の延長許可を発行したことを明らかにした。 それらの文書は更に、Chevron社が同システムのために公的資金6,000万ドル全額を、システムが部分的に稼働開始する2年以上前の2017年までに確保していたことも明らかにした。 Karen Caple DMIRS資源・環境遵守局長(resource and environmental compliance division director)は、圧力管理システムなしでCO2を圧入しても、システムの長期的な性能に影響を及ぼす可能性は低いと述べている。 同氏は、Chevron社が2021年6月30日までのフル稼働を目指してシステムの稼働を再開させる間、CO2圧入を継続することをDMIRSが承認したと述べた。