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Starwood Energy社、OGCI Climate Investments、 Elysian Ventures社、新たなCO2回収プロジェクトを立ち上げる
1st April 2020
発行日: 2020年4月1日 原典 : PR Newswire 大規模商業プロジェクトは、天然ガス火力発電所からCO2を回収する世界初のものとなる予定であり、CO2回収のインセンティブを受ける資格を有する。 Starwood Energy Group Global社 (「Starwood社」) は、今日、天然ガス火力発電所に統合される大規模CO2回収施設の開発に投資するという合意を、OGCI Climate Investments (「OGCI CI」) と締結したと発表した。Starwood社とOGCI CIは、商業利用可能なCO2 回収技術を利用し、既存発電所からのCO2 排出量の90%を回収すると見込まれる、このプロジェクトの初期開発に共同出資する。回収されたCO2 はその後石油増進回収に利用され、既存油田に恒久的に隔離される。同プロジェクトは、Starwood社とElysian Ventures社 (「Elysian社」)により共同開発される。 同プロジェクトは、予想される今後の法的な精緻化を含め最終的な規則が実施され次第、CO2回収プロジェクト普及のためのセクション45Q税控除の利用を求める予定である。同プロジェクトはnon-recourse融資を受ける予定であり、施設の建設は2021年はじめに開始されると見込まれている。 (Global CCS Institute日本事務所注)OGCI(石油・ガスメジャー企業が結成した気候変動問題への対処を目的とする団体)については以下のサイトをご参照。 https://oilandgasclimateinitiative.com/building-a-global-portfolio-to-enable-ccus/
CO2の回収
1st April 2020
発行日: 2020年4月1日 原典 : Hart Energy Publishing 欧州のCCSプロジェクトをここ何年間かで花開かせてきたやり方の一つは、いかにそれらのプロジェクトを計画するかにある。単一の排出源についてフルチェーンのソリューションを構築するかわりに、ハブとクラスターを設けるのである。たとえば、ノルウェーのフルスケール・プロジェクトでは、ノルウェー東部海岸にある2件の産業施設でCO2を回収し、その後液化・圧縮したCO2を船舶で西部海岸にあるNorthern Lightsの陸上ターミナルに輸送する。そこから、CO2は中間貯留タンクに積出され、続いてCO2を北海貯留層に恒久貯留すべく海底下の圧入井にパイプライン輸送されると、Equinor社が伝えている。 この3月、Equinor社と同プロジェクトにおけるそのパートナー企業であるShell社及びTotal社が、北海のトロール油田(Troll Field)南に位置する評価井31/5 7 Eosの掘削完了を発表した。この掘削の目的は、Johansen地層内の貯留層がCO2貯留に適しているかを判断するためのものであった。 同井は海底下約2,500mに位置し、掘削認可001において掘削された最初のものである。発表によれば、Northern Lightsプロジェクトが認可されれば、この坑井はCO2の圧入及び貯留に使用されることになる。
三菱日立パワーシステムズ、三菱重工エンジニアリング、三菱ガス化学、CO2の効果的リサイクルによるメタノール製造の調査実施主体に選ばれる
1st April 2020
発行日: 2020年4月1日 原典 : Power Insider Asia – NEDO委託の協力調査プロジェクト、CO2回収利用(CCU)技術の開発を目指す – 三菱日立パワーシステムズ株式会社(MHPS)、三菱重工エンジニアリング株式会社 (MHIENG)、三菱ガス化学株式会社(MGC) が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により、北海道苫小牧市の精製所から排出されるCO2を効果的にリサイクルする共同調査の実施主体に選ばれた。同市では、既存実証プラントによりCO2が回収・貯留されている。現在CCS用として採用されている実証プラントをさらに有効利用するべく、上記三社は、回収されたCO2からメタノールを製造するべく、CO2回収利用(CCU) のための調査活動を協力して行うことになる。同調査は、2021年2月まで行われると見込まれる。 MHPSは、同コンソーシアムのリーダーとして、回収された二酸化炭素を幅広い産業における重要な燃料かつ原料としてよく知られるメタノールの合成に利用することを提案した。このプロセスでは、回収されたCO2と精製所からの副産物として得られる、または既存CCS施設内の水電解から得られる水素(H2)とが結合される。 この調査のスコープには、提案される施設における重要な構成要素に対する性能評価と関連の技術調査、プラント形状の最適化のための基礎エンジニアリング、経済的実現可能性調査の実施、将来的見通しが含まれる。CCU施設とCCS施設の統合は、CO2回収機能の共有というメリットをもたらし、両施設の相互運用性を高めることが期待される。
米ノースダコタ州の協同組合電気事業者は、CCSのポテンシャルを実証しうるか?
31st March 2020
発行日: 2020年3月31日 原典: CoalZoom.com Project Tundra(プロジェクト・ツンドラ)が、石炭火力の継続性を延長しうるCCS技術の潜在的な先駆的プロジェクトに。 米国ノースダコタ州の小さな町で、小さな協同組合電気事業者が1970年代の褐炭発電所から生じるCO2排出を貯留するために、これまで建設された中で最大となるCO2回収プロジェクトを提案している。 この提案は、国内の他の発電所で長年にわたってCO2隔離の試みが頓挫し続けた挙句、13億ドルという価格にもかかわらず登場したもの。 CCSの支持者らは、Project Tundraはこれまでとは違うものであり、特に再生可能エネルギー資産が乏しく気候の厳しい地方部ではいまだベースライン電力が必要な電力グリッドにおいて、石炭がいかに共存し続けることができるかを示す重要な先駆的プロジェクトであると述べている。炭素回収の支持者らは、CO2を単に空洞に埋めるだけでなく、産業プラントから隔離されたCO2排出が、自社の生産のためにそれを必要とする顧客に売るための商品となる世界を予想している。 彼らは、いまだ規制面での遅れによって混乱の続いている新たな税控除が、世界の排出量削減にCO2隔離を用いるようになる国際的なトレンドの活性剤となりえると考えている。そしてまた、税控除がトランプ政権のコロナウィルス緊急経済対策の一環として大幅に増額されることを期待している。 Grand Forks(グランド・フォークス)に本拠を置くMinnkota Power Cooperative(電力協同組合)は、小さな町であるCenterに位置するMilton R. Young発電所の455メガワット基から排出されるCO2の90%を回収する計画を立てている。この非営利発電・送電組合は、この開発により発電所の寿命をもうあと25年延長できる可能性があると考えている。同組合の負荷の約半分が、ミネソタ州の顧客に供給されている。 この計画では、同発電所に石炭を供給する褐炭鉱の下にある土地の地下貯留エリアにCO2を圧入することが求められている。このシステムでは同発電所にある2つのユニットのうち一つから排出されるCO2のみが貯留されるが、その大規模なサイズゆえに、このシステムが、他の石炭ベース施設の潜在的なケース・スタディかつロードマップとなる可能性がある。同システムは、完成された最大のCO2回収プロジェクトである240メガワット級のPetra Nova発電所(テキサス州ヒューストン南西部)の約2倍の規模である。 「これは実にエキサイティングなプロジェクトだ」と、Minnkotaの渉外担当シニア・マネジャーであるStacey Dahl氏は語った。「これは、 Petra Novaよりも規模が大きく、この技術を褐炭に対していかに利用できるかを示すものとなる。」 Project Tundra(プロジェクト・ツンドラ) Minnkotaは、ノースダコタ州東部とミネソタ州北西部の135,000件の顧客を有する11の組合に電力を供給している。同社は、再生可能エネルギーに投資しており、NextEra Energy Resources社から457メガワットの風力エネルギーを購入している。石炭代替オプションの一つとして天然ガス火力発電所の建設が考えられていたが、MinnkotaはCO2回収システムがCO2排出量を半減させうることに気づいたと、Dahl氏は語った。 ベースライン電力は厳しい気候の中では不可欠であり続ける。「これは、我が社にとって最もクリーンなオプションなのだ」と同氏は語る。「我々は再生可能エネルギーを非常に重視しているが、再生可能エネルギーの間欠性は誰もが理解している。」 Minnkotaは、ヒューストン郊外のPetra Novaプロジェクトを担当したコンサルタントであるDavid Greeson氏を雇用した。 プロジェクト・ツンドラは、エネルギー・天然資源委員会(Energy...
Woodside社、Browseガス・プラントにCO2回収計画
28th March 2020
発行日:2020年3月28日 原典:The Australian Woodside Petroleum社は、205億米ドル(337億豪ドル)規模のBrowse(ブラウズ)LNGプロジェクト開発による排出量に対して高まる懸念に対応するため、同プロジェクトにCO2回収施設を附設することを計画している。 西オーストラリア州における同LNGプロジェクトは金曜日、原油価格暴落のため遅延したが、Woodside社は、それが再開される際には、プロジェクト開始の10年後という当初の予測とは異なり、開始時からCO2回収施設が含まれる可能性が高くなったと述べた。 Conservation Council of WA(西オーストラリア州保護協議会)によると、Woodside社Browse(ブラウズ)共同事業パートナーのうちShell社及びBP社の2社は、プロジェクトからの排出量が多いことを懸念する可能性があるという。 「我が社は現在、CCS活動に関してBrowse海盆に隣接するガス田エリアだけでなく、少し遠くの帯水層のオプションも検討している」と、Woodside社最高経営責任者Peter Coleman氏は投資家らに述べた。「それがBrowseでの操業ライセンスの要件となる世界を目にするだろう」。Woodside社は去年、2050年までに西オーストラリア州の排出量を正味ゼロにする目標を達成するために企業が排出量を完全に相殺するという同州環境規制当局の計画を、声高に批判した企業の1つである。 Chevron社が、40%排出削減を目指している西オーストラリア州Gorgon(ゴーゴン)プロジェクトにおいて、自社の25億豪ドル規模地下CCSプロジェクトが本格稼働に近づいている一方で、Santos社は、南オーストラリア州にある自社のCooper(クーパー)盆地ガス田においてCCS計画を進めている。 それでも、コンサルティング会社のWood Mackenzie社によれば、Woodside社は遠隔地にあることから、費用を含むいくつかの障害に直面するという。 「既存インフラに近いCooper盆地の陸上におけるプロセスは、トン当たり25-30米ドルと推計されている。沖合、特にBrowse海盆のような遠隔地は、その3倍近くになると見られている」と、WoodMac社アナリストAngus Rodger氏は、The Weekend Australian誌に語った。「事実上、現時点においてはBrowse海盆に明白なCCSソリューションはないと考えている。その近郊に目立ったガス田はない。」
豪クイーンズランド州におけるCCSの可能性、調査によって示される
25th March 2020
発行日:2020年3月25日 原典:Carbon Capture Journal 豪州クイーンズランド大学(University of Queensland)による研究で、豪州クイーンズランド州南部における大規模CCSハブ設立について調査が行われた。 同調査は、例えば、Millmerran(ミルメラン)、Kogan Creek(コーガン・クリーク)及び、場合によってTarong North(タロング・ノース)などに限らず、クイーンズランド州の既存の近代的超臨界石炭発電所のレトロフィットを中心とした大規模CCS「ハブ」プロジェクトを立ち上げることによって、大幅な排出削減を達成出来る可能性を示している。 これらは、Surat(スラット)盆地の最深部において貯留可能性が理論上確認されているエリアに近い。 Garnett教授は、これらの発電所の寿命-現在では約35年とされている-においてより早期にCCSを実現させればさせるほど、取り組みの影響は大きくなると述べた。 同教授は、オプションの実現可能性を確認するために3-4年、続いて商業的企業の設立及びエンジニアリングの最終決定に更に数年を要すると見積もっている。これに続いて、何年かにわたって、いくつかのステージを設けて、段階的かつ順次的に発展させていくことで、安定した地域雇用の流れを維持しながら、大幅な排出削減を実現していくことが可能である。 「次のいくつかのステップは、より多くの実地データの収集、複数のコミュニティとの協議、法的調査の実施及び完全な実現可能性調査の遂行となるだろう」と、同教授は述べた。 「大幅な排出削減を実現する規模という意味での商業規模回収・貯留は、2030年頃に開始できると考えられるが、我々は今すぐにそのプロセスを開始しなければならない。」 報告書の全リストは、UQ Centre for Natural Gas(クイーンズランド大学天然ガス・センター)のウェブサイトから入手出来る。 この報告書は、豪州政府がCarbon Capture and Storage Research Development...
JOGMEC、JX、Petronas社、マレーシアのガス田でCCSを試験
25th March 2020
発行日: 2020年3月25日 原典 : Offshore Engineer 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) が、JX石油開発株式会社及びPetronas社と、CCS技術を利用し、マレーシアにおける高濃度CO2ガス田の開発について調査する合意を締結した。 「マレーシアでは高濃度CO2を含む数多くのガス田が発見されているが、技術的・経済的理由から開発されないままとなっている。このようなガス田の開発には、生産されるガスから出るCO2を分離・回収し、適切に貯留することが求められる」と、 JOGMECが水曜日に語った。 「将来の商業化を視野に、JOGMECとJXはその知識と経験をフルに活用して調査を行い、このようなガス田開発の実現可能性について探る」と、JOGMECは述べた。 この調査において、当該ガス田から生じるCO2は、分離・回収され、成熟し枯渇したガス貯留層などの適切な貯留層に圧入されることになる。 JOGMECは、CCS技術を用いて、環境配慮型のガス開発のコンセプトを確立することを計画している。 同調査では、天然ガスから生成される水素を日本に輸出する将来的な可能性についても調べる予定である。
モングスタッドCO2回収技術センター、運営継続
23rd March 2020
発行日: 2020年3月23日 原典 : ノルウェー政府 ノルウェー政府は、Technology Centre for CO2 capture at Mongstad (モングスタッドCO2回収技術センター:TCM) に対する資金支援を2023年末まで継続することを提案している。 ノルウェー・ヴェストランド(Vestland)郡AlverにあるTechnology Centre for CO2 capture at Mongstad (TCM) は、数年間にわたり、CO2 回収技術開発の重要な舞台であった。同技術センターは、国有企業のGassnova社と、民間企業のEquinor社、Shell 社、及びTotal社によって運営されている。 これらの国有・民間企業は、現在、今の契約の満期日から2023年末までTCMの運営を継続することに合意している。 — TCMはノルウェーのCO2回収貯留 (CCS) の取り組みにおいて重要な要素であり、気候変動を緩和するのに必要なツールの開発に多大な貢献をしている。私は、パートナーであるEquinor社、Shell社、Total社とこの施設の運営を継続する合意に達したことをありがたいと思っている。 TCMに対する民間企業のコミットメントは、政府にとって非常に重要だ。この新たな契約は、TCMにおいて前向きな展開を継続するための良き基盤となる、とノルウェーの石油・エネルギー大臣(Minister of Petroleum...
米国エネルギー省、大気中CO2回収研究に2,200万ドル提供
21st March 2020
発行日: 2020年3月31日 原典 : Electric Energy Online 今日、(3/30)、米国エネルギー省(U.S. Department of Energy:DOE) が、CO2の直接空気回収について画期的解決策への到達を目指す研究に対し、最高2,200万ドルを提供する計画を発表した。 このイニシアティブは、一つはDOEの科学局(Office of Science:SC) と、もう一つは同省の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy:FE) により同時に行われている二つの資金提供公募を合わせたものであり、材料科学及び化学における基礎研究からプロトタイプのフィールド試験まで幅広く網羅するものとなる。 「二酸化炭素の直接空気回収における成功を加速化することで、米国のエネルギー安全保障を強化し、商業利用に向けての新たな道が開かれるだろう」と、DOE科学局長であるChris Fall博士は語る。「この分野で現実的な進展が見られてきたが、非常に効果の高い直接空気回収技術を大規模に開発するには、基礎研究と応用研究の双方が必要だ。」 「化石エネルギー局は、CO2回収・利用・貯留に関する我々の既存の専門知識と研究開発を利用し、直接空気回収技術の開発促進のために、他のDOE部署と協力できることを喜んでいる」と、Steven Winberg化石エネルギー担当次官補(Assistant Secretary for Fossil Energy)が語った。「我々の協力と資金供与の分担は、エネルギー省がいかに部局横断的に継ぎ目なく機能しているかを明確に示している。」 科学局は、 2020年会計年度に400万ドル、以降の会計年度では議会の定める政府歳出予算にしたがって、複数のプロジェクトに対し3年間にわたり総計1,200万ドルを提供することを計画している。化石エネルギ―局は、2-3ヵ年のプロジェクトに対し、2020年会計年度に1,000万ドルを提供する予定である。
米国議会、CO2回収のためにIRSを促す必要性
18th March 2020
発行日:2020年3月18日 原典:The Hill 米国議会は、2018年にCO2回収も税控除の対象とすることを認可した。しかし、米国内国歳入庁(Internal Revenue Service)は、税法のセクション45Qへの見直しをどのように解釈するかに関する重要な詳細をいまだに発表していない。その結果である不確実性のため、投資家達は大規模なCO2回収プロジェクトにコミットできない状況になっている。 投資家達は、CO2回収事業への参加が税控除の対象として認められるという保証を欲しているが、それは、IRSが税制優遇の資格を得られるCO2回収技術及び施設の導入方法に関するガイドラインを発表するまで、起こり得ない。IRSは2月下旬に、いくつかの関連ガイダンスを発表したが、多くの重要問題は解決していない。前米国エネルギー長官でMITの物理学者であるErnest Moniz氏は、「何もやらなかった2年間」の後で、新しく発表されたガイダンスは「全くもって不十分だ」と述べた。 税控除適用の主要な側面、特に、隔離されたCO2の適用対象となる詳細な利用方法、及び「secure geological storage(確実な地中貯留)」の定義は、いまだに不明確である。 このような遅れは、気候変動への対処にあたって重大な影響がある。税法で明らかになっている規定には、CO2回収施設で税控除を受けるためには、2024年より前に建設を開始しなければならないと記されている。これははるか先のことのように見える一方で、このルールは多くのプロジェクトに、可能な時期よりも早く資金調達、設計及び法的側面に関する全計画を完遂させるプレッシャーを与えている。気候変動との戦いに最も大きな影響があるいくつかの複雑で大規模なプロジェクトは、この期限に間に合わないかもしれないという理由から、完全に取り止めになる可能性がある。相当数の事業者においては、CO2回収プロジェクトを開始する準備が整っている。Bloomberg Taxによると、潜在的な投資家達は、5億ドルの上に座ったまま、ただガイドラインが発表されるのを待っているという。
メディア・リリース : グローバルCCSインスティテュート、英国政府の2020年度予算案で発表された新CCS資金を歓迎
12th March 2020
発行日:2020年3月12日 原典:グローバルCCSインスティテュート 英国ロンドン-2020年3月11日-Rishi Sunak英財務大臣(The Chancellor of the Exchequer)が今日、英国2020年度予算案を英国議会で発表しました。グローバルCCSインスティテュートは、CCSプロジェクト普及及びインフラのために発表された新しい資金コミットメントを歓迎します。 予算案には、少なくとも2か所の英国CCSサイトにおける開発支援を目的とした、最低8億ポンド規模の新しいCCS Infrastructure Fund(CCSインフラ基金)の設立が記されています。最初のCCSサイトは2020年代中頃までに、続いて2か所目は2030年までに建設される予定です。 英国政府はまた、少なくとも1件のCCSガス発電所を、消費者補助金の力を借りて支援する計画であることも発表しました。 2019年6月、英国は2050年までに正味ゼロCO2排出を達成する目標を法制化しました。同国はまた、今年末にCOP26も主催します。英国政府はCCSを、自国の産業及び発電の双方を脱炭素化させる努力を支えると共に、大規模なネガティブ・エミッションを実現するオプションを提供する、重要な気候変動緩和技術と目しています。 財務大臣は、英国下院(House of Commons)での今日の演説において、計画されているCCSクラスターが新しい基金によって支援され、本格的に稼働開始した暁には、Teesside(ティーズサイド)、Humberside(ハンバーサイド)、Merseyside(マージーサイド)及びスコットランドのSt-Fergus(セント・ファーガス)といった地区で、高度な技術を必要とする高賃金で低炭素な雇用を最大6,000人分創出できると述べました。 グローバルCCSインスティテュートのアドボカシー・コミュニケーション担当ジェネラル・マネージャー(General-Manager for Advocacy and Communications)Guloren Turanは、2020年度英国予算案における新しい資金の発表及びCCS目標を歓迎し、次のように述べました。「この新しい資金は、英国政府が、産業の脱炭素化、同国の野心的な気候目標の達成、及び同国経済のクリーン成長機会の創生におけるCCSの重要性を認識していることを示唆しています。この資金は、英国全土の主要な産業ハブ及びクラスターを脱炭素化させるためにCCS普及を加速化させる取り組みを支えるでしょう。英国政府は、野心とコミットメントを示すと同時に、2020年代及び2030年代にCCSを大規模普及させるための前向きな政策展開を進めています。これは特に、BEISによる、英国でCCSの新しいビジネス・モデルを作るための作業及び取り組みに見ることができます。英国政府には、この分野で世界的なリーダーになり得る類まれなチャンスがあります。今年のCOP26はまた、同国におけるCCSの取り組みに光を当てるチャンスにもなるでしょう。」 英国では現在、様々な開発段階にある大規模CCSプロジェクトが6件と、BECCSプロジェクトが1件存在します。これらにはAcorn CCS、Caledonia Clean Energy、Clean Gasプロジェクト、HyNet North...
メディア・リリース : 欧州のための新しい産業戦略に対するグローバルCCSインスティテュートの声明
11th March 2020
発行日:2020年3月11日 原典:グローバルCCSインスティテュート グローバルCCSインスティテュートは、欧州委員会が発表した新しい欧州産業戦略(European Industrial Strategy)を歓迎します。戦略は、遅くとも2050年までに気候中立的な大陸になるという欧州の目標を達成するにあたって、産業、特にエネルギー集約型部門の重要な役割を強調しています。同コミュニケーションは、欧州産業の将来及び2030年までに達成しなければならないことに関する欧州委員会のビジョンを提示しています。これは、欧州及びその産業が、クリーン技術、低炭素エネルギー・ベクトル、イノベーション及び気候中立的な製品を現実のものにしていくための基盤を築く出発点です。 欧州のためのこの新しい成長戦略案の中で、CCSは、欧州の気候目標並びに主要欧州産業及び部門の転換を支援するにあたって極めて重要な役割を担います。欧州委員会はそのコミュニケーションの中で、エネルギー集約型産業の転換及び近代化は、これら部門の欧州経済における重要度を考えると、「最優先事項でなければならない」と強調しています。 欧州においてCCSは、セメント、化学品及び鉄鋼等、エネルギー集約型産業の大幅排出削減を達成する試みを支援できます。同技術はまた、重要産業製品のカーボン・フットプリントを低減させることもできます。