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GCCSIメディアリリース:英国政府、4件のCCSハブ&クラスターに資金提供することを決定
18th November 2020
発行日:2020年11月18日 原典:グローバルCCSインスティテュート グローバルCCSインスティテュートは、2020年代末までに英国各地で開発される4件のCCSハブ&クラスター・プロジェクトを支援するために10億ポンドの資金提供を行うという英国政府によるこのたびの発表を歓迎します。 CCS開発を支援するために春季予算(Spring Budget)で発表された8億ポンドに上る既存の政府資金供与に追加する形で更に2億ポンドを割り当てるこの投資は、2050年までにネットゼロ気候目標を達成するための10カ条計画の一環です。この資金は、ハンバー(Humber)、ティーズサイド(Teesside)、マージーサイド(Merseyside)、グランジマウス(Grangemouth)、ポート・タルボット(Port Talbot)といった地区において5万人分の雇用を支援するのに役立てられます。 「英国は、産業排出量対策に真剣に取り組んでいることを示しています」とグローバルCCSインスティテュートのCEO、Brad Pageは述べました。「英国各地でCCSハブ&クラスターを開発するというこの最新の動きは、英国で最もエネルギー集約的な産業部門からの排出量を緩和するにあたって重要な一歩です。これらのハブは、排出量を大幅に削減するだけでなく、CCSインフラ及び輸送を共同使用することでそれを実現し、産業及び政府双方の費用とリスクの低減に役立ちます」と、Pageは付け加えました。 2019年、英国は2050年ネットゼロ排出目標を法制化するというコミットメントに前向きに取り組みました。同国政府の新しい10カ条計画は、改正された気候変動法(Climate Change Act)に基づく現行のネットゼロ法と整合するものとなることを目指しています。
製鋼工程からの廃棄物共処理:製鋼スラグを用いた鉱化によるCCS
17th November 2020
発行日: 2020年11月17日 原典 : NCBI 鉄鋼業はエネルギー集約型部門であり、製鋼工程では、CO2、冶金スラグ、廃水などの廃棄物/副産物が大量に発生する。製鋼工程で発生する廃棄物処理の開発・導入を強化することは、環境にやさしく、省資源につながる。鉄鋼スラグ(SS)の鉱化によるCO2回収は、スラグの塩基性が高いことから優れた選択肢とされている。本ペーパーでは、製鋼スラグを利用した鉱化によるCO2回収貯留(SS-CCS)に関する最近の研究がまとめられた。SS-CCSの3つのルートについて、直接気-固炭化作用、直接水性炭化作用、間接炭化作用がそれぞれ比較されている。さらに、SS-CCSのさらなる発展のための課題と展望についても論じてられている。
英国サウサンプトン大学による、排出されたCO2をプラスチックに転換するためのソリューション
16th November 2020
発行日:2020年11月16日 原典:Carbon Capture Journal 英国サウサンプトン大学(University of Southampton)の科学者達が、効率的かつ持続可能な方法でCO2を多用途なプラスチック材料に変換出来るハイブリッド触媒プラットフォームを発明した。 Daniel Stewart博士及びRobert Raja教授が開発したViridi CO2プラットフォームは、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry:RSC)の権威ある2020 Emerging Technologies Competition(2020年新興技術コンペティション)の受賞技術として認定されている。 この新しい化学ソリューションは、CO2排出量を削減しながら、マットレス、衣服、建物用断熱材として使用されている年間数千万トンに上るプラスチックをより効果的に生産するために利用出来る。 将来的には、同技術を石油化学精製所の排出流にレトロフィットすることでCO2ループを閉じることが可能となり、それは2050年までに全ての温室効果ガス排出量を正味ゼロまで削減するという英国のビジョンに向けた大きな一歩となる。 受賞したアプローチは、ポリウレタンの生産に焦点を置いている。 Viridi CO2プラットフォームは、英国工学・物理科学研究評議会(Engineering and Physical Sciences Research Council:EPSRC)の研究助成金を得て開発され、更なる大規模化作業及び商業化活動はEPSRC Impact acceleration(影響加速化:IAA)アワードの支援を受けている。
Total社及びパートナーら、地中CO2貯留シミュレーターを発表
12th November 2020
発行日:2020年11月12日 原典:Carbon Capture Journal 2年以上にわたる共同研究を経て、Total社、米国ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory:LLNL)、米国スタンフォード大学(Stanford University)が、大規模地中CO2貯留のためのオープンソース・シミュレーターGEOSXを発表。 GEOSXは、Total社、スタンフォード大学地球・エネルギー・環境科学部(School of Earth, Energy and Environmental Sciences)及びLLNLが2018年に立ち上げた5年間のFC-MAELSTROM研究プロジェクトにおける最初の主要な成果であり、それぞれのパートナーがシミュレーション及び高性能計算研究分野で培った20年を超える専門知識を生かしている。 GEOSXは、高性能計算と応用数学における新しい技術を用いて開発され、地中CO2貯留層の管理と安全性の向上を目指している。その計算性能は、現在までのところ匹敵するものがないとパートナーらは述べている。 GEOSXのオープンソースという性質は、CO2回収・利用・貯留(CCUS)技術の大規模開発への道を開くため、高いレベルの透明性、情報共有及びコミュニティ支援を確保するためのものである。
Chrysaor社、北海CO2貯留ライセンスを申請
12th November 2020
発行日:2020年11月12日 原典:Carbon Capture Journal 北海南部の枯渇ガス田におけるCO2貯留を申請することにより、ハンバーサイド(Humberside)のイミンガム(Immingham)クラスターから排出されるCO2の貯留・輸送を目的としたV Net Zeroプロジェクトを支援。 北海の大手石油・ガス会社であるChrysaor社は、CO2貯留を目的としたライセンス申請(Licence Application)を行い、それに並行して、クラウン・エステートに貯留リース(Storage Lease)に関する合意を求めていく。 CO2の回収・圧縮・調整は、Vitol社とPhillips 66社を含む業界パートナーの連合であるHumber Zeroプロジェクトによって行われる。V Net Zeroプロジェクトは、英国で最も炭素集約的な工業地帯であるハンバーサイドにおいて低炭素インフラを実現するにあたり、非常に重要となるであろう。 発行日:2020年11月12日 原典:Carbon Capture Journal 北海南部の枯渇ガス田におけるCO2貯留を申請することにより、ハンバーサイド(Humberside)のイミンガム(Immingham)クラスターから排出されるCO2の貯留・輸送を目的としたV Net Zeroプロジェクトを支援。 北海の大手石油・ガス会社であるChrysaor社は、CO2貯留を目的としたライセンス申請(Licence Application)を行い、それに並行して、クラウン・エステートに貯留リース(Storage Lease)に関する合意を求めていく。 CO2の回収・圧縮・調整は、Vitol社とPhillips 66社を含む業界パートナーの連合であるHumber Zeroプロジェクトによって行われる。V Net...
CEMEX社、CO2回収研究にDOE助成金を授与される
11th November 2020
発行日:2020年11月11日 原典:Carbon Capture Journal CEMEX社及びMembrane Technology & Research社が、テキサス州にあるCEMEX社セメント工場に導入される、低費用な革新的CO2回収技術に取り組む。 CEMEX社の米国事業は、米国エネルギー省(United States Department of Energy:DOE)から、テキサス州にあるBalconesセメント工場における革新的なCO2回収技術の研究開発のための助成金を授与された。この助成金は、この技術を実施するための実現可能性調査の一部に使用され、2050年までに世界的にCO2正味ゼロ排出のコンクリートを提供するというCEMEX社の目標に向けた重要な前進となることが期待されている。 このイニシアティブにおいて、CEMEX社はMembrane Technology & Research(MTR)社と提携し、テキサス州ニューブラウンフェルズ(New Braunfels)にあるCEMEX社Balconesセメント工場で18ヶ月間の調査を行い、工場の生産プロセスに新しい膜技術を導入することによるCO2排出削減の可能性を探る。MTR社によると、膜はCO2が通過可能な半透過性バリアとして機能し、最小限の導入コストでのCO2回収を促進する。
ワイオミングCO2回収プロジェクト、次なるステージへ
10th November 2020
発行日: 2020年11月10日 原典 : US News & World Report 複数の石炭火力発電施設から出る数百万トンの二酸化炭素を米ワイオミング州の地中に恒久的に貯留することを意図したCO2回収プロジェクトが、先月、第三段階に進んだと、研究者が述べた。 ワイオミング大学の科学者と業界の専門家らは、CarbonSAFEという略語で知られるCarbon Storage Assurance Facility Enterprise(炭素貯留保証設備事業)プロジェクトに取り組んでいる。同プロジェクトは、ジレット(Gillette)近くのBasin Electric Power Cooperativeのドライフォーク(Dry Fork)発電所周辺における18ヶ月間の地質調査を経て、2016年に開始された。 プロジェクトの第三段階には、データ分析を完了し、建設に必要な許可証と環境認可を申請・取得することが含まれている。 目標は、商業規模の貯留複合施設を建設し、30年以内に5,000万トンの二酸化炭素を回収することである、と研究者らは述べている。 このプロジェクトは、米国エネルギー省の国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)が提供する1,540万ドルの助成金、Basin Electric Power Cooperativeからの150万ドルの寄付金、大学からの240万ドルの寄付金によって賄われている。
Sempra Energy社とソーク研究所、植物を利用したCCS研究推進プロジェクトについて発表
9th November 2020
発行日: 2020年11月9日 原典 : PR Newswire Sempra Energy社とソーク研究所(Salk Institute)は本日、気候危機に対処するための植物ベースのCO2回収・隔離の研究・教育・実施を推進する新しいプロジェクトを発表した。Sempra Energy社は、5年間のプロジェクトの資金調達を助けるべく、200万ドルをソーク研究所に寄付する。 Sempra Energy社は、ソーク研究所のHarnessing Plants Initiative(植物利用イニシアティブ)の一環である「気候適応型のソルガムによるCO2隔離」プロジェクトの筆頭スポンサーとなる。Sempra Energy社の資金提供を受けて、ソーク研究所の科学者たちは、今後5年間、南カリフォルニアの土地で育ち、土壌に炭素を蓄えて、穀物生産、放牧、バイオエネルギーの原料として利用できるように作られた、耐干ばつ性に優れ、炭素を吸収する草類(ソルガム)を開発していく。
サウジG20、循環型炭素経済のためのプラットフォームを設立
8th November 2020
発行日:2020年11月8日 原典:Zawya.com G20議長国であるサウジアラビアのリーダシップの下、エネルギー閣僚らがカーボン・マネジメントの重要な新しいアプローチである循環型炭素経済(CCE)を承認した。KAPSARC(アブドラ国王石油調査研究センター)並びにそのパートナーである国際エネルギー機関(International Energy Agency)、OECD、国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency)、原子力エネルギー機関(Nuclear Energy Agency)及びグローバルCCSインスティテュート(Global CCS Institute)は、Guide to the Circular Carbon Economy (CCE)(循環型炭素経済(CCE)の手引き)を作成した。 CCEのアイディアは、循環型経済及びその3つのR -reduce(発生・排出抑制)・reuse(再使用)・recycle(再資源化)-の概念を進化させ、拡張したものである。循環型経済は、新しい原料の利用や廃棄物の発生を最小限に留めることを追求する。これは省エネにもつながり、それによって排出量も削減する。 CCEは、循環型経済と同じ3つのRを適用し、それに4つ目のRであるRemove(除去)を追加する。 CCEアプローチは、石油及びガスが生産者、消費者、経済繁栄に与える利益を持続させながら、炭化水素に含まれる炭素の管理に焦点を置く。これは、持続可能な経済開発及び多様化に貢献しながら、気候関連問題に実際的な解決策をもたらす。例えば、水素は、排出削減が困難な産業における排出削減策として広く見なされている。サウジアラビアは、ブルー水素-炭化水素から生産された水素で、排出されたCO2が回収及び貯留されるもの-を生産するにあたって好位置にあり、それを実現するために日本と協力している。サウジアラビアは、CO2を大規模貯留するための地層を豊富に有している。 サウジアラビアはまた、再生可能エネルギーを使用して生産されたグリーン水素への世界最大投資を行うことで世界をリードしている。同国は世界最高の太陽資源を有すると共に、かなりの風力資源にも恵まれている。 サウジアラビアは、直接空気回収技術が成熟し、費用が低減していく中、同技術の配備に理想的な場所である。国内の豊富な太陽資源を同技術の電源とし、CO2は国内の地中貯留層に貯留することが出来る。
C-Capture社、Pilkington社とガラス製造におけるCO2回収能力を実証
6th November 2020
発行日: 2020年11月6日 原典 : Carbon Capture Journal C-Capture社は、Innovate UKのSustainable Innovation Fund(サステナブル・イノベーション基金)を通じて資金援助を受けた。この資金供与は、C-Capture社のCO2回収技術とガラス製造業における要件との適合性を数値化するための実験を支援するものである。 C-Capture社は、英国のガラスメーカーであるPilkington社により、申請の支援を受けた。この実験は、Pilkington社の現場にCO2回収技術を導入することの実現可能性を評価するものであり、ガラス製造の脱炭素化に向けた重要な一歩である。 リーズ(Leeds)に拠点を置くC-Capture社は、二酸化炭素を回収するための世界で最もエネルギー効率の高いプロセスを開発しているという。C-Capture社は、現在商業用に入手できる技術よりも最大40%エネルギー使用量の少ない、独自の安全で低コストなCO2回収技術の特許を取得している。この技術では、アミンと窒素を含まず危険物として分類されず、また安価で、生物起源のソースから大規模に製造されうる、新しい部類の回収溶剤が使用されている。
ギリシャの2件のパイロット・プラント、CARMOFプロジェクトのCO2回収技術を試験
6th November 2020
発行日: 2020年11月6日 原典 :Carbon Capture Journal AIMPLASがコーディネートする欧州のCARMOFプロジェクト、ナノ材料と膜を用いた効率的な産業用CO2回収技術の開発を目指す。 2018年1月にプロジェクトが開始された当初は、プロセスに必要な電力消費量が高いため、CO2回収の効率は十分ではなかった。それ以来、CARMOFプロジェクトでは、3Dプリントされたナノ材料構造体を固体吸着材とし、それにCO2を回収・分離するための選択的な膜を組み合わせた革新的でカスタマイズされた2基の産業用実証装置の構築に取り組んできている。実証装置は、ギリシャの2つの産業施設に設置されることになっている。1つは石油化学産業における水素製造プラントで、もう一つはセメント工場である。 水素プラントからはCO2濃度17%のガスが排出されるため、年間350トンの回収能力が見込まれている。この設備は自動化され、遠隔操作で運転できるようにセンサーが搭載されている。セメント工場では、年間91トンのCO2回収能力が見込まれている。 この48ヶ月間のプロジェクトは、EUの研究とイノベーションのためのH2020フレームワークプログラム(H2020 Framework Programme for Research and Innovation)から、助成金契約番号760884の下で資金援助を受けている。このプロジェクトには、9カ国から合計15社のパートナーが参加する。このプロジェクトの実施は、2つの理由からCO2回収にとって戦略的なものである。材料開発の面では、効率向上の手段として吸着面積の拡大を研究者らは期待している。CO2回収に関しては、ジュール効果を利用した高効率な加熱技術の開発が進められている。
Shell社技術、CO2回収プロジェクト用に評価
6th November 2020
発行日:2020年11月6日 原典:Energy Global Shell Catalysts & Technologies社が、英国ノース・ヨークシャー(North Yorkshire)セルビー(Selby)近郊にあるDraxグループの発電所における最初の2基のCO2回収ユニットのためにCO2回収技術に関する概念設計(Pre-FEED)調査を行うため、Drax Power社(Drax)と契約を交わした。それぞれのCO2回収ユニットは、年間約400万トンのCO2を回収するように設計される予定である。Pre-FEED調査は、Shell Catalysts & Technologies社の代理としてTechnipFMC社が実施する。これは、同様の調査のうち世界最大のものの一つとなる。実施されれば、バイオマス火力発電所に適用された初の低圧燃焼後CO2回収技術となると共に、カーボン・ネガティブな発電としても世界初となる。 Drax発電所は、英国最大の単一拠点の再生可能エネルギー発電所であり、英国再生可能エネルギーの12%を供給している。同発電所は、発電の96%に持続可能な方法で調達したバイオマスの一形態である圧縮木材ペレットを利用する。Pre-FEED調査では、Drax社バイオマス発電ユニットの最初の2基にShell社CANSOLV® CO2回収システムが配備される可能性を想定し、同技術を利用した、このカーボン・ニュートラルなプロセスからのCO2回収について調査する。TechnipFMC社は、Shell社のCANSOLV技術に関する戦略的提携パートナーであり、このようなプロジェクトの設計・調達・建設に関する専門知識を提供する。回収されたCO2はその後、より大きなZero Carbon Humber(ゼロ・カーボン・ハンバー)産業脱炭素化プロジェクトの一環として、北海の海底下に隔離するためにパイプライン経由で輸送される。 Pre-FEED調査は、成功裏に完了した実現可能性調査に続くものであり、2021年初期まで実施される予定である。調査が完了した後、Drax社は基本設計(FEED)調査に進むかを決定する。